神田
あの同時多発テロ事件から約1年経ち、日本では戦争への道を開くことになる有事関連三法案を作ろうという動きになっています。「平塚・白いリボンの会」では、6月の平塚市議会に対して「有事法制の立法化に反対し、意見書を国に送付してください」という請願書を提出しました。他の団体から同趣旨の請願が出ているようでした。この請願は6月17日の総務経済常任委員会にかけられましたが不採択となり、 6月24日の本議会でも否決されてしまいました。
しかし市民の意向を全くゼロにしてしまいたくないと、市民派の会の大蔵議員が各会派の合意点を探り、市議会による「有事関連三法案の慎重審議を求める意見書」は可決となりました。以下がその内容です。
有事関連三法案の慎重審議を求める意見書
政府は今国会に武力攻撃事態法、安全保障会議設置法改正案、自衛隊法改正案のいわゆる有事関連三法案を提出した。
しかしながら、これら三法案の基本とも言える「有事」の定義が判然とせず、米軍を支援する「周辺事態」との境界も混然としたままである。また、先の周辺事態法では、自治体に対して国が「協力を求めることができる」といわれていたものを、有事法制では国が代執行する「強制力」を持つものとなっている。
政府は統一見解として、自衛隊が私有地でも陣地を築ける「武力攻撃が予測されるに至った事態」と部隊が実際に展開される「武力攻撃のおそれのある場合」とに、それぞれ定義付けされたものの、各自治体に対する「強制力」が拡大解釈されるおそれがある。
政府は、自衛隊が「できること」ばかりを先行し、国民にとって最も必要な生命・財産の保護に関した法整備を同時に行わず、2年以内を目標に後回しにしようとしている。したがって現段階における有事については、国民の不安感をぬぐい去ることはできない。
よって、政府におかれては、次の次項について配慮することを強く要望する。
1 政府は、国会において国民が納得できる十分な審議を尽くし、拙速を避けること。
2 我が国憲法の平和主義の理念を実践し、平和で平等な国際社会をつくることに努力すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平塚市議会
政府は6月の国会で有事法制を成立させることを断念しましたが、廃案ではなく、継続審議することを決めました。そして10月7日に召集予定の秋の臨時国会で、再び審議されることになりそうです。平塚市議会からの「有事関連三法案の慎重審議を求める意見書」が採択され、最終的には廃案になることを望みます。
(このページ担当:神田)