【演出の常識】

《用語解説》

      
《参考文献》

『日本舞踊総覧』日本週報社 『歌舞伎事典』講談社 他

『な』

                
ならく 「奈落」
本舞台の床下の総称である。
この呼称も仏教用語から来ていることを検証してほしい。

にじゅう 「二重(平台)」 舞台の一部または全部を、舞台床より高くする場合に使う台でふつう90センチ×180センチ、
厚さ12センチぐらいを一つの単位としている。
これにいろいろな箱や足をかませて、30センチの高さにしたり、60センチの高さにしたりする。
常足二重(1尺4寸高)、中足二重(2尺1寸高)、高足二重(2尺8寸高)の伝統的な高さもある。
「二重(平台)」
 「二重(平台)」
にじゅうやたい 「二重屋体」
舞台の床上にさらに二重の床をつくり、その床上に指定の建築物を飾る。
正面には欄間や建具を置き、左右に側面のパネルを置く。
前方は欄間や屋根で組み合わせる。この屋体の側面の部分を特に褄と呼んでいる。
この屋体に、世話・武家・御殿・書院・寺院・茶室などの種類があって、それぞれ床の高さやその他の変化を加えて飾る。
にじょうだい 「ニ畳台」
1坪の面積、高さ7〜8寸の台で、この上に演者を載せ、台のまま押し出したり引き込んだりするもの。
台の布飾りの種類で、獅子台・唐子台・からくり台などがある。
松羽目物
獅子の乗るニ畳台
にだん 「ニ段」
三段より一段削って、女形の幕切れの見得を切る時などに用いられたもの。

にんぎょうたて 「人形立て」 支木やかすがいは舞台床を傷っけやすいため、これらを使用できない舞台で用いる方法(66図)。
小割や中貫を使って、斜めの棒をつくり、これを張物にとめて、下の部分におもしをのせる。
張物にとめるには、かすがいを使ってもよいし、釘でもよい。
また蝶番を使って張物の方に取りつけておき、そのまま格納できるようにしておくこともよい。
おもしは、カウンター・ウエイトなどでもよいし、砂袋を作って使用するとけがをすることもないし安全でよい。
また、特別に人形立てを作らなくても67図のように椅子・箱・平台を利用することも可能。
張物と張物をつなぐにも、釘やかすがいだけでなく、針金やひもで68図のようにとめる方法もある。
「人形立て」
「人形立て」
「人形立ての代用」
「人形立ての代用」
「張りものつなぎ」
「張りものつなぎ」
のれんぐち 「暖簾口」 歌舞伎世話物の舞台装置正面にあるのれんのさがった出入り口。

「暖簾」
「暖簾口」

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