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【メニエール】

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手術の体験談

★ 鼓室内麻酔薬投与

私の入院していた病院では1週間に1回の実施で、曜日が決められていました。
実施は朝の回診時となりますが、当日の朝食は抜きです。これは実施後の嘔吐を避けるためだと思われます。
食事なしで朝の薬を飲んだあと、7時半ごろから点滴をされます。
これは薬の名前を確認出来なかったのですが、かなりボーっとするもので、安定剤の類かもしれません。分子が大きい薬剤らしく、終わるのは10時過ぎくらいまでかかります。
その後、9時前に点滴に痛み止めの注射を入れられます。
ほどよく効いてきた頃に先生がいらして、いよいよ注射をされます。
この際片腕は点滴を受けていますが、反対側の腕に血圧計を巻かれます。
自分自身はもう受ける側の耳を上にして横になって寝ているので見ることは出来ませんが、通常の注射器の3倍くらいある長さの針にアプリケーターのようなものがついており、麻酔液の量は受ける患者によってそれぞれ異なるそうです。
先生がスコープで耳の中を慎重に覗きながらアプリケーターを入れて、ぶすりと針を刺されます。
痛み止めはされていますがこの瞬間は流石に体全体で反応してしまいます。
麻酔液が注入されると、「ああ耳の中に液体が入ってきている」というのがはっきりわかります。
カロリックテストとは全然違う、正に注射をされているという感じで、泳いだ後に耳に水が入った感覚と非常によく似ています。
針を刺す部分によっては稀に失敗もあるようで、麻酔液が全部咽喉に流れてくる場合もあるそうです。幸い私は5回受けましたが、失敗と思われるケースはありませんでした。
その後耳に脱脂綿が詰められ、後は13時までただひたすらその体勢のままで過ごします。
ここからが個人差で、注入と同時にぐるぐるがやってくる人、1時間ほどの時間差でぐるぐるがやってくる人、全く平気な人と様々な反応です。最悪の状態を想定して、必ず吐瀉物受けが枕元に置かれます。
点滴をしているので13時までには必ず一度トイレへ行くことになりますが、どんなに平気であっても必ずナースコールをして看護師さんに付き添ってもらうことになっています。実施後の状態がどうなっているかを観察することが目的のようです。
13時にようやく固定体位から解放され、少量の遅いお昼ご飯が出されます。ただ、それすら食べることが出来ない、ぐるぐるが続いている人も中にはいます。
鼓室内麻酔投与は逆療法として強制的にめまいを起こし、それに慣れさせるということも目的としてあるようです。
私の場合、1回実施する毎に聴力が10ずつ上がっていくという順調さでしたが、片方の耳にしか実施していないのに両耳とも同じような回復を得られました。
良くなる時は良い方へもう片方が引っ張られる、という傾向があるそうです。(ですから逆も然りで、調子の悪い時に片方の聴力が落ちてくるともう片方もつられて落ちるということもままあるとのことです。)
幸いなことに私はぐるぐるも嘔吐も全くなく、苦しまずに治療を受けることが出来ましたので、鼓室内麻酔投与という治療方法が体質にしっくり合った例かと思います。

★鼓膜チューブ留置術と 鼓室内ステロイド投与

手術と言う程おおげさではないのですが、鼓膜チューブ留置術をする時には一応「小手術」という事だったので・・・
発病から8年過ぎたころ、月10回のめまい頻発となり、内リンパ嚢開放術の可能性を考えて大学病院に変わりました。
しかし、経過が紹介状のみで手術をするようなことはなく、大学病院側でもしばらくは経過観察をする必要があるとかで、手術前にいろいろな治療を試して、それでも改善せず社会生活上支障をきたすような場合に手術をするという方針のようでした。
そこで、鼓膜チューブ留置術をする事になりました。
これは、鼓膜に小さい筒状のチューブを挿入し、鼓室換気を目的とするものだそうです。鼓室換気がめまいには有効だということでした。
鼓膜チューブ留置術は、一般には滲出性中耳炎での治療に使われる方法です。
鼓膜チューブ留置術自体は、外来でできるので、比較的気軽に出来るのではないかと思います。
私の場合、チューブ挿入から1ケ月たつころ、回転性のめまいが起きた事から、ステロイドの鼓室内投与を行う事になりました。
1週間に1度10週行いました。チューブがあることから、鼓膜に針を差すことなく、チューブに針をいれて、鼓室内にステロイドを少量入れるだけなので、痛くもなんともありません。
ステロイド投与を始めるころ、再びめまいがよく起こるようになっていたのですが、以前のような数時間まったく動けなくなるような状態よりも軽いめまいも多くなっていました。これは、ステロイドとは関係なく、脳がめまいに慣れたためと医師に説明されました。ステロイド投与の途中からは、めまいも少なくなりましたが、薬を増やした事もありますので、どれがよく効いたかというよりは総合的な効果かもしれないし、はっきりとはわからないのですが、また調子が悪くなるような事があれば、1週間に1度10週行うのを1クールとして、何度か繰り返すとの事でした。
内リンパ嚢開放術と同じくらいの効果があるという説明をされた事もあります。
チューブは、1年ぐらいで自然ととれそうになって、とってもらいましたが、長く入ってた方らしいです。
今では、開いていた鼓膜もふさがりました。


★内リンパ嚢開放術(手術前)

手術の仮予約をしました。ご指摘の通り「内リンパ嚢開放術」を先ず悪い方の左耳から、リハビリと療養を兼ねて3ヶ月後右耳を実施との事。今は手術の為に色々と「仕事の穴埋め」や「生活の準備」を検討中。以下は御参考です、私は手術に際し私の症状が、メニエールではなく他の病気?の誤診を避ける為に慎重にお願いしました。
これまで実施した検査
1.CT、MRI、RI、
2.血液検査、血圧、体温(血液検査:梅毒や他の病気の検査、また最近学会で「メニエール患者は抗利尿ホルモンが多い」との事で調べました。投薬の影響も考えられますが、私は基準値の2倍でした。血圧、体温:個人的にも自律神経の影響を見たくて一日数度調べました。
血圧:高い時200超/140台、低い時 90台/60台、体温:常に37.0℃以上で高い時は38℃位。よってかなり変動します。また発作時等の高血圧時の影響から右目を眼底出血している事も判り、ついでにレーザーで処置した事もあります。因みに病前は130/80位、平熱36.2℃位でした。
3.心電図及びホルダー(不整脈がありました)
4.聴力検査(毎回:体調によって音が耳に響く事があり、苦痛の事も多かったです。敢えて雑音を入れる検査もありますが、私は自分の耳鳴りと区別がつかなくて「もう鳴ってます?」といつも訊いてました)
5.グリセロール検査(空きっ腹で体重に合わせイソバイドを300cc位飲みます。頭痛が難点)
6.ラシックス検査(前庭機能検査で、私はやはり既往歴の長い左耳が悪かった。)
7.フレンツェル眼鏡による眼振検査(毎回:私は頭位を変えると眼振出は無い、変な目の動きをした様です、特に仰向けから起き上がる時顕著との事)
8.問診(毎回:「今日はこれだけは言っておこう!」とメモを作ってました。先生はメモをカルテに貼ってました。)
「内リンパ嚢開放術」への経緯は消去法です。
左耳発病→保存的治療(薬物療法を5年)→右耳発病→両耳の場合(約10%と言われた)難聴の進行が早い事、また過去5年間の保存的治療が効を奏していない、特に難聴が進んでいる→手術の検討
現在世の中で考えられる手術
1.内リンパ嚢開放術、2.前庭神経切断手術、3.内耳破壊手術
2.開頭手術で生死のリスクも出てくる。片耳患者のみ有効:片側の前庭神経を完全殺す為、反対側の前庭神経でバランスを補充させる為、術後リハビリが必要である。両耳を手術するとジャンプリング症状が出て不適である。
3.術後の症状を見て改善が得られない場合の最終手段として「人口内耳」を考えたい。3.はその手術が出来ないので実施しない。
1.今最もよくやられる手術。目眩に関しては75%の患者が完治。但し術後1,2週間は激しい目眩に会うがそれに耐える事が条件。→これにしました。私の調べた情報ですと20%が術後に「再手術」しているとのデータもあり、パーフェクトとなると 0.75×(1−0.2)=0.6 と考えられ「6割か?」と思われます。
皆様へ
誤解の無い様に。私はこれまで数件の病院を回りましたが、やはり先生方は「手術を最終的手段」と考えている様です、先ずは「保存的治療」でしょう。本当は私も手術は避けたいです。

いよいよ来週入院で手術(内リンパ嚢開放術)を受けます、私は両耳メニエルなので先ずは左から。手術に際し色々事前検査を行ないましたが、耳以外にも色々悪い所が偶然見つかったのでついでに治してもらおうと思っております。以下はご参考です。
手術は全身麻酔で約一時間位、術後10日位の入院
1ヶ月程、目眩、吐気、閉塞感(リンパ液が術後に鼓膜の内側に流れ込むが、徐々に消える)る事。
聴力は手術しない場合に比べ5dB/5年間のレベルで難聴進行が遅くなる事(注:進行はする)。
75%の患者が目眩が無くなる事。
3ヶ月のリハビリ(平衡感覚、療養)で右耳の手術をする予定。
上記の情報で決断するのは大変でしたし、かなり怖いです。


★内リンパ嚢開放術(手術後)

私は内リンパ解放手術をしましたがその時は
1.内耳摘出手術、
2.前庭神経切断
3.内リンパ解放術
の3つの選択肢から決めました。
私の場合は両耳メニエルです、聴力の殆ど残っていない左耳だけ先にやり将来もっと病状が進んだ場合は残る右耳を実施する予定です。
先ず言える事はご自分の病気が本当の「メニエル病」であり、「メニエル症候群」でない確証が有るか否か?これが問題です。
本当のメニエル病は10万人に4人位と言われメニエル症候群の中の4人に1人だと言われています。結論を言えば「間違って手術をしても治らないよ」と言う事です。
その判断をするにはかなりの検査が必要でしたし、手術が出来る医療機関も限られます。私は病気になって5年後に手術しましたが、それはそれなりに準備が大変でした。
また術後前に言われた事ですが、
1.手術の成功率は75%。
2.その内の25%が2,3年以内に再発する。
3.聴力の低下、耳鳴り、閉塞感は治らない、治るのは眩暈をコントロールできるだけ。術後2ヶ月は返って眩暈がひどく吐きまくる、、、
その事をちゃんと捺印した上での手術でした。
幸いに術後半年となりますが、快復に向かっており成功と言えますが、社会復帰の為に歩行のリハビリの毎日でした、もう胃液が無くなるくらい吐きました。
これが内リンパ解放手術です、しかし同じ手術した知り合いの3人は何れも再発しています、私も再発が恐いです。
また両耳の場合は前庭神経切断手術は出来ません、残った片方の前庭神経で平衡感覚のリハビリをする必要があるからです。更に内耳摘出手術は聴力を完全に失います、かすかでも聴力が残っているなら止めた方がいいですよ、内リンパは失敗しても人工内耳手術と言う道が残ってますが、内耳摘出には道はありません。
私が手術した病院は新患のメニエル患者が年間300人ほどくる病院でしたが、内リンパ、、手術を実施するのは10数人でした。本も何冊も書かれている名医ですがそれだけ手術には慎重だと言う事です。前庭神経切断は歴史は内リンパ手術より古いそうですが、開頭手術ですので致命傷のリスクがかなり高い事も付け加えておきます。多かれ少なかれ合併症は有ります。内リンパの私でも術後は顔の半分は痺れた状況でしたし、いまでも顔の耳の周りに麻痺が有ります。いずれの手術も顕微鏡を使って時計を直すような手術です。


★内耳破壊術

手術については結果論であって、私が現在までのところ、再発等が無い
から言える事であるのか知れませんね?
例えば、足の指先に病変があって
どうにも耐えられない状態であったとしても、いきなり足を切断する・・・
という人は居ないかと思います。
一度失ったものは取り返せない・・・片方の耳としての機能のすべてを失ってしまう
という大きなリスクを抱えてしまう。それでもいいから、手術して欲しい!
という気持ちが私には強かったと思います。
ハッキリとした原因が不明、従って、確たる治療法も無い・・・という事でありますから
どういった経過をたどるのか? 想像するにはさほど難しいとは感じませんでした。
開放術の話も早くからありました。(私が手術を望んでいたからでありますが)
が、確率的には私を満足させる程ではありませんでしたから断りました。
ゲンタマイシン注入による、機能破壊によって安定を図る。
これは私を納得させるものでしたから、一度体験し、それもだめであったけれど
もう一度だけやっていただきました。2度のゲンタマイシン注入術によって
聴力機能はほとんど役に立たないレベルにもなっていました。
先生方と共に、メニエルの治療に専念して行きたかった・・・というのが私の本音でありますが
生活(仕事)を考える時、実際に闘病しながら生活の場へ自分の身を置いている時・・・
やはりつらいものでありました。
例えば、両耳が聞こえなくなって、聾者となっても、それなりの工夫や手段を講じる事は
私でも可能かと思えるけれど、メニエルの発作時に関しては、どうにも出来ない!
治まりを待つしか私には出来ない!! という結論を持ちました。
術後、耳鳴りは相変わらずに残っていますが、その他のすべてと言って良い程の
あの悩ましい症状たちがキレイサッパリと無くなってくれました。
今の段階では、自分の選択は間違っていなかった!と言えそうです。
ただ、誰の場合であっても、そうであるとは言えないとは感じています。
診療時間がとても短い現状ではナカナカ難しいのでありますが
インフォームド・コンセントを充分にやっていただき、そしてまた
患者自身に選択させる「インフォームド・チョイス」の実施を望みたいのです。
医療サイドからだけの選択ではなくて、患者が中心となっての選択を考えてもらいたいと強く願うのです。今現在の私には、メニエルの症状はまったくありません。だからこそ、こうして書き込みも出来ます。
メニエル等の症状を抱えながらも闘病生活を続けている皆さんに対して
本当に頭の下がる思いです。同時に少しでも症状が軽減されるようにと
祈らずには居られない私です。m(_ _)m