モロクボ沢の大滝

神奈川県足柄上郡山北町
モロクボ沢の大滝
 丹沢湖の湖水には3つの川が流れ込んでいます。上流河川の中の一つ中川 のモロクボ沢に、この滝はあります。高さは20mから30mくらいに見え規模は充分ですし、 水量もありますから、丹沢の名瀑の一つとして数えることができるでしょう。 上部は堰堤などの人工の建造物のように、垂直に切り立ち、 きわめて冷たい印象を与えている点が、この滝のよさと私は思います。
アプローチ
 小田急線新松田駅を出たバスはJR御殿場線の山北駅を経由してから、河内川に沿って北進し丹沢湖に 向かいます。私の乗ったバスは、丹沢湖東岸の玄倉にいったん立ち寄った後、三保 ダムによって作りだされた巨大な人造湖の中央にかけられた永歳橋を渡り、中川に沿って登っていきました。 宿の並ぶ中川温泉郷を過ぎると、杉の巨木箒杉が道路の上方に見えます。バスを終点の西丹沢自然教室で 降ります。
 この自然教室は訪問者のためのビジターセンターの役割をしていて、小さな展示室があって、丹沢の自然が紹介され ています。建物の前に並べられた石の標本は沢の石質を知る参考になります。  この建物の裏で上流の3つの流れが合流して中川が始まります。三つの流れが合流して一つになっているので、上流 側のそれぞれの沢の流れは急に細くなります。一番左手に流れ込んでいるのが西沢で、薄緑色の吊橋西丹沢公園橋を 渡り、この沢に沿って畦ヶ丸に向かう登山道には、丹沢ではよく知られた下棚、本棚という2つの大きな滝があります。 今回の目的地であるモロクボ沢は、この沢ではなく中央の白石沢の支流になりますので、引き続き林道沿いに歩いてい きます。
 30分ほど歩くとモロクボ沢の合流点に立てます。本流の白石沢を渡るためのコンクリート橋がありますが、通行 止めになっています。水量はさほどなかったので河原に降りて対岸に渡りました。対岸では、道が続いているので、 ここを登っていくと、赤い鉄橋が沢の上に架かっています。この橋を渡ると、じきに道はなくなりますが、林の切り開かれた 場所がまだしばらく続きます。地図には、出合いあたりにキャンプ場が記されていますから、ここはその跡地な のでしょう。
 この一画を、一番奥まで歩いたら、堰堤のある小さな沢が左手から流れ込んでいるところで、沢底に 降ります。ここから、白砂の河原を渡って右手の本流の河床に入ります。少し登ると本流にも堰堤が築かれていますが、 右手に登口がありますので、難なく越えられます。沢底を進んで、埋もれてしまった古い堰堤を越えたあたりからは、大きな石が 目に着くようになってきます。登っていって、進めなくなったら、徒渉して対岸に渡るというように沢床を適当に進んでいけば、右前方に 大きな滝が見えてきます。この滝がモロクボ沢の大滝です。
この水系の本流である白石沢にも源流部に大滝があります。
訪問のために
<バス> 小田急線新松田駅から、西丹沢自然教室前下車。
<地形図> 中川(1/2.5万)


もどる 丹沢のページ 週末の散策 滝のページ ホームページ

Copyright (C) 1999 Masashi Koizumi. All rights reserved.