夏油温泉★★★★★


深山の露天風呂天国

■概要

岩手県北上市の西のはずれ、山の中に夏油(げとう)温泉がある。850年前に発見された非常に古い温泉である。夏油川に沿って曲がりくねった山道の最奧部にある。渓谷沿いの道が突然開け、山に囲まれたわずかな平地に小さな温泉街がある。変わった名前の夏油は、パンフレットによるとアイヌ語の「グット・オ(崖のある所)」に由来するそうだ。

温泉街は湯治温泉旅館の「元湯夏油」1軒でそのほとんどを占めている。他に2軒の温泉ホテルがある。夏油川沿いの露天風呂はほとんど元湯夏油のものである。元湯夏油のいくつもの建物だけで、小さな温泉街になっている。お土産屋や、食堂、雑貨屋など湯治に便利にできている。



風呂は川の下流から、真湯、
女の湯、疝気の湯、滝の湯、大湯がある。滝の湯以外は川岸の露天風呂である。このほかに2ヶ所の内風呂がある。

■所在地

岩手県北上市和賀町岩崎新田1−22
TEL:0197−67−3931
TEL:0197−64−6375(冬季連絡所)


■印象

【真湯】
りっぱな丸太を使った湯小屋で、入り口と脱衣場所は男女に分かれているが、風呂は正真正銘の混浴である。川岸にあって、屋根は光を通すので、すばらしく開放的だ。お湯はかなり熱い。洗い場は温泉成分のせいで緑色に変色している。ナトリウム−カルシウム塩化物硫酸塩泉(低張性中性高温泉)56.6度、PH=6.5


後からおばさん3人連れがやってきて、一人が中を覗き込んだ。「オトコばっかりよ」と、おばさん達は混浴にめげてしまった。向かい側の目の湯は若い女性が、胸にタオルを巻いて混浴を楽しんでいる。面白いことに若い人の方が混浴に抵抗がないようだ。

露天風呂にのぼせると、川原に降りて川の水で足を冷やす人もいる。川の音と川伝いの風がすばらしく心地よい。



【女の湯】
女(め)の湯は夏油川を挟んで真湯の対岸にある。こちらも混浴露天風呂である。川には丸太2本で作った細い橋がかかっている。川岸の岩に沿って湯船を作ってある。お湯はわずかに白濁していて、ややぬるい。岩の隙間からお湯が涌くので細かい泡が立ちのぼってくる。


【疝気の湯】
疝気(せんき)の湯は小さな露天風呂で、屋根もない。ぬるめの透明なお湯だ。婦人病に効くそうだ。
カルシウム−ナトリウム硫酸塩泉(低張性中性高温泉)59.1度、PH=6.0


【大湯】

大湯も脱衣場は男女に分かれているが、中は混浴、りっぱな湯小屋だ。お湯は透明で非常に熱い。少し塩からい味がする。お湯は大きな岩の割れ目から湧き出しているので、岩の割れ目は白く変色している。

先客のおじいさんに「熱いですね。」と挨拶すると「これがいいんだよ。」と答えてくれた。ナトリウム−カルシウム塩化物硫酸塩泉(低張性中性高温泉)59.8度、PH=6.6


【滝の湯】

コンクリートブロックでできた湯小屋で、男女別になっている。外見は風情がないが、川の音を聞きながらのお湯も気持ちがよい。

■営業

営業時間 6:00−20:30
休館日 無休
冬季閉鎖
5月中旬から11月中旬まで営業
料金 400円

交通

東北自動車道の北上江釣子ICを降りて右折し、国道107号線を横手・秋田方面へ行く。約2km先の夏油高原スキー場の看板を目標に交差点を左折する。JR北上線と和賀川(和賀新橋)を越えて、スキー場の看板で信号を右折する。さらに岩崎橋手前の三叉路を左析する。あとは一本道で、スキー場を過ぎると道は狭くなる。
観光客用の駐車場は30台程度。



調査日:1999年8月

湯治情報

旅館部と自炊部がある。自炊部の料金は一人2000円前後、寝具は有料レンタルである。食堂は三食利用可能である。年輩の湯治客にまじって、若い女性も利用しているようだ。

民俗芸能

北上市は民俗芸能、鬼剣舞(おにけんばい)の本拠地である。
鬼剣舞(56kB)

追加情報

夏油温泉では「タオル巻き&水着着用の入浴禁止」となっています。(2002年10月近江さんから)


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