DIARY
 

   10月31日
   
ちょっとややこしいけど・・・。インフルエンザワクチンの話。
   インフルエンザワクチンの話である。
毎年、わかりにくい話をしているが、どうしてか?
ワクチンが効くと言う医者もいるし、(これが大半だが)
効かないという医者もいる。
国立感染症研究所のHPでも、「効果があるから、予防に受けるように」と書いてある。
効果のある年には、
「インフルエンザワクチンを打たなくて、インフルエンザに罹った人の80%は、
ワクチンをしていれば、ならなかった。」と書いてある。
もちろんそれは、嘘ではない。
だったら、僕たち一部の医者がどうして効かないと言っているのか?
それは、統計の出し方の問題なのだが、
ちょうど、2001/2002にインフルエンザに罹った人の推定人数がでていたので、
これを使って説明したい。
このシーズンにインフルエンザに罹った人は、959万人と推定されている。
80%の予防率とは、
インフルエンザワクチンを打って、インフルエンザに罹った人が、約160万人。
インフルエンザワクチンを打たないで、インフルエンザに罹った人が、約799万人。
よって、799−160/799=0.7999=80%という計算である。
つまり、799−160=630万人が
インフルエンザワクチンを打っていたらインフルエンザにならないですんだであろう。
という推定なのだ。確かにそうだが、
ここで抜けているのは、
いったい「何人にインフルエンザワクチンを打ったのか。
そして、その対照の何人が打たなかったのか。」がないのだ。
日本人口はその時期1億2729万人である。
仮に、多めに見積もって約3分の一の4000万人がワクチンを打ったとしても、
打たなかった8000万人の内、799万人がインフルエンザになったに過ぎない。
打たなかった人の9割はインフルエンザになっていないのだ。

昨年の統計では、優位差はなかったが、6才未満の子供では、
インフルエンザワクチンを打った子の方が、より多くインフルエンザに罹っていた。
以前、前橋市では、インフルエンザワクチンをいっさい試行しなくて、
周囲の都市とくらべた時、インフルエンザの発生に差がなかった。
(これは、前橋スタディといわれて、国際的に評価された事実である。)

ということで、インフルエンザワクチンは今のところ、積極的には奨めていない。
一応、インフルエンザワクチンを打った4000万人のうち
160万人しかインフルエンザに罹らなかったのだから、
打たなかったグループより発生率は低く、まったく効果がないわけではないのだろうから、
やめなさいとは言わないが、こちらから打ちなさいとも言えないのが現状である。
重大な副作用は、100万接種あたり1件といわれている。
宝くじに当たるくらいだけど、宝くじって当たる人がいるから、
命をかけてやるにはやはり勇気がいる。
今年も、納得してくれる人には鼻に噴霧しようと思う。

注:上記の内容は、11月12日付けの日記で統計処理の内容を訂正した。
  詳しくはコラムに記載した。

 
   

     10月29日  2003
     
紹興酒
     初めて飲んだ時は、中華料理店で、氷砂糖を入れて暖めたやつを飲んだ。
美味くなかった。こんなものかと思っていた。

  実は、そんなわけがない。
中国4000年の歴史があり、あの中華料理の国の酒が、
そんな程度のものである訳がなかった。
大関とか月桂冠を飲んで、
「日本酒がまずい。」と言っていたのと同じである。
本物を知らないだけであった。

 中国各県では、およそ5銘柄の酒が造られている。
中国には約2200の県がある。
その数 実に11000銘柄にも及ぶ紹興酒が作られているのだ。
(日本酒の蔵元は約1600軒しかないそうだから、すごい数だ。)
その中で、日本に輸入されている銘柄は推定500銘柄程度と云われており、
しかも、そのほとんどは特殊な場所でのみ販売されている。
(中華街の酒屋とか、中華料理店など。)
つまり、ほとんど、本物を飲む機会がないのだ。
もっとも、どれが本物やら、わからないが・・・。

  岸和田サティのワーナーマイカルの駐車場の道を隔てた所に、
中華料理屋(確か、”ちゃんちゃんTEL:0724−36−2620”だったと思う。)がある。
(予約しないと、入れないことが多いが、
時々、予約の合間にも入ることが出来るし、映画を見る前に予約を入れておくのもいい。)
味は、美味かったりまずかったり(品にもよる)だが、まぁまぁいけている。
この店でお気に入りは、紹興酒である。
店にあるペットボトルに分けてもらって帰るのが楽しみだった。
(今は、泉北シネマに行くことが多い。)
ペットボトル持参でもいいが、持って行くのを必ず忘れる。

かめに入った紹興酒は、何年ものだか忘れたけど、
ほどよい酸味とこくがあって、とても美味い。
そして、焼酎と同じように酔い覚めがいい。

大学生の時、東京の友人が急死してその時に、
赤坂の樓外樓飯店(ろうがいろうはんてん)でお別れ会をした。
この時に、浴びるほど飲んだのが紹興酒だった。
吐くほど飲んでいたのに、30分も飲まないでいると、
スーッと醒めてくるのがわかった。
おかげで二日酔いで苦しまないですんだ。
この時から、紹興酒のファンになっていたが、
美味い紹興酒が手に入らないので飲む機会がなかった。

今日、ネットで、かめ入りの紹興酒を買ってしまった。
嫁さんから、「どこに置くの!」と
えらい怒られている今日この頃である。
(24L入りと、9L入りがあったのだが、9L入りにしといて良かった!)





 
    10月28日  2003
     
アメリカの美談?
     昨日は、テディベアの日だったそうな。
僕は、テディベアがどうであろうと、どうでもよいが、由来を聞いてうんざりした。
その由来については諸説あるようだが、以下のようなものだ。

  1902年の秋、ルーズベルト大統領は熊狩りに行き、
瀕死の小グマを撃ち殺すことを拒み、
その小グマを助けた事が美談としてワシントンポスト紙に掲載された。

それと同じ頃、
ドイツのシュタイフ社が博覧会に熊のぬいぐるみを出品。
それがアメリカのバイヤーの目にとまり、
アメリカで大ブームが巻き起こり、
テディベアと呼ばれるようになったという説が有力のようだ。

  ちなみに「テディベア」とは
「一体ずつ手作り・手縫いであり、頭・手・足が可動し、
全て天然素材でできていて、詰め物がぎっしりと入ったベアの事」といわれているが、
ぬいぐるみを作った人が
「これはテディベア」といえばテディベアになるとのこと。

  しかし、アメリカという国は・・・!
なんで、「遊びで熊を殺しに行って、小熊を殺さなかった。」
ということが美談になるのだ?
殺人鬼が人を殺しまくったあげくに、
子供だけ殺さなかったからといって、
それが美談になるわけないだろうに・・・。
げに恐ろしきは、銃の文化である。
”遊びで熊を殺すこと”に、何の呵責もないのだろうか?
「遊びで動物を殺さないのが当たり前だ」という認識が
国民的に欠けているのは、恐ろしい!
もっとも、日本でも、狩猟や釣りが趣味の人たちがいるから、
えらそうなことはいえないのかもしれないが・・・。

  そういえば、トゥームレイダーYが発売になり、早速楽しんでいる。
僕に言わせると、ゲームの最高作品だ。
たっぷり2ヶ月は、インディジョーンズ(or ハムナプトラ)の世界で毎日遊べる。
しかし、今回は、ちょっと気になるところがある。
というのは、今、ルーブル美術館に潜入したところなのだが、
潜入して、警備員に出会うと、撃ち殺さないといけないのだ。
怪しい組織に潜入して、その組織の悪者とかゾンビならまだいいのだが、
「ルーブル美術館の警備員はないだろ!」
最初は、ララ(主人公)が銃を構えたが、(敵がいると銃を構える。)
まさか、美術館の警備員なので、話をするのだろうと思って、
反射的に最初の一発だけ撃って、次は撃たないでいたら、
スタンガンを押しつけられて、殺されそうになった。
そんなわけで、今は、
ルーブル美術館の警備員に出会うたびに撃ち殺す羽目になっている。
しかし、
「これって、ララは殺人鬼の犯罪者じゃん!」と思ってしまうのだが・・・。
はたして、後で、”合理的な落ち”が付いてくるのだろうか?
たぶん、そんな”落ち”はないだろう。
これも、アメリカで作られたゲームなのだろうか?
イギリス製だったように思っていたが・・・。

アッ! 今思い出した!
なんだか、急に銃のアイテムが増えたと思ったら、
確か、いくつかの銃は麻酔銃で,
人にしか効かないタイプだった。
でも、弾の数が少ないけど・・・。
今から変更しても、もうだいぶやっちゃったような気がするが・・・。
とりあえず、変更しておこう。





 
   10月27日   2003
    コンビニのサンドイッチは要注意
    この2月あまり、細菌が原因で起こる腸炎(下痢、血便)を診る機会が多い。
症状が出現する2〜5日まえに焼き肉や焼き鳥(鳥のたたき)を食べていた症例が多いが、
そうでない症例もある。
原因が特定できないことはよくあることだが、原因が特定できないと、防ぐ手段がないので
また同じことが起こる可能性がある。

   最近、興味ある報告があった。

首都圏のコンビニで連続買い取り調査をした結果、
サンドイッチ21検体中9検体から大腸菌が検出された。
ただし、ただちに危険、あるいは不潔という汚染状況ではない。
しかし、原則、非加熱のまま食べる食品なので
購入後、常温で(冷蔵庫に入れたとしても、)長時間置いておくことは避けるべきだ。

以下、公衆衛生学会で、関越中央病院の樋口幸子氏が報告した。

 樋口氏らの研究グループは、
東京都内のコンビニチェーンの特定店舗で、
ツナサンドを原則として1週間に1回ずつ計21検体を購入し、検体として採用した。
間隔を空けたのは特定ロットの商品になるのを避けるためである。
 検体から無菌的操作で培養を行ったところ、
43%に当たる21検体中9検体から大腸菌が検出されたほか黄色ブドウ球菌も見つかった。
ただし、生菌数は10の1〜2乗程度だった。
 これについて樋口氏は「製造関係者の手指の手洗い不備や製造時の取り扱い、
包装までの品質管理に問題があるのではないか」などとした。
 この程度の菌量では問題ないのではないかという会場の指摘に答えて、
「サンドイッチは非加熱のうえ、購入後、理想的な扱いをされるとは限らず、
十分な品質管理が必要」と強調していた。

大いにあり得ることである。
特に、消化管の未成熟な子供や、おなかの機能が落ちている人、
胃の酸分泌を抑える薬を飲んでいる人などは、
食物に付いた少量の細菌を、胃で殺すことが出来ないため、
それら細菌が腸で増殖する可能性がある。
サンドイッチは、購入後、時間がたったら、
どうしても食べるなら、加熱した方がよいだろう。
同様のことが、サンドイッチ以外(おにぎり等)にもいえるのかもしれない。





    
10月25日  2003
    
反省
    診察の終わる時間帯は、忙しいことが多い。
患者さんの駆け込み受診も多いし、
検査屋さんを長い間待たせるわけにも行かないので、
(彼(彼女)等は、次の医療機関にも回らないといけない。)
こちらも、ついつい焦りがちになる。
今日は、そんな時間帯に、あるお年寄りの婦人が来られた。
彼女は、以前からずっと慢性疾患で診ている方だ。
もう一年以上前から、「口が苦く、舌の先がピリピリする。」という訴えがある。
教科書的には、亜鉛欠乏などで、口が苦くなるし、睡眠薬などでも口が苦くなるが、
彼女はそのいずれでもない。
(緑茶には亜鉛が多く含まれていて、彼女はよく飲むし、食生活にも問題はない。)
(睡眠薬は飲んでいない。)
よく聞いてみると、「寝ている時は、症状がない。」とのこと。
(僕は、実際は、この原因で前述の症状が出ている人が多いと思っているのだが、)
入れ歯の材質である金属などのアレルギーである。
それを疑って、近所のY先生に電話で教えてもらった。
この証明は、金属パッチなどを使ったアレルギー検査が必要である。
しかし、保険点数が低すぎてどこの皮膚科もしていないのが現状だそうだ。
この近くでは、近大病院の皮膚科まで行かないといけないそうだ。

しかし、
イヤな話だが、現実問題として、
たとえ、それが証明できても、保険のきかない高い材質の入れ歯を、
今から作るのも、本人としては気が引けるのだろう。
遠くまで出向いて、検査は受けないでおくというのが結論だった。

   実は、彼女はもう一年以上前から、この訴えを僕の顔を見るたびに繰り返し、
僕も、この回答をその都度している。
   今日は、忙しいさなかだったので、思わず、
「毎回同じ訴えで、僕の回答も同じなのだから、
僕に出来ることは、金属アレルギーを証明して、
入れ歯を入れ替える様に奨めるしかできないのだから、
もういい加減にしてもらえないか。」と言ってしまった。
考えてみれば、彼女はこのことが気にかかって苦痛があるから、僕に訴えているのだ。
確かに、僕が根本的には解決できない問題ではあるが、
苦痛を聞くのも僕の仕事であることを忘れてしまっていた。
本当に悪いことをしたと思っている。心が重たい一日になった。



    10月24日   2003
    
根拠に基づく医療(EBM)入門(EBMは、難しいことではない。)
    僕の診療所では、患者さんが納得してくれたら、
単なる風邪に薬は出さない。(薬を出した方が儲かるけど・・・。)
薬を飲んだから、風邪が良くなったりしないし、早く治ることもない。
薬を飲まなかったから、風邪が悪くなったり、肺炎になったりもしない。

  しかし、そうは言っても、なかなか、にわかには信じてもらえない。
「ボルタレン(強力な鎮痛解熱剤)を飲んだら、あるいは、
よそで注射をしてもらったら一発で熱が下がって、風邪が治った。」
とよく言われる。
確かに、その時は、その治療を受けてから、風邪が治ったのだろうが、
それは、偶然、治るときにその治療を受けたに過ぎない。
しかし、実際にそういう体験をした人には、
僕の言うことは、なかなか聞き入れてもらえない。

  このたぐいのことは、医療だけでなく、日常生活でも、
時に遭遇していることなので、よく知っておいてもらいたい。
いわゆるおまじないのたぐいだ。

  雨乞いは、必ず効果があるのだ。
なぜなら、雨が降るまで、雨乞いをするのだから。
そして、以下のような3段論法が完成する。
1.雨乞いをした。(雨が降るまでするのだが・・・。)
2.雨が降った。
3.だから、雨乞いをすると、雨が降る。
この手の3段論法でだまされないでほしい。
いつも、このたぐいのことには、批判的吟味をする習慣を持ってほしい。

  風邪薬も同じだ。
風邪は必ず、(風邪であれば)治るのだ。
1.風邪薬(解熱剤や抗生物質)を飲んだ。(風邪が治るまで飲むわけである。)
2.風邪が治った。状態が楽になった。(解熱剤を飲むと熱が下がって楽になる。)
3.だから、風邪薬を飲むと風邪が治る。

こういうのを、「3”た”雨乞い療法」と呼んでいる。

  ちなみに、解熱剤を使うと、熱が下がって、痛みが和らいで、
一時的に体が楽になるのは確かだ。
しかし、それは体の中で風邪を治そうとしてして起こっている反応を
薬で抑えてしまうことで得られたものであり、実際に、鎮痛解熱剤を使った場合は、
使わない場合に較べて、風邪の治る期間は長引くことが報告されている。
特に、インフルエンザや水痘などでは、鎮痛解熱剤を使った場合に
脳症やライ症候群といった致死的な合併症の危険が高くなる。
このため、それら薬剤の使用をしないように、厚労省から指導が行われている。
(指導を開始した時期がやっとこの数年前で、
いつもの、厚労省の対応というか、あまりに遅すぎるのだが・・・。)
使うなら、アセトアミノフェン(アルピニーとかカロナールなど、他にもいくつかの商品名がある。)にして、
必要最低限(辛くて寝られない時とか、しんどいけど仕事をしないといけない時)にするように!


  砂漠で「雨乞い」をしても、いつまでも雨が降らないように、
喘息や肺炎に「風邪薬」を飲んでも、
いつまでも治らないばかりか、悪化する危険が高い。
38℃以上の発熱が、3日以上続く
 (朝、熱が下がっていても、昼から上がるのは熱が続くと考える。ちなみに、
  感染症の発熱は、しばしば、このような熱型になるのが特徴である。)
ゼーゼーあるいはヒューヒューと呼吸の時に音がする。
息を強く吐くと咳が出る。
息苦しい。
どちらかの肺が痛い。(咳をした時の筋肉痛ではないように感じる。)

そういう時は、砂漠で雨乞いしてるかも・・・。







    10月22日   2003
    
なんだか嬉しい!
    昨日は、ある方からグリーンピースのカレンダーの依頼と
近藤豆腐店の注文の問い合わせがあった。
今日は、掲示板にグリーンピースのサポーターになってくださった方が書き込みをしてくれた。
僕は、グリーンピースの回し者ではないのだけれど、
あのカレンダーを誰かが見て、「いいなぁ!」と思ってくれると、嬉しい。
次の世代のために、美しい地球を守ろうと思ってくれる人がいると、もう感動ものである。
近藤豆腐店の回し者ではないが、
僕が食べた豆腐の中では一番うまいので、是非味わってほしいと思う。

  毎日日記を書いていて、何人かの人が見てくれているのだが、
その感想などのリアクションが僕にはわからないので、
たまに、こうやってリアクションがあると、とても勇気づけられる。
たまに、家内が批判してくれるくらいなので、
反省の機会がないままに書いていると、
のぼせ上がったことになりはしまいかと、日々不安になってしまう。





    10月21日   2003
   
 インフルエンザワクチン
    この数日、インフルエンザワクチンについての問い合わせが増えてきた。
聞かれるたびに、
「インフルエンザワクチンは効かないし、副作用も多いからしない方がいい。」
と答えるのだが、そんなこと言われても、にわかに信じられるわけがない。
「えっ?」という反応がまず返ってくる。
そのたびにいっぱい説明するのも、けっこう疲れる。
でも、世間のほとんどの医者、それも”ナンチャラ大学の教授”とか、
偉い先生が軒並みに、
「インフルエンザに罹らないようにインフルエンザワクチンで予防しましょう!」
と言うもんだから、
それをひっくり返すだけの証拠を挙げて話さないといけないから大変だ。
そんなわけで、ことのついでに、日記に書いて、それをプリントして渡そうと、
またまた、楽することをもくろんでいる次第である。

まず、厚労省の昨シーズンのデータを示したい。
6才未満の小児を対象にしたもので、
昨シーズン
インフルエンザワクチンを接種したグループが、インフルエンザ様疾患に罹った割合は、13%
インフルエンザワクチンを接種しなかったグループが、インフルエンザ様疾患に罹った割合は、11%
統計学的に優位ではないが、
インフルエンザワクチンを接種したグループのほうがより多くインフルエンザに罹った。
元々、このデーターは、
「インフルエンザワクチンが効果があること」
を証明したくて作ったものなのに、
逆の結果が出てしまったのだ。
それでも、厚労省はインフルエンザワクチンが効くと言っている。
それは、ほとんど詐欺と言ってもいいやり方で、データーを作っているからである。
まず、インフルエンザワクチンが効くのかどうかを検証するには、
インフルエンザワクチンを接種したグループと
インフルエンザワクチンを接種しないグループと
二つのグループに分けて、風邪のシーズン後に
そのシーズン中に、インフルエンザに罹った割合を比較することになる。
ここで一番重要なことは、グループ分けなのだ。
「インフルエンザのワクチンを接種したい。」と希望した人たちを接種グループに、
とくにワクチン接種を望まなくてワクチンを接種しなかった人たちを非接種グループにした研究は
はじめから、統計学的に比較研究としては価値のないものなのだ。
専門的には、そういうのを「バイアスがかかっている。」という。
「インフルエンザワクチンを接種したい。」と言っている人、あるいは、その親は
すでに、インフルエンザに罹らないようにいろんな努力をする人たちなのだ。
ランダムに、目隠しをして二つのグループに分けてかつ、
医者も、その分けられた結果がわからない状態で診察して、
シーズンの終わりに、別の医者が判定をするのが
二重盲目法(RCT)といって正式なやり方だ。
厚労省は、ワクチン接種グループは
ワクチン接種を希望して病院を受診して接種したグループで、
偶然、別の疾患で受診したグループが非接種群として比較研究している。
世界に出すのが恥ずかしい研究である。
と言うか、出してもどこからも見向きもされないだろう。
もちろん、権威のある雑誌には載せてもらえない。

 外国の論文では、
「インフルエンザワクチンがその年に流行するインフルエンザとタイプが一致した時、
予防効果は50-80%だった。」と報告している。
これは、しっかりとした二重盲目法で検討されたものだ。
ここで、予防効果50−80%とはどういう意味かが問題である。
何気なく聞くと、100人にインフルエンザワクチンを接種したら、
50−80人はインフルエンザに罹らなかった。という風に思ってしまうが、
そうではない。
インフルエンザワクチンを接種して、その年インフルエンザになった人の人数:A
インフルエンザワクチンを接種しなくて、その年インフルエンザになった人の人数:B
予防効果は、B-A/Bとなる。
つまり、1000人にインフルエンザワクチンを接種し、
その中でそのシーズンにインフルエンザに罹った人80人
別の1000人にインフルエンザワクチンの代わりに生理食塩水を接種して、
その中でそのシーズンにインフルエンザに罹った人160人とすると、
160−80/160=50%(予防効果)となるわけだ。
つまり、インフルエンザワクチンを打つことでインフルエンザに罹ったはずの人が
何人罹らないですむかということになる。
%だけで表すとなんだか効いているようにも見えるが、
元々、この場合なら840人はワクチンを打たなくてもインフルエンザにはなっていなかった訳だ。
もっとも、これは、たとえであらわしたでたらめの数だけど・・・。
このように、インフルエンザワクチンが効果があるのかどうかは、
わかりにくい数字でしかあらわせられないし、そのこと自体が、
はっきりと効くものではない証明でもある。
結局、わかりにくい説明しかできなかったが、
要するに
お金を出して、
副作用の危険まで冒して、受けるような代物ではない


ということだけど・・・、
今年もいっぱいワクチンをすることになるのだろうな。

しかし、
これって、やっぱり説明するのは不可能な気がしてきたぞ・・・。
暗澹!












    10月20日    2003
    
今日は手短に
    今日はなぜか忙しかった。
やっと、今しがた仕事が終わった。時計は10時を回っている。
これから、晩ご飯食べて、ロッカーのハナコさんを見ないといけないので、
今日の日記は、手短にしようと思う。

  グリーンピースのカレンダーについて、
以前質問してくれた方から、「是非ほしい。」とメールをいただいた。
なんだか嬉しい!
好みを押しつけるわけではないが、本当にいいので、
一度グリーンピースのHPで見てほしい。
もう来年のカレンダーの写真は公開されている。
http://www.greenpeace.or.jp/info/publication/calendar2004_html




    
10月18日    2003
    
自分の首を絞めるのはイヤだけど・・・
    また、インフルエンザのシーズンがやってくる。

今年は、風邪をひいても、インフルエンザになっても
病院に近づかないことだ。


なぜか?
SARSである。
インフルエンザとSARSは、臨床上(診察しただけでは)区別が付かない。
つまり、SARS患者が紛れ込んでいてもわからないのだ。
ということは、インフルエンザで受診してSARSをもらってしまう可能性があるのだ。
風邪をひいても、熱が出ても、自然に治る。薬は必要ない。
インフルエンザも然り。
抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザ)を使っても、
せいぜい一日だけ病期が短縮するだけだ。

  コラムに、「医者はその状態が喘息や肺炎などの重大な病態が無いことを確認するために必要。」
と書いていたが、それはどうすればいいのか?
一言では答えにくいが、
38℃以上の高熱が3日以上続く。
全身状態が悪い。具体的には、
呼吸困難(息苦しさ、ゼーゼー音がする、寝ると息苦しいので座る、息を強く吐くと咳き込む、)
衰弱、意識障害(うとうとしていて反応が悪い、あるいはおきない、訳のわからないことを言う)
脱水(体重の減少、口の中や皮膚の乾燥、水分摂取の減少で判断。)
ひどい頭痛があり、嘔吐も伴う。
などがあると思われたら、病院に行くべきだと思う。

  「日本では、SARSは出なかったし、大丈夫じゃないか?」と思われているが、
これがとても怪しい。
SARSは日本人でも発症していた可能性があるのだ。
からくりはこうだ。
厚労省のSARSの診断基準は、WHOやアメリカの疾病予防センター(CDC)とは違っていたのだ。
つまり、WHOやCDCではprobable case とされているものが、日本では可能性例として扱われていたのだ。
そもそも probable case の訳は「臨床診断例」なのだが、
誤って(というか意図的に)「可能性例」と訳していたのだ。
つまり、WHOやCDCではSARSの臨床診断例は、日本では可能性例だったのだ。
日本での可能性例がSARSであった可能性は高かった。
というか、外国では臨床診断例だったのだ。

  ちょうど、エイズが初めて日本でも注目され始めたとき、
やはり、日本は日本独自の診断基準を作ってエイズの診断が遅れたのを思い出す。
また、厚労省は同じことをしているのだ。(彼らの得意技なのだろうか?)

  まぁ、そんなわけで、この冬は病院に近付かないように!
本当は、僕も逃げたいくらいだ。
もちろん逃げる先は、パラオあたり!
でも、昨年からの診療報酬の大幅カットでつぶれそうなのに、
これ以上患者が減ると大変だから、お仕事しなくっちゃ!


  ちなみに、SARS対策として、
全日空が国際便の添乗員全員にインフルエンザワクチンをしたそうだが、
僕に言わせると、「意味不明!」である。
インフルエンザワクチンをしたからSARSに罹らないということは全くない。
インフルエンザワクチンをしたからインフルエンザに罹らないということも全くない。
(後日、インフルエンザワクチンについては詳しく述べたいと思う。)
「高熱が出て、咳が出ているが、インフルエンザワクチンを受けているので
その病態はインフルエンザではないからSARSだ。」とでも言うつもりなのだろうか?
「インフルエンザである可能性が、ワクチンを打っているから低い。」という理屈も、
そんな証明は、世界中にどこを探してもない。
どう考えても筋が通らない。
どこかのえらい医者も、同じようなことを言っていたが・・・、
本気でそう思っているのだろうか?




    10月17日    2003
    
沖縄そばの日
    今日は沖縄そばの日。
    おととい、那覇の空港で、ソーキそばを食べていた時に、
ふと目を上げると、目の前のポスターにそう書いてあった。
今回は、いつもの語呂合わせではない。
沖縄が、日本に返還された当初は、
”沖縄そば”と公言してはいけないことになっていた。
なぜなら、「そばとは、本来”そば粉を使って打った麺”のことを指すので、
そば粉を一切使用していない沖縄そばは、それとして認められない。」という
お上のお達しがあったからだ。
しかし、沖縄の人たちは、「昔から沖縄の文化として沖縄そばがあり、
そば粉を使おうと使うまいと、それを沖縄そばと昔から言って慣れ親しんできたものだから
名称を変える必要がない。」と主張した。
そして、それが認められたのが、何年だったか忘れたけど、10月17日だったのだ。

  石垣島のはずれに明石食堂という店があって、遠いのでなかなかいけないけど、
ここの沖縄そばはレンタカーを借りて行くほどの価値がある。
沖縄そばは3種類。沖縄そば、野菜そば、ソーキそばだったと思う。
それぞれに、大盛り・ふつう盛り、小盛りの3種類があるので、
小盛りにして2種類のそばを食べるのが欲張りでいいと思った。
僕は、うっかり”ふつう盛り”を頼んで、後から後悔したが・・・。





    10月16日    2003
   
 ンフッ!
    最近、”帰ってきたロッカーのハナコさん”のファンになって、毎日見ている。
番組の終わりは、ハナコさんが「ンフッ!」と言って終わることが多い。
「いろんなことはすでにお見通しで、その結果も、きっと自分の思うとおりになるわよ!」
さらに、「結果が楽しみ!」と言う意味合いがすべて含まれた「ンフッ!」なのだ。
この「ンフッ!」に見合う言葉が男には無い。
言ってみたいが、僕が言うのは、どう考えても気味が悪い。
でも、言ってみたい!


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    10月11日    2003
    
ダイエット茶
    ダイエット茶には下剤の成分を入れているものがあるようだ。
下剤は、一時的には体重が落ちるが、それはやせたためではなくて、
水分などが過剰に一時的に体外に排出されているだけなので、ダイエットとしては邪道である。

  厚生労働省は10月9日、医薬品成分であるセンナの葉や葉軸、小葉、果実などを含む
ダイエット用茶飲料の製品名を公開した。
2002年3月から2003年10月にかけて都道府県などから報告があったもので、
同省では、現在のところ、これらの製品を摂取したことによる健康被害の報告はないが、
医薬品成分が検出されているので、健康被害が発生する恐れは否定できないとしている。

 センナの葉、葉軸、果実は、医薬品(緩下剤)と見なされる。
茎は薬効成分があるものの、食品(主として茶)として利用できることになっている。

●センナ葉が含まれているもの
 ラシ・ル・ボウスーパーダイエッターズティー レモンミント、(他に同アプリコット、同ボタニカルの計3製品、いずれも米国製)
 秀美楽(タイ製)
 NEW貴好茶(オレンジ)(日本製)

●センナの小葉と果実が含まれているもの
 ダイエットハーブ(日本製)

●センナの葉軸が含まれているもの
 減脂茶、世楽歩之茶、ハーブ減肥茶、NEW貴好茶(体脂肪)、痩草茶(いずれも日本製)
 芬美茶(台湾製)
 輝麗茶(原産国不明)

●センナの小葉と葉軸が含まれているもの
 朝の宅配便レベルマックス(日本製)

 センナ成分を含むダイエット食品に関する厚生労働省の提供情報は、こちら

思い当たる方は、気をつけて!




    10月9日    2003
    
ラーメン劇場報告
    今日は、泉ヶ丘にあるラーメン劇場に行った。
ラーメン屋は、7店舗が入っていた。
昨日が、一周年記念ということで、さぞや人混みだろうと思ったら、
中は、ガランガランだ。どの店も、客はパラパラしかいない。
息子が、以前食べておいしかったということで、
山神山人という店に入った。
ラーメンが出てきて、スープを一口飲むと、
少し匂いが気になった。
この匂いは、以前、”和歌山ラーメン”で有名な”井出商店のラーメン”と同じ匂いだ。
うまいラーメンの失敗作か、手抜きか、味が落ちたのかはわからないが、
ちょっとがっかりだった。
麺は極細麺で、ちぢれていない。
どうも、”腰の強いそうめん”を食べているようで、
ラーメンを食べている感じがしなかった。

せっかく来たので、もう一軒行くことにした。
”尾道ラーメン 柿岡や”に入った。
「透き通ったスープは醤油味」のキャッチフレーズに誘われた。
これらの店は、食券制で店の入り口で、食券を買ってから店に入る。
この店お勧めの尾道ラーメンを買った。
しかし、
店に入ったとたんに、失敗したことがわかった。
臭いのだ。
案の定出てきたラーメンのスープは生臭かった。
箸もつけないで出てきた。

  ラーメン劇場の一角にソフトクリーム・アイスクリームの店があって、
ここの”トマト味”がお勧め、ということでそれを探したが、
あまり売れなかったのか、無くなっていた。
変わりに、僕はイチゴとラズベリーを、
家内は、イチゴとチョコ、息子は、抹茶とチョコを食べたが、
いずれもおいしかった。

 ひょっとして、このラーメン劇場でおいしいのは
ソフトクリームだけかも知れない。

うまいラーメンが食いたいなぁ!




    10月8日   2003
    
医者からみた藪医者の見分け方
    とりあえず、身近な病気で医者にいったときに、
その医者が信頼できるかどうかを見分けなければいけない。
なにをもって信頼出来るとか出来ないとか決めるのか?
基準は、人それぞれの価値観も違うし、様々だとは思う。
しかし、少なくとも、僕が肝に銘じているのは、


「医者が患者に害をなさないこと。」である。


今はやりのEBMという言葉(根拠に基づいた医療)も、
元々は、根底に前述の考え方がなければいけないし、
実際その考え方に根ざして発展したものなのだ。
しかし、今では、そのことにふれる人は少なくなってしまった。

  そうした考え方に根ざして患者をみているかどうかが一番大事ではないかと思っている。
そういう意味では、患者の希望通りの治療をしないこともしばしば有るかもしれない。

  
風邪
1.やたらに、鎮痛解熱剤を出す医者。(ロキソニン・ボルタレン・PL顆粒も含む)
  この薬を飲むと楽になるので患者の受けはいい。
  薬の副作用は、かなり多いし(特に胃腸障害)、風邪の治りも悪くなる。
  
2.熱が有れば、とにかく抗生物質を出す医者
  風は、ウィルスの感染によって発病するので、細菌感染の疑いのない時は
  抗生物質は不要である。

 
 頭痛
1.とにかく、鎮痛解熱剤を出す医者。
  鎮痛解熱剤は、痛みの原因をとっているわけではない。
  頭痛の90%は筋緊張性頭痛といって、肩から首の筋肉が緊張して収縮したために
  頭蓋骨を締め付けて起こるものである。
  従って、その筋肉の緊張をほぐす作業をすると頭痛は改善するし、
  肩こり予防などの体操を指導すれば、自己コントロールも出来るようになる。
  (薬を出さないし、説明や作業に時間がかかって経営上はマイナスだが・・・。)
  
 
 腰痛
1.とにかく、鎮痛解熱剤を出す医者。
  頭痛の時と同じ理由。
  ただ、痛みをやわらげてあげる必要もあるから、仕方のない一面もある。
2.電気・牽引をする医者
  まったく意味がない。気持ちがいいと感じるだけである。
  患者の不安をやわらげたり、毎日経過観察できるといった点はあるかもしれないが・・・。

  
おなかの風邪(感染性胃腸炎)
1.なぜか、この病気にも抗生物質を出す医者がいる。
  ウィルスによるものなので効くはずがない。
  これに至っては、理解に苦しむ。
  すべての病気に一律に抗生物質を出しているのだろうか?
2.ブスコパンなどの鎮痙剤
  痛みがひどいときに一時的に出すことがあるが、年に数回出すくらいだ。
  ほとんど全部の患者に、毎食後に出す医者は、ちょっと・・・。

 
 気管支喘息(風邪に伴った喘鳴も含めて)
1.気管支拡張剤や抗生物質だけ出して、気管支の炎症を抑える治療をしていない医者。
  この状態は、気管支の炎症がベースになって起こっているのだから、
  対症療法(原因を治療しないで、とりあえず症状の改善だけする治療)だけしていても、
  いつまでも治らない。

  以上、思いつくままにあげてみたが、参考にしてほしい。






    10月7日   2003
    
プールから上がったら
    プールから上がったら、
プールサイドの、噴水のように上向きに水が出る
”目洗い専用”の水道で目を洗う人をよく見かける。
実は、あれは目によろしくない。
角膜を痛めるのでしない方がいい。
では、どうするか?
ゴーグルをして、プールの水に直接目が触れないようにするのが一番である。
昔は、洗うのが常識だったみたいだけど・・・。

  今日、尊厳死宣言の内容の一部に変更を加えた。
死ぬときは楽に死なしてね!という内容の一文と、内容の具体化と、挨拶である。





    10月6日   2003
    
中外製薬の本音
    昨日、朝日新聞の一面に、中外製薬が
「タミフルの予防投与について」申請しているという記事があった。
インフルエンザの特効薬として、昨年は品切れ状態が続き、
緊急輸入したのは記憶に新しい。
しかし、実は、期待されているほど劇的には効かない。
統計的には、せいぜい一日病気の発熱期間が短縮するだけである。
(正しく統計を取れば、13時間しか短縮しないという指摘もある。)
たかだかそれだけのために、我も我もとタミフルを使いたがる国民もめづらしい。
1カプセルが377.7円で、一日2回、合計5日使用するとして、
一人分3777円かかる。
昨シーズンはタミフルだけで、200億円近く売ったことになる。

 おそらく、インフルエンザ脳症や肺炎になって、
致死的な状況になることをさけたいための行動であろうが、
「乱用」ではないかと思われるケースも多々お目のかかった。

 それなのに、今度は予防投与ときた。
ここで断言しておくが、今までの人類の歴史で、
自然の病原体と人類の戦い?において、人類が勝利したことは一度もない。
一時的な勝利はあっても、最終的には、必ず、自然が一枚上を行くのである。
たとえば、ペニシリンの発見で、細菌感染に勝利したように思えたが、
次から次に強力な抗生物質を作り上げたあげくに、多剤耐性ブドウ球菌が出現し、
そのブドウ球菌に効果のあるバンコマイシン
(僕は、尊敬の念を込めてウンコマイシンと呼ばせてもらっている。)
は、数年の後に、バンコマイシン耐性ブドウ球菌の登場の呼び水になった。

 本当に人類は愚かだ。
心ある人も多くいるが、アホも多くいる。
アホが薬を乱用すれば、結局耐性菌が出てくるのだ。
医者が賢いと思ったら大間違いで、アホが実に多い。
そしてアホは必ず存在して、
しかも、必ず”やらんでもいいこと”をするものなのである。
まぁ、この先もこんなことが繰り返されるのだろう。

 


  話は戻って、
中外製薬だ。
企業のアイデンティティを疑う暴挙である。


彼らは、耐性出現率は、1.4%と低いから問題ないとしている。
とんでもない!
抗結核剤なんて、100万分の一の耐性出現なのに、
それでも、耐性菌が出てきているのだ。
しかも使用頻度はタミフルより遙かに低いのに・・・。

  そんなことは、彼らは分かっていて、やっているから悪質なのだ。
これから、中外の薬はなるべく使わないようにしようと思う。
僕に出来るのは、HPに書いてみんなに知らせることと、
使わないことくらいだから・・・。
といっても、この冬もタミフルは使わないわけにはいかないのだろうなぁ!






    10月3日  2003
   
 豆腐の日
    こう言えば、もう、ねたは割れていると思うが、昨日である。
10・2を「トーフ」と読むことから、
豆腐をPRする目的で、日本豆腐協会が1993年に制定した。
豆腐協会があること自体知らなかったが・・・。

  豆腐は中国で唐代の中頃に発明されたもので、
日本には平安時代から鎌倉時代にかけて伝えられた。
豆腐の「腐」は腐るという意味ではなく、
中国語で「柔らかく弾力のある固体」をさす言葉。
文字どおり柔らかさが身上の豆腐だから、
大きな容器で固めることは出来ても、
出した途端に崩れてしまうので、そう大きなものは作れない。
豆腐は高さが高くなると、底の方にかかる圧力が増して
自分の重みで下部が潰れてしまうからだ。

  僕は、豆腐が大好き!
ほとんど毎日、昼は冷や奴である。
いやいや、僕が冷や奴になるのではなくって、おかずが冷や奴なのである。
豆腐は、天理市の近藤豆腐店という店から、
週に一回送ってもらっている。
この豆腐が、めっちゃくちゃ美味い。
もう何年も食べているが、まったく飽きない。
これから寒くなると湯豆腐。
熱くなり切らないうちに、ぬるいくらいで湯からあげて食べると、また美味い。

  興味のある人は、メールでお尋ねください。
近藤豆腐店の電話番号と、FAXの注文用紙をお渡しします。






    10月1日 2003
   
 会議
    最近気が付いたのだが、どうも会議には2種類あるようだ。
(気づくのが遅すぎ!)
すでに決まっていることを、会議を通して決まったように見せかける、形式だけの会議と、
あれこれと意見を戦わせる本当の会議。
どうやら、前者の会議が圧倒的に多いのが日本の社会だ。
もっとも、後者の会議は大変に時間がかかって、かつ結論が出にくい。
医師会の会議は、ほとんど前者の会議だ。
ひっくり返すには、ものすごいエネルギーがいる。
ひっくり返したいことが山ほど有って、すべてやっていると時間がかかるし、
「こいつは変なやつで扱いにくい!」とレッテルを貼られる。
さらに、反対意見が出にくいように、そういう話題は
”すでに決定事項として、うむを言わさない表現で、さらっと”流されてしまう。
それでも、以前は、もっとひどかったようだ。
決められた時間内に、議決しないといけないことが多いので、
ある程度は、あらかじめ決めておかないと成り立たないことはよくわかっている。
今の会長は、「なるべく会議で決めていきたい。」と思っていてくれるのだが、
今までの慣習を打破するのは、なかなか難しいのが現実である。
たとえば、市民健康フェアの医師会員が出動する骨密度測定。
ボランティアと言えば格好がいいが、
無理矢理、医師会員全員が出動して、
骨密度測定の結果に対してコメントする。
検査に来る人たちは毎年同じようなメンバー。
やったから、何か変わるわけでもない。
せっかくの休みを、「への役にも立たないこと」のために、医師会員全員がつぶされる。
誰も、行きたいとは思っていないし、役に立っているとも思っていないし、
人から喜ばれているとも思っていない。
会員のほとんどは「嫌々やっているのだ。」
やめてしまえばいいのに、やめようとしない。
今までずっとやっていたからだそうだ。
建前ばかりで話をしないと行けない。
まったく、どこかの国の会議とよく似ている。
・・・・・「ばか!」  と言えば、解散になるのだろうか?


 なぜか僕は、その担当者なので、
前日の土曜から、その準備のためにつぶされる。
今年は、運良く?日曜当日が、内科学会の講習会に当たるので、
錦の御旗の元に、欠席しようと思っている。




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