市民の手で 平塚市ごみ処理計画をつくろう


小林




 報道の危機! 岡崎元神奈川県知事は大型焼却場施設のセールスマン!?

 5月31日朝日新聞朝刊1面に「家庭ごみ 原則有料 環境省方針 減量へ市町村を誘導」の記事が掲載された。有料化でごみが減らないことは、すでに研究結果が出ている。環境省に電話をした。「誤報です。取材は受けていない。報道発表もしていない。検討もしていない。(自治への介入は)違憲です」とのことだった。こうしたごみ処理に関するおかしな報道は、2月20日日本経済新聞、4月30日神奈川新聞にもあった。後者には、環境テクノロジーセンター(NPO法人)の事業に県が期待していると書かれていたが、県の担当者は取材を受けていなかった。このような記事が掲載されるのは、岡崎元神奈川県知事が環境テクノロジーセンター理事長として企業の大型焼却施設のPRに積極的だからであろう。

 大蔵市長の公約違反

 市長の公約に、「ごみの広域処理に替わるシステムを作ります」とあるが、そのための事業は進められていない。大蔵市長は6月議会において、広域行政課題のひとつとしてごみ処理を挙げ「広域で対応するべきと考える」と述べた。この発言は公約違反である。このような発言をする前に、やるべきこと、出来ることを始めるべきである。ごみ問題は、子々孫々にまで影響が及ぶ重大な問題である。大蔵市長は、命の尊さと市長の責任を自覚し、早急に市民参加のごみ処理計画づくりを発足させるべきである。

 ごみ問題を読み解くキーワード−リスクと自治

 ごみ処理広域化計画とは、平塚市、大磯町、二宮町などで、それぞれの地域で焼却場や処分場、破砕処理施設などを分担して造る計画である。主な目的は焼却施設で、ダイオキシンを発生させないために高温連続運転を目指す。常時高温焼却を可能にするために大量のごみが必要となり、広域から大量のごみを集めるシステムである。しかし、廃棄物問題はダイオキシンだけではない。焼却は、ダイオキシン、重金属(高温になるほど気化する)、SPMなどが発生し危険を伴う。廃棄物リスク=ダイオキシンは誤りであり、リスクに対応した対策が求められる。まずは、ダイオキシンや重金属などの発生を招く、焼却をやめるべきである。そして、プラスチックなど環境負荷の高い製品は生産抑制、負荷の低い物資に変えるなど、多面的な政策展開を考えるべきである。
 また、市町村のごみ処理は自治事務であるが、国の制定する法律の決定過程への参加はない。方向となる法律は国がつくり、焼却施設などは市町村の責任となっており、整合が取れていない。しかし、先に述べたように市町村の廃棄物は自治事務であるから、自己決定権が保障され法律にも反映されなければならない。現行の法律を見直し政策決定過程を透明化する必要がある。質と量からの環境負荷の低減、また自治による社会システムの構築、企業責任、予防原則などが重要である。ごみ処理広域化計画は、増え続けるごみをどうするかが前提となっており、現行の経済システムの変更は求めていない。環境負荷の高い製品の製造・消費を続ける限り、廃棄物問題は際限なく続くのである。補助金政策は足かせである。

 平塚市焼却ごみの組成

 平塚市環境事業センターの成分調査(平成15年3月)では、紙、布29.8% ビニール、合成樹脂・・、13.3%、木、竹、わら類15.7% 厨芥類23.7% 不燃物類4.6% その他6.3% 回収プラスチック容器6.6%となっており(他の検査日も同様の傾向)、紙、布は、再生ごみとしての回収が可能であり、ビニール、合成樹脂・・、回収プラスチック容器も今年度からプラスチックの回収が始まったので減るであろう。木、竹、わら類や厨芥類は、堆肥化等の方法を用いれば焼却する必要は無い。だから燃やさないごみ処理は可能である。

 市民の手でごみ処理計画をつくろう

 今、求められているのは、ローコスト、ローエネルギー、ローテクノロジーの地域循環型システムである。
 市民が現場に出て問題をリストアップし、問題の原因がどこにあるのか考える。そうすると原因に対する答えである目標が見えてくる。行政は、そうした取り組みをわずらわしいと考えてはいけない。遠回りをしているように見えても、それが一番近道なのだから。その手始めとしての、市民参加のごみ問題プロジェクト「市民版・平塚ごみ白書作成ワークショップ 2004」を考えた。プロジェクトに関心のある方は小林まで連絡を。

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