自然観察入門 No.7

アオバトってふしぎ


田端 



 アオバトのことなら世界一をめざす、アオバト観察調査グループ・こまたんが、20年間かけた調査研究活動の成果を1冊の本にまとめた。
 それが『アオバトのふしぎ』だ。
 アオバトというハトは荒波に呑み込まれ、隠れるところもない岩場でハヤブサに狙われ命を失う危険を冒してまでして、海水を飲みに大磯町の照ヶ崎の磯に大群で飛来する。
 なぜ身の危険を冒してまで海水を飲みに?
 調査に際してこまたんが考えたことは二つ。

 (1)野鳥と距離を置いて、優しい気持ちで調査を楽しむ
 「鳥の観察には、できるだけ近づいた方がよいが、近づきすぎては、観察者の影響が強すぎて自然なふるまいを見ることができない。不自然なものを見ていたのでは、もともと野外へ行く意味さえなくなる。できるだけ鳥の前で、刺激を与えないように努力することも野外観察のおもしろさの重要な要素であろう」。
 鳥学者・中村登流さんのことばだ。

 (2)調査はいろいろな人とゆっくり楽しむ
 こまたんは調査結果はすべてオープンにして全国の人たち、世界の人たちと謎解きを楽しむ。早く謎が解けることよりも、大勢の人と一緒に謎の木を育てて大樹にしたい。

 ホームページこまたんはhttp://komatan.jp/ 私のアオバト仮説はhttp://www.scn-net.ne.jp/~aobatoを見て!

 とにかくアオバトを見ていただきたい。

 6月〜10月、照ヶ崎で磯に飛来する黄緑色のハトがいたらそれがアオバト。山ではその色が保護色で見つけにくいが、アーオアオーと救急車のサイレンにも似たふしぎな声で鳴くので所在はすぐわかる。
 「照ヶ崎アオバト観察会」は、7月25日(日)8月29日(日)参加費無料 朝6時〜9時、こまたんメンバーがアオバトガイド。照ヶ崎は大磯駅から徒歩10分。夏場は町内駐車は困難。環境のためにも電車をお勧めする。

 『アオバトのふしぎ』は 定価1680円

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