京都演劇サロン

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第三回・第四回公演は今までの公演を踏まえて、京都演劇サロンのコンセプトに則って企画実施されました。
題材はひとり一人が主人公として臨める作品ということから、神品氏の作品を選びました。
今年の課題は、「ひとり一人の演技特性からの脱却」。
戯曲の音声化つまり、本を単に声にして読み聞かせるのではなく、
台本の解説や説明からも抜け出し、本を元に活き活きとした人間。
生活している人間を表現すべく奮闘努力しました。
加えて、椋平・足立両氏が支援している、京都演劇フェスティバルにも参加し、小劇場空間のみならず、
500人程度の劇場空間での演技プレゼンテーションを体験できた作品となりました。

「女たちのセレナーデ」

京都演劇サロン第3回試演会
<案内人> <案内人>
<第1話「ソナチネ」> <第1話「ソナチネ」>
<第2話「ワルツ」> <第2話「ワルツ」>
<第3話「エレジー」> <第3話「エレジー」>
<第4話「ロンド」> <第4話「ロンド」>



女達のセレナーデ」公演について(当日のパンフレットより)
この作品は演技創造の研究として、ひとり一人の役者達と向かい合うには適当な作品であると同時に、
口語として古いのか、会話のスピードや世の中の善悪、心のあり方にこの作品が書かれた当時との
大きなギャップを感じている。
私たちの変化は、思いのほか早く大きく、戯曲というものが常に過去の物であることを、痛切に感じた作品であった。
物語は、バレー舞踊団の控え室で始まる。
今回もまた参加した役者達が、本来得意としているキャラクターではなく、ほぼ全く逆さまのキャラクターを配役され、
悪戦苦闘の中の演技創造となった。
特に、参加二年目の山下さん、梅崎さん、遠藤さんにとっては、自分の所属する劇団での公演を勤めながらのサロン研究で、
自分と時間との格闘という、難しい大役を果たしてくれた。
足立さんは、情熱と狂気が共存するような役どころが得意だが、今回は冷静を絵に描いたような、しかも愛される役どころ、
即ち受け身の演技で苦戦してもらった。
松下さんは、最近の傾向として静かな内に秘めた役どころが得意だが、今回は抑えきれない情熱の発露という、
松下さん本来の世界をとりもどしてもらいたい役どころとなった。
藤田さんは、最近の傾向としてシンプルな抒情的な役どころが得意だが、今回は学級委員のような冷静さの中に女の
闘志をかいま見せる、難しい役に挑戦している。
山下さんは不思議な凝った役どころが最近多いが、本来太い筆で一気呵成に書き上げるような骨格の確かな役どころが得意。
しかし今回は、様々な意味で揺れ動く女心の可憐さと逞しさに挑戦してもらった。
最年少梅崎さんは、最近どうも老け役が多い。本来作り込む役どころが得意だが、今回は若さに任せて暴走するような、
そんな純粋さと激しさを備えた役どころに挑戦してもらった。
遠藤さんは、ある種の型をもった役どころが得意。令夫人とか、なんらかの「らしさ」を観客と共有するような演技創造が多かった。
今回はできるだけ型をなくして、自分の中に想像できる人物像をドラマという枠の中で自由にコントロールすることに挑戦してもらった。
井上さんはサロンでは2回目の公演だが、ベテランの役者さんで持ち役はアグレッシブなもの。今回は静かな受け身のキャラクターを
創造することが求められた。
今年参加してくれた湊さんは、梅崎さん同様最年少だが、若い時からの豊富な経験から演技術の貯えがあるため、
今回はよりシンプルで素直で、ピュアな演技表現に挑戦してもらった。
サロンの目的は、演出がいかに楽をして芝居を作れる環境を作るかにあったが、最近は演出受難の場になりつつある。
とにかく、椋平・大谷という2人の演出が、知恵と体力を使って、役者と真剣に向き合っている現場を楽しんで下さい。
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