山の花を求めて
(その1)近在の山にて
山歩きの楽しみの一つに、足元に咲く可憐な草花を眺めることがある。鬱蒼と繁る樹林帯の道端で、その樹林帯を登り抜いて岩場の片隅にひっそりと咲く花、一面に高山植物が咲き誇るお花畑・・・。
時間的にも、それよりも体力的に高い山には登れない現実がある。そこで、花が咲いていると言われている「有名」な山で、近くまで車で行ける所でもトライしてみようかナア・・と。
1.三窪高原(秩父多摩甲斐国立公園)のツツジ 2001年6月18日
塩山市の柳沢峠(1472m)から林道をすこし北へ入ると、ツツジの名所三窪(みくぼ)高原がある。6月17日のツツジ祭が終わった翌日、午後から出掛けてみた。大菩薩峠への登り口、裂石を過ぎてしばらくは新しく作られた国道(411号=青梅街道)が快適にドライブできる。しかし、柳沢峠に近づくと古い道で狭い。
峠を過ぎて200メートルほどで、左へ入る林道がある。未舗装でがたがた道、ジムニーはこんな道が得意の筈。峡東CATVの共聴受信施設の前に車を置いて(4・5台は置けそう)、約10分ほどの坂道を登る。ドコモの基地局から窪地に下りると、そこがツツジの群生地。展望台があるハンゼの頭(1681m)までこぶを二つ越す間が花の見所。
峠付近の看板は、「秩父多摩国立公園」で、まだ「秩父多摩甲斐国立公園」とは書いてない。
【追記】
同年11月に同峠を通過した時には、書き直された新しい看板が立っていました。
2.甘利山のツツジの次は? 2001年7月3日
千頭星山(2138.5m)への往復で、甘利山のツツジが盛りの季節に訪れたことがある。余りにもツツジが有名な山だが、それに続くアヤメやいろいろな花も奇麗だと聞いたので、探索に出掛けた。7月にもなると、もうツツジは終わっていた。
あずまやへ(1671.5m)寄ったりして最初のピーク(甘利山の頂上はその先のピーク=三角点なし)まで登ってみた。花にとっては幕間の時か、オダマキ、シモツケソウに混じってアヤメがちらほら。もうしばらくすると、全山お花畑になるのかなア。数組の老年ウォーカーに出会ったが、花の名山をハシゴしておられるパーティも。帰りは別の道であやめ苑の前に出たが、一人で歩くには熊の出現の心配もあり、口笛を吹いたり歌を唱ったり。
あやめ苑(駐車場ちかくの売店)に立ち寄り、山本周五郎の「山彦乙女」(新潮文庫)を買う。武田家再興の悲願にまつわる甲州甘利郷が舞台だが、これを読むと、中腹にある椹(さわら)が池の近くを通るのが怖くなる。
2001年7月記
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