年の瀬 新聞の番組表を見ると、テレビはこの一年の思い出ばかりをやっている。 普段の朝ならニュースや天気予報をやるのに、それをやらずに思い出に耽っている。 尤も、暮れにニュースがあるとすれば陸(ろく)な話はないだろうから、 ないのがいいに決まっている。 ごくおだやかに年を越すに限る。 日経の土曜日朝刊についている「NIKKEIプラス1」に、初詣の由来が載っていた。 由来と云ってもそんなに古い話ではない。 古来の風習は、<元日は家族そろって家にこもり、年神(歳徳神)がやって来るのを静かに待つのが習わしだった>、と云う。 それが19世紀の江戸時代に、 <福の神の到来を待つのではなく、自ら出向いて福を獲得しようとする新しもの好きが出てきた>のが、 恵方詣りの始まり。 それから、明治期になり鉄道があらわれたことで、初詣が広まったと云う。 更に、各地に相次ぎ誕生した鉄道が、沿線の寺社への初詣を広告に使い、集客に利用したと云々。 と、初詣は明けてからのはなしで、まずはおだやかに年が暮れればいい。 |
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小銭 財布の中の一円玉、五円玉や十円の小銭は、成る可(べ)く減らすようにしている。 買い物では小銭の釣り銭も少なくなるように心掛けている。 支払いに小銭の額が一致して、財布の中から小銭がなくなったときには悪い気はしない。 小銭が一円足りないと、財布の中には九円が残る。 十円玉だって同じで九枚は邪魔で重い。 小銭が増えるなぁと感じたのは消費税を取られるようになった頃からで、 5%になって、切りがいいから減るものと思っていたら、なあんだ、端数を切り上げて取るから相変わらずである。 消費税は3%で始まった。その時分は導入に猛反発する勢力があって凄まじかった。 それが5%に値上げすると云う段になると雲散霧消で、呆気なく決まる体たらく。 何故だろうと思えば、売上げの少ない商店はその分懐に入れる事が出来る。 年商何億以下の事業所も経理の上では儲けになると後で聞いた。 消費税の掛からないものの一つは土地である。 新築分譲マンションの値段の後の括弧の中には消費税額がついていて、 これは建物につく消費税だから、逆算すれば建物の値段が分かり、土地と建物の値段の比率も分かるようになっている。 去年11月に発覚した、耐震強度偽装事件のマンションでは、建物の比率を下げて消費税額を低く押さえていたと云う。 先日、事件の中心人物の裁判で判決が下りた。 あの事件では、はじめは一連の登場人物たちは悪辣で、いけしゃーしゃーと互いに責任をなすり合うから、 てっきり全員がグルの組織犯とばかり思っていた。 ところが裁判では、偽装そのものは構造計算書の偽造を繰り返した単独犯と見なされた。 普通マンションの設計では、意匠(デザイン)、構造、設備、電気の4つの設計者が分業する。 このうち、意匠設計者が全体を統括し、確認申請でも実質的な責任を担うのは意匠設計者であり、 構造図面を含めて決定を下す。 で、この事件でこの人はどうなったか。 事件発覚直後に自死している。 構造図面の偽装は単独犯だったとしても、一連の連中は看過し或いはそれを利用したのであるから、 みんなグルには違いない。 と、いつのまにやら脱線して仕舞ったので、これで終わりにする。 |
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デジタル技術 先日年賀状をプリンタで印刷していると、しゃーしゃーと印刷された葉書が出て来るのだけれど、 時々それが止まるのである。 何だろうと、パソコンの画面を見て分かったのだが、 印刷したインクが乾いたかどうかを一々調べて、そうでないと乾くまで少し待っているのだ。 重なった葉書が汚れないようにと工夫しているのに感心した。 最近のプリンタは賢いのである。 インクの状態や装置のメインテナンスは、たいがいパソコンの画面で操作できるようになった。 価格競争は激しいから一万円程度でこの機能である。 メーカーの方ではインクカートリッジの売上げでバランスを取っているらしい。 優れているのはドライバーソフトで、精密機器と結びついたソフトは随分と進歩しているように見える。 それに対して、ソフトだけの製品。 こちらの方は、まだまだと云った感がある。 アプリケーション・ソフトはやることは決まっている。 ワープロだとか表計算。 過不足出来れば問題はないし、もっと簡単に使いたいのに、 なぜか段々と新機能ばかり増えて複雑になって仕舞って、何だかよく分からない。 まだまだだね。 |
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宛名書き 年賀状はこれまでワープロソフトで打っていた。 葉書用のテンプレートがあって、住所録もついているから、これで一応は用は済むのである。 だけど、それは一応であって、簡単じゃない。使いづらいのである。 それで今年はどうしようかと考えた。 本屋に行くと年賀状作成のMOOK本がずらずらと置いてある。 こんなのでいいなあ、と思って色々見るけれど、どれがいいのか分からないし、買って当てが外れても困る。 そこで、ソースネクストの廉価ソフトにした。 「宛名職人2007」と云うもので税込み1980円也。 インストールしたので試してみよう。 その前に住所録を打ち込まなければならない。 で、テレビを見ながらやっていた。 藤沢周平原作の映画、『たそがれ清兵衛』(2002年)。 相変わらずの、新作映画の『武士の一分』の宣伝のための金曜ロードショーで、 この映画(テレビの方ですよ!)自体は悪くはない。 宛名書き画面を表示すると、字の並びが間の抜けたような出来映えである。 変だなぁと思ってサンプル・ファイルを見ると、なあんだ、姓と名の間にスペースがいるのだ。 それから裏面。 題字に「謹賀新年」、「賀正」、「迎春」、などは平凡だから変えたい。 つまり題字を書けるソフトがほしかったが、これが書けるのである。 マニュアルは見ないから随分探した。 この辺がソフト屋は分かっていないが、云っても仕方ない。 「御慶(ぎょけい)」と書いてみた。 年賀はこれにしよう。 千両富に当たった八五郎が、裃(かみしも)を着て、つッぱらかって新年の挨拶をして歩く噺の『御慶』である。 |
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第七交響曲 フジテレビでやっている『のだめカンタービレ』はときどき見ているが、 最初から見たことはなかった。 三週間前からは途中でも続けて見たので筋立ては何となく分かる気がする。 テーマ曲はベートーベンの第七交響曲だと云うのはエンド・クレジットで知っていたが、 どんな風に使うのだろうと思っていた。 それが、きょう初めて最初から見たのである。 第一楽章の部分を使っていた。 ドラマはクリスマスの演奏に、この曲を決めたところで終わったから、最終話の来週は忘れずに見ようと、 まぁ面白がっている。 ベートーベンの七番について、芥川也寸志は『音楽を愛する人に』(ちくま文庫)の中でこう書いている。 <ベートーヴェン音楽の神髄は、九つの交響曲にあります。 ピアノやヴァイオリンのソナタ、弦楽四重奏、その他の作品も、音楽史の上ではむろん大きな価値を持っていますが、 これらの作品はすべて九つの交響曲の縮図だといっても過言ではありません。 その中で、この第七番の交響曲は独特の性格を持ち、ある意味では最もベートーヴェンらしい作品と見ることもできるでしょう。 何より大きな特徴は、旋律を歌うアンダンテ、あるいはアダジオのテンポのおそい楽章がないということです。 全曲を一貫してリズムの要素が強調され>、と交響曲にカンタービレな様式を確立したのが七番。 五番の『運命』、六番の『田園』の後、四年の産みの苦しみをついやした作品である。 CDで聴くなら故・カルロス・クライバーである。 前にも書いたけれど、去年の暮れに出た1982年5月3日のバイエルン国立管弦楽団との伝説のライブ版。 ORFEOから出たスーパー・オーディオCDと普通のCDのマルチチャンネル版で、 スーパー・オーディオのシステムを持っていないので、普通のCDで聞いているのはなんとも残念であるけれど、 これ、お薦めします。 |
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砂書帖 ・ アップデート ▼ 水曜日に公開のマイクロソフトの月例アップデート(セキュリティ修正プログラム)をきょう行った。 該当するパッチは5件で、そのなかにVisual Studio 2005 が含まれているらしい、がない。 へんだなぁ、雑誌の付録に付いていたCD-ROMを引っ張り出したら、Visual C++ 2005 とある。 無償版なんだけど、何だか紛らわしい。 ▼ それから偶然ジャストシステム社のサイトみるとセキュリティ修正モジュールが出ている。 知らなかったよ。 で、ダウンロードページに移るのだけど、IDとパスワードを要求する。 ブラウザの Firefox にはそれを記憶させているが、 Firefox は一つの入力欄のIDしか覚えることが出来ない。 ところが一太郎のIDはハイフンで区切られた4組の数字を4つの入力欄に打つようになっているから、 先頭の欄しか記憶していない。 Firefox は思慮に欠けているのか、それとも一太郎は世間知らずなのか、どうだか分からないが、 手のかかるのは困る。 |
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