大菩薩峠

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富士山
 富士の眺望は大菩薩峠の魅力の一つであるだろう。峠は笹で覆われ視界を遮る樹林はないから、360度の視界を楽しむことができ、天気がよければ富士山も見える。 上日川峠から登る歩道からは、峠に着くまでは富士のある方角の展望は望めないのだが、三界庵に立ち寄れば富士山と対座できる。
 大菩薩峠は、武蔵の川多摩川筋から、やがて富士川となる甲斐の笛吹川筋に抜ける峠路 である.この峠は数ある山間の生活者が往来していた峠としてだけではなく、脇往還とはいえ青梅街道とい う主要道のものでもあった.明冶になり、丹波川を遡って柳沢峠を越える新道が開削されるまで、海抜2000 メートルもの峠を越えて、人々は旅をしていたのである.
 春秋のハイキングシーズン、塩山駅はこの大菩薩峠と西沢渓谷を訪れる人々でにぎわう.始めて私が この西沢渓谷を訪れたころには、駅前も今のように整備されていなく、古い建物の中の乗場からバスに乗 ったように記憶している.駅を降りこのバスターミナルに歩いていくと、もうひとつの乗場では列を作る人だかり があって、それが大菩薩峠に向かうバスを待つ人々であった.
 狭い建物の中であったから、より誇張されて記憶されているのであろうが、古くさいバスターミナルと、重々しい 名前をとる場所、同時に行楽地的な混みかたは、この峠の最初の印象であった.
 この記憶の中の人ごみを避けてか、峠に最初に出かけていったのは、雪の季節であった.人が多そうなことが 逆に雪山に登る安心感を与えてくれたから、友人たちと気軽に出かけていったのだと思う. このときは、予想に反して思ったほど人はいなかった.時間もなくなり心細くなったので、このときは峠まで行か ずに下山している.再訪してみれば、それは峠のほんの一歩手前であった.
 裂石は山間の集落といった感じの家並みで、それに続く林道を登っていった 先の上日川峠には長兵衛山荘が建っている.集落から、この山荘まで一直線に沢に沿うように登っていくのが登山道だ.
 わざわざ使う人はないだろうが、この林道はずいぶん大回りしている.それを実感として知っているのは、下り にカンジキをつけて歩いたことがあるからである.日暮れの早い冬の日のこともあって薄暗いバス停にどうにかついてほっとした 思い出が私にはあるのだ.また、スキーを抱えて登り、この距離を滑ってしまおうと考えたこともあったが、このときも思っていた より容易ではないことに気づき、林道が歩道に接する場所を探して歩いて下ることになった. そんな思い出もあってか、久しぶりに地図を開いてみると、この林道は隅々まで知っている感じがしてくる.
 長兵衛山荘から登山道を登っていくと、次の福ちゃん荘では唐松尾根の道がわかれ、さらにその先の富士見山 荘からも富士見新道が分かれ、いずれも稜線に導いてくれる.峠道をそのまま登っていくと、勝縁荘からしばらく林中の 登りとなるが、それを終えたところから南側の見晴らしのすばらしい道となる.
 私は冬にばかり訪れていたから、雪の下には細い歩道があるとばかり思っていたのであるが、そこは細いながらも 車道のような立派な道が峠まで続いていて驚いた.ゆるやかなこの道を登り詰めた先には介山荘があり、 そこが大菩薩峠である.
歩道 峠直下
峠の直下
峠
上日川峠に向かう歩道 峠の風景
歩道からの風景(塩山市) 樹林
登ってきた塩山市側を見下ろす葉の完全に落ちた樹林
介山荘 大菩薩峠
峠直下の山小屋、介山荘
賽の河原 避難小屋
賽の河原避難小屋
大菩薩嶺 丸川荘からの歩道
大菩薩嶺夕暮れ時の歩道(丸川峠から裂石)



訪問するにあたって
地形図:大菩薩峠(1/2.5万).
丸山峠に行くのであれば柳沢峠(1/2.5万)が必要になる.
交通機関:JR塩山駅から大菩薩登山口行にのり、終点下車.
山梨交通山岳路線 バス時刻表
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週末の散策 山梨県の山 Winter page 雪の大菩薩峠
冬に訪問した雪の大菩薩はこちら.
to Kosuge Page 小菅村林道歩き
東側には小菅から始まる登路があるのだが、私はまだこちら側を登ったことはない. 登口まで林道を歩いた記録はこちらのページ


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