DIARY
  

4月 28日 2003
   運動中毒になってるかも・・・。
   もう、だいぶ前から、運動しないと気が済まない。
週に3回、合計18km走って、4km泳ぐ習慣が付いてしまった。
2回は、4km走って、1km泳ぐ。そして筋トレをする。
1回は、10km走って、2km泳ぐ。
よく、トレーニングジムで汗だくになって、
えらいこと速く走っているおっさんを見かけるが、
まさか自分がそうなるとは、夢にも思わなかった。
一日でも欠かすと、落ち着かない。
運動に行く前は、
「今日は体がだるいし、らくちんメニューでいこう!」って
思っているのに、いざ走り出すと、
つい今まで通りのスピードになってしまう。
あんまりがんばるので、”走ろう会”のおじさんが、
スカウトしてくれるが、日曜の朝早くなんて絶対に無理である。
僕は、”不健全なランナー”である。
早起きは、よほどのことがないとしない。
土曜の夜は、明け方近くまで酒飲んで起きている。
その結果、日曜は、当然昼過ぎまで寝ている。
しかし、こんだけ運動しているのに、
どうして痩せないんだろ?

4月26日 2003
  製薬企業も一部見直さないといけないかな
  以前、エイズの治療薬が高価すぎて、
発展途上国の患者に
充分行き渡らないことが問題になっていることを書いた。
製薬会社のエゴで薬の値段が高いままなので、
貧乏な国の人は、エイズになって死んでいくだけなんて、おかしい。
というような内容であった。
 しかし、そういったことに、取り組んでいる会社もあるようだ。
もちろん、企業イメージをあげるためには、必要なことであり、
それも、企業戦略の一環なのだろうが、
それはそれとして、僕は評価したい。
従って、同じ効能の薬があれば、これからは、
そうした活動をしている製薬会社の薬を優先して使おうと思う。

  ドイツBoehringer-Ingelheim社は、
「ビラミューン無償提供プログラム」の進捗状況を発表した。
このプログラムは、
抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)薬「ビラミューン」(一般名:ネビラピン)を、
発展途上国に無償で提供するもの。
 ネビラピンは、
出産時の母子感染予防に使われる。
連日服用が必要な他の抗HIV薬とは異なり、
HIVに感染した母親に対し陣痛開始時に一錠、
新生児へ出生後72時間以内に懸濁液を数滴投与するだけで、
出産に伴う新生児へのHIV母子感染率を20%にまで下げることができる。

 このようなHIV関連治療薬、検査薬の無償提供は他社も行っている。
例えば、
米国Abbott Laboratories社は、迅速抗体検査薬「Determine HIV」を提供。
米国Pfizer社は途上国のHIV・エイズ患者に抗真菌薬ジフルカンを供給している。

 途上国への支援は、無償のものだけではない。
UNAIDSなどの呼びかけで2000年5月に発足した
「アクセス促進イニシアチブ(AAI;Accelerating Access Initiative)」は、
薬の提供価格を下げることで、
発展途上国に住むHIV・エイズ患者の
治療機会を増やす官民協力活動である。
 参加する国連機関は、
UNAIDSのほか
世界保健機関(WHO)、
国連児童基金(UNICEF)、
国連人口基金(UNFPA)、
世界銀行の五つ。
民間からは、
Abbott Laboratories社、
Boehringer-Ingelheim社、
米国Bristol-Myers Squibb社、
英国GlaxoSmithKline社、
米国Merck社、
スイスRoche社
の製薬企業6社が参加し、
途上国に治療薬や検査薬を先進国価格の8〜9割引で提供する。

 しかし、現在のところは、
受け手側の体制整備が不十分であるため、
その効果は十分に発揮されていない。
途上国側の政府のインフラの構築が急務である。
さらに、感染拡大の防止や、治療のための情報・教育活動など、
多方面から医療体制の充実を図ることが必要である。

 この件に関するBoehringer-Ingelheim社のニュース・リリースは、こちら
Abbott Laboratories社の取り組みに関してはこちら
Pfizer社の取り組みはこちらへ。
AAIに関しては、
UNAIDSホームページ「Accelerating Access to HIV Care, Support and Treatment」まで。



4月25日 2003
    鉛について考える
    先日、”血中の鉛濃度が高い子はIQが低い”という米調査を読んだ
 以下がそのNIkkei BP MedWAVEからの引用。

 
子供172人を生後6カ月から5歳まで追跡した米国の調査で、
生活環境や母親の知能指数(IQ)などで補正しても、
血中の鉛濃度が高い子供ではIQが低いことがわかった。
米国では様々な環境規制により、
子供の血中鉛濃度は20年前の10分の1近くにまで下がっているが、
「低い鉛濃度でも従来考えられていた以上にIQに対する影響がある」と
研究グループは危惧している。
研究結果は、
New England Journal of Medicine(NEJM)誌4月17日号に掲載された。

 鉛には神経系に対する毒性があり、
知能の発達などを妨げることが知られている。
子供の体内に鉛が入るルートは、
1.妊娠中の母親の喫煙や生後の受動喫煙
  (たばこの葉に鉛が含まれている)、
2.有鉛ガソリンによる大気汚染、
3.水道水(水道用鉛管から溶出した鉛の摂取)、
4.鉛含有塗料(塗料が塗られた玩具などを子供がなめて摂取)
−−などが主なものと考えられている。

 有鉛ガソリンの禁止や鉛含有塗料の制限、
禁煙教育など、積極的な鉛環境改善策を取ってきた米国では、
この20年で子供の血中鉛濃度が
15μg/dlから2μg/dlへと“微量”と呼べるまでに大幅に下がった。
しかし、こうした“微量”の血中鉛が、
IQなどにどの程度の影響を与えるかは、実は良くわかっていなかった。

 米国Cornel大学人間環境学部のRichard L. Canfield氏らは、
生後6カ月の子供172人を5歳まで追跡。
定期的に血中の鉛濃度を測定し、
3歳と5歳時にはIQ検査も行って、
血中鉛濃度の推移とIQとにどのような関係があるかを調べた。

 その結果、血中鉛濃度が高い子供では、
3歳時、5歳時のいずれも、IQが低いことが判明。
ただし、子供のIQは母親のIQと強く相関していた。
さらに、高収入の家庭では母親のIQが高く、
子供の血中鉛濃度が低いなど、
子供の血中鉛濃度やIQには
遺伝的素因や住環境、教育環境などが複雑にからみあっていた。

 そこで研究グループは、
これらの関連因子でデータを補正した上で、
子供の血中鉛濃度の推移から推定した
「生涯血中鉛濃度」とIQとの関連を割り出した。
すると、生涯血中鉛濃度が1μg/dlから10μg/dlへと増加することで、
IQが7.4ポイント低下する計算になることが判明。
10μg/dlから20μg/dlへの増加では、
IQがさらに2ポイント下がるとみなせることがわかった。

 米国疾病対策センター(CDC)の基準では、
血中鉛濃度が10μg/dl未満なら“安全域”となっているが、
「それより低い鉛濃度でも、子供のIQには大きな影響がある」
と研究グループは結論。
もはや10μg/dl以下でも安全とはみなせないと強調している。

 日本の場合、
鉛管が水道用に使用されている比率が多いことを反映してか、
子供の血中鉛濃度は3μg/dlと米国よりも高い。
喫煙者が子供の前でもたばこを吸う家庭の子供では、
喫煙者がいない家庭の子供よりも
血中鉛濃度が1μg/dl高いとのデータもある
(日本小児科学会雑誌;101,1583,1997)。

 子供の体内に取り込まれる鉛の量を減らすには、
子供の前でたばこを吸わない、
空気のきれいな地域に住む、
朝一番の水道水は使わない、
子供に玩具などの塗料をなめさせない
などの様々な方法がある。
大人にとって“安全”とされる水準でも
子供に悪影響があることがわかった以上、
子育て中の家庭では、
「鉛対策」に本格的に取り組んだ方がよさそうだ。

 この論文のタイトルは、
「Intellectual Impairment in Children with Blood Lead Concentrations below 10 μg per Deciliter」。
アブストラクトは、こちらまで。

 以上がその内容だが、
だいたい、日本の水道管は、どうして鉛なんだろう?
どうして誰も、そのことを問題にしないんだろう?
おかしなことが、過去の慣例に従って、
大きな顔してまかり通っている!
さらに、日本では、猟銃の銃弾も鉛だ。
もっとしっかり規制すべきである。
(というか、狭い日本で猟銃を撃って生き物を殺して遊ぶような
悪趣味はやめればいいと思うが・・・。)
そういえば、
釣りに関しても、
せめて、釣り糸は自然に溶けてしまう糸を使ってほしい。
それに絡まって命を落とす生き物が少なくないのだから。


 

4月23日 2003
   ニーナ・シモンに捧ぐ
   僕の大好きなシンガー。
僕の音楽の原点ともいうべきシンガー。
今月21日フランスで亡くなった。70歳
僕が中学一年の時、僕の先輩でもある
兄の友人が一枚のシングルレコードを持ってきた。
ぶちゃいくな黒人のおばちゃんが
オレンジ色のドレスを着てその表紙を飾っていた。
「なんとおぞましい趣味だ!」とびっくりした。
ほとんど、妖怪人間ベラだった。
レコードを聴いてみると、
写真と同じくらいぶちゃいくな、だみ声が流れた。
" I put a spell on you " 
しかし、それを聴きながら、僕は、鳥肌がたっていた。
まだ中学一年だから、その意味なんかわからない。
なんだかわからないままに、虜になってしまった。
くぐもったような声で、もぞもぞと歌っているのはどう考えても、
美しくないのに、
そして、大声で歌いあげるわけでもないのに、
僕を引きつけて離さないものがあった。
それからは、LPを買いあさって、何度も聴いた。
ただし、ニーナシモンが友人たちと共通の話題にはならなかったし、
そうなることは、はなから諦めていた。
高校の時に、" Here comes the sun "と言うアルバムが出た。
それまで、ゴスペルやジャズ&ソウル一辺倒だったのに、
ポップス系のものを集めたアルバムだった。
僕は、大変に不満だった。
世間で受けるようなことをわざわざしないでほしいと思った。
" I love you POGY "などが
ヒットして、ちょっとだけ日本でも有名になった。
(マニアの間では元々有名だったけど・・・。)
今振り返ってみると、やっぱりそれらの曲も見事に歌っていた。
世間に受けたいから歌ったのではなくて、
歌いたかっただけのことかもしれないと今では思える。
日本に来たら絶対にコンサートに行こうと思っていたが、
とうとう来ることなく、逝ってしまった。
今夜は、久しぶりにウィスキーを飲みながら、
(いつもは焼酎だけど)
ニーナを聴くことにしよう。
"NE ME QUITTE PAS"


4月22日 2003
   厚生労働書よ、学習しろ!
   先日、香港のマンションでのSARS集団発生
の原因に関するレポートが届いた。
以下にそのコピーを載せる。

◆ 2003.4.21 【SARS速報】
香港のSARSマンション集団感染、下水から浴室へのエア逆流が主因か

4月20日午後1時現在で急性重症呼吸器症候群(SARS)の
累積患者数が1380人、死者が88人に達した香港で、
患者総数の4分の1を占めるマンション集団感染事例の
詳細な解析結果が発表された。
香港衛生省は、感染拡大の主因は
下水溝内の空気が浴室に逆流し、
ウイルス粒子が撒き散らされたためと推定した。

 さらに、このマンション以外のSARS患者居住建物の管理者に対しても、
1.他の居住者にSARS患者が同じ建物に住んでいたことを伝える、
2.建物を滅菌する−−の2点を行うよう通知。
併せて、SARS患者居住建物の実名をホームページ上に公開、
居住者に注意を促した。

 香港最大の集団感染事例となった現場は、
九龍地区の大規模マンション群「アモイガーデン」(関連トピックス参照)。
4月15日までに321人のSARS患者が発生している。
香港衛生省など8省庁の合同調査団の調べで、
1.発端者は33歳男性、
2.患者の41%は全15棟のうちE棟に集中しており、
 発症のピークも他棟より3日早い、
3.E棟の八つあるユニットのうち二つで高い感染率
 (感染の縦方向への拡大)、
4.上層階の方が下層階より感染率が高い−−との特徴が明らかになった。

 建物内の検査から、
洗面所や台所などの排水パイプには全て、
下水などの逆流を防ぐU字トラップが設置されていることが判明。
しかし、多くの家庭では浴室の床掃除はモップ拭きのみで、
浴室の床に水を流さないためU字トラップは乾燥していたことがわかった。
U字トラップが乾燥している場合、
浴室のドアを閉めて換気扇を回すと、
下水溝内の空気がウイルス粒子を含んだまま
浴室に逆流し得ることも確かめられた。

 このほか、下水管の換気パイプの亀裂
(いわゆる“煙突効果”で
微粒子状の下水が上層階にまで到達し得る)も確認。
マンション内のネズミの糞やゴキブリの体からも
SARSウイルスが検出されたが、
合同調査団は「感染拡大のパターンを考慮すると、
ウイルス粒子を含む微粒子状の下水が、浴室内に逆流したことが主因」
と結論付けている。

 なお、アモイガーデンにおけるSARS集団感染患者の特徴は、
下痢の合併者が極めて多いこと。
発端者を含め3分の2が下痢を合併しており、
特にE棟の下水からは多量のSARSウイルスが検出されている。
糞便中ではウイルスが他の環境中よりも長く活性状態を保てる
と報告されており、
この点も集団感染の遷延化に寄与した可能性があるようだ。

 この調査報告書のタイトルは、
「Main Findings of an Investigation into the Outbreak of Severe Acute Respiratory Syndrome at Amoy Gardens」現在、全文をこちら(PDF形式)で閲読できる。
(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承下さい)。
香港のSARS患者数の最新情報はこちら
SARS患者が居住していた建物のリストはこちらまで。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆ 2003.4.11 【SARS速報】香港のマンション集団感染、閉鎖前に116家族が脱出していた

■ SARSダイレクト ■
◆ 2003.4.18 【緊急情報】 重症急性呼吸器疾患(SARS)ダイレクト
感染症情報センター、疑い例、可能性例、およびその接触者の管理例を掲載、ほか


    以上が配信されたもののコピーである。


   
これって、
 空気感染でしょ。



しかし、相変わらず、厚生労働省もWHOも「空気感染ではない。」
「患者との、密接なコンタクトによる飛沫感染」
(つばやくしゃみのしぶきなどを吸い込んで起こる感染。)
と言っている。


普通、何らかの重大な危険があるとき、
その危険を回避するための注意は、
その危険の避け方がはっきりするまでは、
最大安全な 方法を指示するのが普通だろう?
エイズが問題になったとき、
ウィルスで汚染されているかもしれない血液製剤は
使わない様に指示するのが正しかったのに、
そうしなかったため多くの血友病患者が
エイズに感染してしまったことは記憶に新しい。
さらに、それに懲りないで、
異常なプリオンで汚染されているかもしれない脳硬膜を移植して、
単なる脳外傷だけの患者を、
ヤコブ病に感染させてしまったことも最近のことだ。
まったく、反省がない。



「人類が、
 歴史から学んだことは、

”人類が
 歴史から何も学ばない”
 と言うことだ。」


  という、有名な一説があるが、確かにそうだ!

  特に、日本の役人はそうである。

 

4月21日 2003
  ES細胞(万能細胞)
  ES細胞と言われても、ご存じない人も多いだろう。
簡単に言えば、受精卵を考えてもらえばいい。
受精卵は、はじめは1個の細胞である。
この細胞が、細胞分裂をしながら、
ある細胞は骨に、別の細胞は筋肉に、別の細胞は脳にと
体のあらゆる細胞に分化(変わって進化)していくことになる。
すなわち、受精卵には体に必要な
あらゆる細胞になる能力が備わっているわけだ。
だから、病気になってある細胞がだめになれば、
代わりにES細胞からその細胞を作り出して移植すればいいことになる。
たとえば、糖尿病でインシュリンを分泌するランゲルハンス島
を持つ膵細胞が足りなくなれば、
その細胞を作って入れればいいわけだ。

しかし、現実には、そんなに簡単にはいかない。
まず、
1.ES細胞が豊富にないといけない。(ES細胞株の樹立)
  (ES細胞を手に入れるには受精卵がいる。
  さらに、
  その受精卵を分化しない状態で数だけ増やす技術がいる。
  普通に受精卵を培養すると、勝手に分化してしまうからだ。)
2.培養したES細胞を必要な細胞に分化増殖させる技術もいる。
3.さらに、出来た細胞を移植するに当たっての
  拒絶反応も克服しないといけない。

 ES細胞を「未分化な状態を保ったまま増やす」技術は、
臨床応用を考える上で重要性が高い。
仮にES細胞を使う優れた治療手段が開発された場合、
一人を治療するたびに新たなES細胞を初期胚から作り出していたのでは、
コスト面そして倫理面で大きな問題となるからだ。
ヒトES細胞の“原料”が、
人の命の萌芽である胚である点を重視すれば、
「そうした犠牲をできるだけ少なくするためにも、
無限に増殖できる細胞株の確立は急務」である。

 既にマウスでは
20年前に、“未分化で無限に増える”ES細胞株が樹立されている。
もう一つの「目的の細胞へと分化させる技術」についても、
マウスES細胞では
ドーパミンを産生する神経細胞や心筋細胞、グリア細胞、
インスリン産生細胞、骨芽細胞、破骨細胞など、
様々な細胞に分化させることが可能になった。
マウス以外の動物では、
数年前にカニクイザルのES細胞株の樹立に成功。
実は、ヒトのES細胞株も、既に海外で樹立に成功している。

 海外で既に樹立されたヒトES細胞株があるなら、
研究にはそれを使えばいいではないか。
そういう意見もあるなか、
「ヒトES細胞は公共の財産。
公的な研究機関が細胞株を樹立し、
無償(実費)で研究機関に分配する
という仕組みを国内で作る必要がある」
という考えから、
「権利関係などの制約のない形で
自由に研究に使え、ウイルス感染などの問題もない
ことが確認されている良質な国内細胞株」
を供給する仕組み作りがスタートした。

幹細胞医学研究センターは、
ヒトES細胞株の樹立に取り組むわが国唯一の承認施設だ。
“原料”となる受精卵は、
京都大学附属病院、慶応大学附属病院と
豊中市民病院を通して提供される。
「(受精卵の両親である)ご夫婦が廃棄を決めた凍結胚に対し、
研究にご協力いただけないかという話をするわけだが、
日本の指針では
必ず夫婦揃って面談しなければいけないことになっている。
時間的な制約で面談をしていただけないことが多い。」そうだ。

 しかし、今年1月にはついに提供者が現れ、
ヒトES細胞株の樹立に向けて第1歩が踏み出された。

 細胞株の樹立の次に控えている大きな課題は、
いかに目的の細胞に分化させるか。

「臨床応用が早いのは、
ドーパミン産生細胞やインスリン産生細胞ではないか」とみられる。
いずれも既にマウスで技術確立がなされている上、
前者は免疫反応が弱い脳内に移植、
後者はカプセル化して皮下に植え込むなどの方法で、
免疫拒絶反応を避けることができるためだ。

 それ以外の多くの組織・臓器に関しては、
「免疫拒絶反応を無くす」という、第3の技術確立が不可欠になる。
様々なアイデアが試みられているが、
「将来的には患者自身の細胞を取り出し、
目的の細胞に分化させて移植する
テーラーメードの自家移植技術が開発される。
ただし、これはおそらく10年から20年先になるだろう」と言われている。
既に分化した細胞に自分が何の細胞であるかを忘れさせ(初期化)、
改めて目的の細胞へと分化させる(再プログラミング)という、
2段構えの細胞操作が必要だからだ。

 既に、ES細胞と体細胞を融合すると、
こうした初期化や再プログラミングが起こることが見出されている。
この方法なら、クローン胚を作らずに、
つまり倫理的な議論が尽きない「クローン人間」問題に抵触せずに、
拒絶反応を起こさない細胞を作り出せる可能性がある。

 なお、ヒトES細胞株樹立研究に関しては、
「ヒトES細胞プロジェクト 情報公開ページ」を通し、
概要や進捗状況などが公開されている。
文部科学省の「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針」は、こちらまで。


4月19日 2003
    笑って生きよう!
    最近、”笑うことがとても大切なことだ”としみじみ思う様になっている。
日常の診察でも、なるべく笑うようにしている。
愛想笑いではなくて、自分のために笑っている。
不思議なもので、笑うと、さらに楽しくなり、
相手のわがままなど愚行権も受け入れることがずいぶん容易になる。
いつも笑っていられるわけではないが、まず笑うように心がけている。
泣きわめいている子供なんて診たくないけど、笑うことで、
そんな気持ちもけっこう解消できる。
それに、そんな時は親の方もストレスに感じているので、
こちらが笑うことでずいぶん気が楽になってくれているように思う。
街ですれ違ったり、車で道を譲ったり、譲られたりしたときに、
さっと笑顔が出来たらかっこいいと思うが、
とっさにはなかなか出来ない。
今年の努力目標である。
笑うことで、体の免疫機能も改善されるという報告がある。
しわが増えると言う意見もあるが、
笑うことで頬の筋肉もトレーニングされて、
加齢によって、ほっぺが垂れ下がるのを防いでくれる。
なるべく、笑って生きていきたい。

 というわけで、お笑いネタです。
1.僕のボケ
  風邪の患者さんを診察していて、背中の音を聴いているとき
  (背中の音は、主に肺の呼吸音を聴いている。
   だから、大きく強く呼吸をしてもらうと音がはっきりする。)
  「大きく息を吸って吐いて下さい。」と言うつもりで、
  「はい。”あーん”して下さい。」と言ってしまった。





  しかし、
  患者さんは、”あーん”をしてくれていた。
 

 「はい、結構です。」とごまかしてしまったが、
  きっと気づかれただろうなぁ・・・。

2.患者さんのボケ
  やはり風邪で、「のどが痛い。」と言う訴えがあり、
  「のどを診せて下さい。」と言ったら、
  



  口を開けないで上を向いてのど仏を見せてくれた。


  このボケは、なぜか若い人で多い。
  もちろん、本人はボケているつもりはないので、
  僕もつっこみを入れない。
  「いや、口を大きく開けて下さい。」と言って
  日常の診察に戻るのである。

4月18日 2003
   家康の死因は?
   1616年4月17日、
徳川幕府初代将軍・徳川家康が死去した。
死因は「鯛の天婦羅の食べ過ぎ」と言われている。
家康は死ぬ3カ月前に、
家光の元服式に備えて、身体を鍛えるため鷹狩りに出かけ、
その夜に鯛の天婦羅を初めて食べた。
家康を訪ねてきていた京都の茶屋四郎八郎が、
「当地では魚を揚げる料理がはやっている。」といったため、
大鯛2尾、甘鯛3尾を取り寄せて食べた。
そして、家康はその毒にあたって床についた。
というけれど、
死んだのは食べてから3カ月も後のこと。
鯛の天婦羅を直接の死因とするには無理がある。
それに、鯛に毒はないだろ?
何か基礎疾患があって、偶然にその日に体調を悪くして、
床についたのだろう。
たぶん、そんなふうに言われているのだから、
おなかの症状が主体の病気で、死ぬくらいのもの・・・。
胃ガン、膵臓癌、胆嚢癌、大腸癌などの悪性疾患か
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆嚢炎、膵炎などではなかっただろうか?


4月15日 2003
    リゾートダイバー
    今日、ジムでシャワーを浴びていて、
ふとサイパンのことが浮かんできた。
シャワーの出方が、いわゆる普通のシャワーのように
細くなって何本もに分かれて出ないで、
水道のようにダボダボでるので、
その出方がサイパンのサービスのシャワーとよく似ていたので、
ふと思い出したのだろう。

 考えてみると、僕がリゾート専門軟弱ダイバーになったのも、
サイパンからだった。
南国で、暖かくて、快適で、海はきれいだ。
透明度もいいし、魚も色とりどりでいっぱいいるし、海の中も暖かい。
そういえば、そのときのテニアンのフレミングの透明度は、
いまだに、それに勝るものを知らない。
きらきらと輝いているガラスの中にいるみたいだった。
水深30mでも、真昼のように明るかった。
そこで見た、スミレナガハナダイの美しさには、魅せられてしまった。
いまだに、スミレナガハナダイがいると、どうしてもそばに寄ってしまう。

 さらに、南国では、海に行くのにストレスはないし、
海からあがっても、快適だし、メシはうまい。
そして、ホテルもきれいで快適だ。

いつの間にか、リゾートダイバーがしみついてしまった。
昔は、2月の凍えそうな天気のなかを、大荒れの海に潜っていたのに、
今は、よほどのことがないとそんな海には潜らなくなってしまった。
もちろん、よほどのことなどは、
これまでもないし、
きっとこれからもない。


4月14日 2003
    愚行権
    耳慣れない言葉でしょ?
僕も今回初めて聞いた。
「明らかに間違ったことをする権利」である。
「なんだそりゃ?」と思う人もいるだろうけど、
医者をやっているとしばしば出くわす。
たとえば、ぜんそくの患者に吸入ステロイドを使うのは、
いまでは、世界の常識である。
(それをしない”やぶXX”もいるけど・・・。)
しかし、ステロイドは絶対に使いたくないという人もいる。
いくら説明しても、使用してもらえない。
手術に輸血が必要でも、「輸血がいやだ」というひともいる。
理屈とは違うところでの決定だから、いくら理屈で説明しても、
どうしようもない。
認めるしかない。
欧州では、「人間は愚かな行為をするものである。」
という考えから、
命を守るという観点で国が干渉するのだそうだ。
アメリカは「愚かな行為をするのも個人の自由」
として受け入れられていて、
欧州とアメリカでは権利の解釈が異なっているのだそうだ。
日本では、最近、
輸血を拒否する患者に無断で緊急輸血をして
裁判で負けていた判例があった。
アメリカよりの解釈なのだろう。


4月12日 2003
     餃子はまた返り討ち
     また、餃子にチャレンジした。
前回は、東京ネギを入れて、ネギ臭かったので、
今回は、白菜だけで、挑戦した。
僕が読んだ本では、肉に下味を付けないので、そうしたが、
どうも味が淡泊すぎる。
今度は、肉に下味を付けて、キャベツも入れてみようと企んでいる。
餃子としては、失敗だったが、これに鶏ガラスープを加えて、
塩コショウで味付けして、好みで、醤油とラー油を入れると、
とってもうまいスープが出来る。
水餃子と言いたいが、皮が薄いのでぐちゃぐちゃになってしまって、
餃子の形態をなしていない。
しかし、このぐちゃぐちゃの皮がスープに絡んでうまい。
瓢箪から駒かな!


4月11日 2003
      減圧症の治療
     減圧症にかかると、できるだけ早い時期に
再圧治療を受けるのがよい。
しかし、現実は、”減圧症”とこちらが診断しても、
再圧施設でそう診断されないと再圧治療をしてもらえない。
再圧施設に勤務する医者が、
ダイビングのことをわかっていればいいが、
ダイビングのことを知らない医者が勤務していることもある。
大学から派遣されてきた医者が、
そこが八重山だから、ダイビングをするとは限らないのだ。
彼らは、日常診療では、減圧症の診断や治療をすることはないので、
減圧症のことを知らないのである。
昨年も、県立八重山病院に紹介した患者にCTを撮って、
「減圧症とは言えない。」とやられてしまった。
しょうがなく那覇のセントラル病院で
再圧治療をしてもらったことがあった。

  診断もさることながら、治療も問題がある。
最近は、T型もU型も動脈血ガス塞栓症も
酸素再圧治療表の”第6表”を使って治療することが多い。
(T型で、皮膚のぴりぴり感だけなどは、厳密には再圧をしなくてもいいが、
U型が後で発症してきたりすることもあり、
念のためにしておいても悪くないので、再圧治療することが多い。)
この治療で一回に4時間45分かかる。
これには、医師も技師もついていなければいけない。
しかし、医療機関で請求できる金額は、
発症して1週間以内で6万円、
1週間を過ぎると2千円である。
酸素の毒性のことを考慮すると連日の運用はできない。
医療機関は、やればやるほど赤字がふくらむ。
まして、1週間過ぎてしまうと、ほぼ、まるまる赤字である。
DAN−JAPANの再圧施設として登録されている堺労災病院では、
規定のプログラム通りの再圧治療は施行してもらえなかった。
東京医科歯科大学でさえも、
このまま再圧治療が続けていけるかどうか、不安があるらしい。
本来、きちんと治療するために必要なことは、
医療保険が適応できるはずだと思ったら
大きな間違いである一例である。
何とか、ダイバーの間で声を上げて運動してもらいたいものだ。
そんなことを、昨日、山見先生にお願いした。
もっとも、山見先生が一番そう感じておられるのだろうけど・・・。


4月10日 2003
     減圧症
   スキューバダイビングで、しばしば問題になるのが、
減圧症である。
減圧症とは、
簡単に言うと窒素の泡が血液中に発生して、
網細血管の細いところで詰まってしまって、
組織に血流が十分に行かなくなったために起こる
様々な病態である。
我々は、普段1気圧の環境で暮らしている。
水中では、水圧がかかる。
水深10mで2気圧
水深20mで3気圧
というふうに圧がかかるわけである。
だから、水深20mに潜ると、タンクから吸っている空気も
3気圧の空気を吸うことになる。
同じボリュームの空気を吸っても、
その濃度は3倍である。
したがって、酸素も、窒素も
3倍の濃い濃度のものを吸うことになる。
もちろん、その結果、
血中には3倍圧の酸素、窒素がとけ込み始める。
時間が経つほど、血中の酸素・窒素濃度は、
3倍の圧の飽和濃度に近づく。
こうして、血中で窒素の濃度が高くなった状態で、
元の1気圧の状態に戻ると、
今度は、血中の窒素が溶けていられなくなる。
いわゆる、過飽和の状態である。
非常に不安定な状態で溶けているので、
窒素は元の気体に戻ろうとする。
ビールの栓を抜いた時の状態
を思い出したらわかると思う。
栓を抜いたら、サーッと泡が出てくる。
生体内で実際にそんなことになっては、えらいこっちゃ。
というわけで、急激に気圧が下がらないように、
ゆっくりと、浅いところに浮上していって、
上昇していた血中の窒素濃度を
徐々に下げる必要があるのだ。

  昨日の、DAN−JAPANの講習会は、
健康チェックの講習会なので、
そのことに直接触れられてないのだが、
講師の山見先生は、
日本のダイビング界のオピニオンリーダーなので、
少し、個人的に話をさせてもらった。
というのは、レジャーダイバーに多い減圧症は、
浮上速度に問題がある場合が多いからだ。
潜水時間や、安全停止、水面休息時間
には問題がないのに、
減圧症を発症している症例では、
かなりの割合で、浮上速度が問題になっている
と思われる。
実際、講習やファンダイブでも、
安全停止はしっかり指導するが、
浮上速度に関しては、相当いい加減である。
僕が世話になったショップでも、
「ダイブコンピューターの浮上速度の警告は、
過敏すぎる。」
というコメントがイントラから聞かれた。
しかし、やはり、それは間違っている。
しかも、
その間違った認識がかなり広くイントラに浸透している。
だから、
1.ダイブコンピューターは必携である。
2.そして、その浮上速度の警告は無視してはいけない。
ということを、もっと啓蒙してもらいたい。
というお願いをした。
さらに、
減圧症の治療施設の問題についても話をしたが、
長くなるのでまた今度、日記に書くことにする。


4月 9日 2003
    DANーJAPANのメディカルチェック
    僕が受ける訳ではなくって、やる側の話。
今日、講習会があり、診察を一部休んで行ってきた。
今まで、(現在も)ダイビングのメディカルチェックは、
指導団体でも、ショップでも、統一性がなかった。
そして、異常があると、
「医者に行かされて、診断書をもらってこさされる。」
という恐れがあった。
だから、異常があっても”異常なし”に
チェックを入れることがしばしばあった。
また、
行った先の、医者によってその判断が様々であった。
これを、できるだけ統一していこうという考えで
このメディカルチェックが作られたのである。
また、ある程度の異常は
担当のインストラクターの裁量に任されていて、
チェックをつけたからといって、
必ずしも医者に行かなくてもいい部分ができた。
それによって、メディカルチェックを受ける側も
正直に記入できるようになった。
そして、医者側も、
「ダイビングを許可する」
とか
「禁止する。」
とかいった表現はしないようになった。
「危険が高いと考えられる病気があります。」
とか、
「危険性が高いと考えられる病気は、
今回の診察では見あたりませんでした。」
といった表現に変わった。
後は自己責任ってことだろうけど、
”危険が高い”と診断されながら潜って、
バディや一緒に潜った仲間やガイドに
迷惑かけるのも、問題である。
必ずしも、というか、時々、というか、しばしば
みんなが適切な判断をするわけではない
ことを認識しておく必要がある。
さもないと、
自然気胸の既往のある人がダイバーになったりする。
受ける側は、ダイビングしたいし、
インストラクター側は、Cカードを取らせたいのだから、
しばしば、適切な判断がされなくなる。
その人が、いつも、そして将来もずっと、
そのイントラと一緒にダイビングするわけではない
のだから、そのあたりが心配と言えば、心配だ。
しかし、まぁ、今までよりも、大きな進歩であることには
違いない。大いに評価したいと思う。  

4月 8日 2003
   アーア、今日も会議
   今日もまた、医師会の会議がある。
毎月第2.第4火曜日に開かれる。
夜の9時から、11時過ぎまでかかる。
(一応10時半までだが、延長されることが多い。)
以前は、
翌日の1時、2時までかかっていたそうだが、
今の会長になって、改善された。
僕に言わせれば、まだまだ改善してほしいが・・・。
要するに、
理事会の承認を得て、いろんなことが決まるのだが、
ほとんどが、会長・副会長レベルで決まっていて、
会議は、形だけ賛同を得る
あわゆる”しゃんしゃん会議”である。
そんなものは、書面でお知らせにして、
もっと、
話し合うべきことに時間を割いてもらいたいものだ。
まさに国会の縮図である。
うっかり異論を唱えたりすると、
目の色変えて攻撃される。
だから、こちらも、異論を唱えるときには、
総攻撃に耐える覚悟をして、
準備してからにしないといけないから、
少々のことは目をつぶる。
恐ろしく保守的団体だが、これでも、
今の会長がずいぶん努力して改革されているようだ。
今の会長だから、ぼくも、この仕事を引き受けたけど、
他の人だったら断っていた。
(もっとも、今の会長でも、最初は断ったのだけど・・・。)
他の人が会長になっていたらと思うと
会議の進行だけでなく、いろんな意味でぞっとする。



4月 7日 2003
    おら、東京さ、行っただ
    先週の週末は、
ヤクルト阪神が大阪ドームであったので、観戦した。
もちろん、3塁側である。
しかし、しかしである。
3塁側だというのに、
みんな白地に黒の縦縞の入ったメガホンや
マスコットバットをがんがん打ち鳴らしている。


ひとのところに来たら
        遠慮せえ!
ちゅうねん。


しかし、ヤクルトファンはほとんどいない。
あげくに、ヤクルトは負けた。
その日は、東京さ行かねばならなかったので、
浜中がホームランを打ったとたんに席を立った。

  大阪は、雨が上がっていたが、新幹線は東に走って、
雨雲に追いついてしまったので東京はまた雨だった。
Tさんに江戸前の寿司をゴチになった。
「うまいだろ?!」っと聞かれたが、本当にうまかった。
さすがに、江戸前の寿司だと感心してしまった。
しゃりの味付け、しゃりの量、
そしてネタの良さ!非の打ち所がなかった。

  翌日も、うまい蕎麦屋に連れて行ってくれたが、
ここも、ちゃんと打った香りのいい蕎麦で
恐れ入ってしまった。
蕎麦を3時頃に食っているのに、
Tさんは、もう一軒の
フグ料理屋の料理の話を始めていた。
「そこの、鶏の唐揚げと鰹どんぶりがうまいんだ。」
「なんで、フグ屋で鰹のたたきなんだ?」
そして、もっと不思議なのは、
「なんで鶏の唐揚げなんだ?」
どうやら、元々は、フグ主体の店だったのに、
Tさんがメニューを自分好みに
無理矢理に変えさせてしまっているような疑いがある。
とにかく、3時に蕎麦を食っているのに、
5時からその店で、唐揚げと鰹を食うことになってしまった。
そんなわけで、
蕎麦は、大盛りはやめて、ふつう盛りで食べた。

  2時間で、けっこう腹はこなれるものである。
5時には、鰹のたたきと、唐揚げに舌鼓を打っていた。
そんなわけで、
我が家に着いたのは夜の11時半過ぎであった。
家に帰ると、またおなかの空いた僕がいた。
満足の一日であった。
Tさん、奥さん本当にお世話になりました。
このままじゃ、肥満の道を歩みそうだ!

後日談

その後、Tさんたちは、
担々麺の美味い店に行って、担々麺も食べたそうだ。

えらいっ!

4月 4日 2003
     どんべえのカップのようなマスク
     今日、N95マスクが届いた。
そして、
「追加注文されても、もう、どこにもありません。」
と宣言されたらしい。
(僕が受け取ったのではないので、
本当かどうかの確認はとってないけど・・・。)
河内長野市では、
僕のところだけこのN95マスクを買ったらしい。
だけど、もうどこを探しても品切れだそうだ。
N95マスクは、
WHOがSARS(重症急性呼吸器症候群)の管理指針で
推奨しているマスクで、ふつうの外科用マスクより、
隙間の大きさが小さく、
ウィルスも95%位は遮断できるのだそうな。
どんなマスクかと見てみると、
まさに”どんべいのカップ”であった。
”どんべいのカップ”にひもを通して
一回り小さくした感じである。
しかし、誰が買っているんだろう?

 それにしても、日本政府は対応が遅い。
やっと、渡航勧告を出したけど、
国民の健康を第一に考えるスタンスが
全く感じられない。
いつもそうだけど、経済優先である。
国民の健康より、
税金払ってくれる企業(旅行業者や貿易企業)
(というより、献金してくれる企業といった方が適切かも)
の方が大切なのは、いつまでも変わらないのだろう。

  昨日、テレビで香港の街の様子を映していたが、
みんなマスクをしているのに、
マスクをしないで、
電話しながら歩いてる日本人らしきおっちゃんや
観光客で
マスクをしてない日本人のおばちゃんが映っていた。
どうも、日本人は、神経質にマスクをしたりして、
街を歩くことに関して「神経質そうで格好が悪い。」
という美学(?)があるようだ。
  そのわりに、日本人の感染者が出ていない。
地図上でも、
周りの他の国はみんな汚染地区になっているのに
日本だけ汚染地区になってない。
このまま行けば、確実に日本もそうなるはずなのに、
いや、もうとっくにそうなっていてもいいはずなのに、
なぜなんだろう?
日本人だけ感染りにくい何かがあるのだろうか?

4月 2日 2003
   内科学会
      今日から、内科学会に行く。
・・・・というと、なんか聞こえがいいでしょ?
学会で勉強してくるように聞こえるけど、
実は、決して、そんなことはない。
学会は、まだ決定的でないこと(未知の知見)を
披露する場所である。
我々、臨床家にとっては、そんなことはどうでもいい。
新たに発見されたことが、安全に実用化されるのは、
そんな発表があって、さらに薬が実際に出回って、
それから数年間経ってからのことだ。
それまでは、怖くて使えない。
はっきりとした結論以外は役に立たない。
そうした、はっきりとした結論は、
インターネットで(英語で、有料だけど)手に入れている。
こちらの方が遙かに、信頼性が高く、役に立つ。
”日本独自の怪しげな治療”などに
惑わされないですむし・・・。

  では、どうして、学会に行くのか?
というと、
認定医の資格更新に
”学会出席が義務づけられている”からである。
実にくだらん!
学会出席を義務付けているのは、
本音のところは、
”学会開催のための金集め目的”である。

「お金は払うから、出席にして!」
と叫びをあげたいところである。
  
  考えてみたら、
学生の時からずっと、
出席のための”代返”に苦労してきた。
未だに苦労しているのは、何かの因縁だろうか?
それとも、ただ単に、僕が成長してないだけ?

いずれにしても、福岡でうまいもん食ってこよう。
福岡のカイトさん!楽しみにしてますね!

                                

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