後方確認、前方車止確認用

車載カメラの取り付け

MR2の最低地上高は13cmと、市販車の中では最も低い部類です。特にフロントバンパは低く、車止めの高さが高いとこすってしまいます。そこで、前後のバンパの下にCCDカメラを取り付けてみました。MR2は後方視界は良い方ですが、やはり地上高が低くマフラーをこする可能性がありますので、後方にもCCDカメラを付けました。

最終更新日 1999.9.3


格安CCDカメラを使う

MK-321
MK-321 ピンホール型
MK-323
MK-323 レンズ型

使ったCCDカメラは秋月で売られているMK−0321とMK−0323です。MK−0321はピンホール型で4800円、MK−0323はレンズ型で赤外線LEDが6個付いて4700円です。このカメラ、最初は7000円くらいで登場して、どんどん安くなり今では5000円を切ってしまいました。新品のCCDカメラをこんな値段で売っているのは秋月だけです。ちなみに、この2つは、CCDを含め基本的な回路も部品も同じですが細かい部分で異なります。

このCCDカメラは安いだけでなく、後方確認用には無くてはならない、左右反転(ミラーイメージ)が可能です。手持ちのCCDカメラはカラーを含めて幾つか持っていますが、敢えてこれを買ってきたのは、このためです。これで、バックミラーを見る時と同じ感覚で扱うことができます。また、前方用のカメラも鏡を通して使うので、この左右反転は不可欠なものでした。ちなみに、画像を反転するには、1ピン(12Vピンの反対側)をGNDに落とせばOKです。1ピンにはコネクタが出ていませんので、基板上でショートすると良いでしょう。

CCDカメラの違い
品番 MK-0321 MK-0323
レンズ ピンホール レンズ
外寸 38x38x20mm 44x44x30mm
重量 17g 25g
明るさ F5.0 F2.0
画角 65.2 (5mm) 92.6 (3.6mm)
備考 ピンホール型 赤外線LED付き
CCDカメラ用レンズ
2種類のCCDカメラ用レンズ
CCDカメラの共通仕様
CCD 1/3インチ
方式 NTSC
画素 542(H)x492(V)
電源 12V ±10%
1.2W(LED付2.1W)

後方用カメラ

後方確認用カメラ
真ん中がレンズ、4本のボルトは取り付け用

後方用カメラは、バンパーの下のマフラーガードの鉄板の左側に取り付けました。車の中心と左端の間くらいに付いています。鉄板の左端ですので、これいじょう左に寄りません。また、真中にはナンバーがあるので真中にもできません。真中にできなければ、左の方が後方視界が悪そうなので補助になればという気持ちもありました。

また、雨やマフラーの熱がありますので、頑丈な5×5cmくらいのアルミダイキャスト製のケースに入れました。最初はピンホール型を入れるつもりで作業を進めていたのですが、ピンホール型は画角が狭く50cmくらいに近づくと視界から消えてしまいます。これでは車止めの確認には使えません。そこで、画角の広いレンズ型にすることにしました。しかし、レンズ型は基板サイズが6mm大きくケースに入りません。そこで仕方なく、ピンホール型の基板とレンズ型のレンズを取り替えて視野を広げてみることにしました。幸いにも、回路は同じ、定数も同じようです。レンズの取り付けネジのサイズまで同じでした。心配した露出の補正も自動調整してしまうようです。

後方確認用カメラ
後方確認用カメラの中身

レンズの取り替えは簡単ですが、レンズの奥行きが数ミリ程大きくケースに入りません。そこで、ケース前面にゴム板を貼付けその上にアクリル板を取り付けることでケースの奥行きを伸ばして収納しました。防水対策として、ネジ穴を開けた部分には、エポキシ系接着パテを盛ってあります。

配線の引き込み

後部カメラの様子
取り付けた後方カメラの様子

配線の引き回しは結構大変でした。まず、ケーブルには3芯+シールド・ケーブルを使います。カメラから出たケーブルは、左トランクの空気抜きから配線します。トランクルームの左側の内張りを剥がすとリアフェンダの後ろくらいに空気抜き用の穴が見えます、そこへ針金を通してバンパーの下から出します。あとはカメラのケーブルを引き込めばトランク内に引き込めます。

つぎは、運転席へ引き込む方法です。運転席後ろ側の内張りを剥がし、アンプ裏側のゴムパッキンを外します。ここから針金を通してトランクルームまで通します。トランクルームの右側の内張りを剥がし、先ほど通した針金を使ってケーブルを引き込みます。室内まで引き込めれば、あとは好きなように引き回せば良いでしょう。ちなみに、カメラとカーナビは共通のモニタを使っています。その切り替えにはビデオセレクタを使いました。

実際に使ってみると


カメラでみた映像

外からみた様子

カメラは路面25cmくらいの処に付いています。視点が低いのでスピード感はものすごく見ていると楽しいです。ただ、カメラの向きが少し上向きになってしまったせいで、50cmより近づくと見えなくなってしまいます。これでは、意味が無いので近いうちにカメラの向きを調整した方が良さそうです。また、画面左下端はカメラと車左端の間くらいになりますので、車庫入れなどで左端を見極めるにはあまり意味がありません。これは画角の都合でどうにも調整できないようです。再調整した後、具体的に、何cmの時にどのように見えるか調査しておかないと、カメラに頼った運転はできそうにありません。

画角90度って結構画像が歪みます。でも、歪んでも視界が広い方が扱い易いので問題にはなりません。気になるところでは、カメラが相当加熱するということです。本体の加熱ではなくマフラーからの熱だと思われます。長時間触れないくらいに熱せられますので、ひょっとすると、カメラの寿命は短いかもしれません。

夜間の明るさ

夜間はCCDカメラだと暗そうに思えますが、実はテールライトの明かりで十分な程の明るさがあります。さらに、バックライトを点ければかなりの明るさです。もちろん、10m先までは見えませんが、このカメラは1m以下を確認するためのものなので問題にはなりません。むしろ、後続車のライト類がハレーションを起こして視界不良を招きます。当然、日中も問題無く見えますが、夕暮れ時等は速めにテールランプを点けないと見難いようです。

最後のオチ・・・

実は、1月程前からカメラは完成していたのですが、ちょっとしたミスでカメラを破損させてしまいました。最初は、原因不明で感度不良に陥り、電源電圧を13.5Vくらいにあげないと画面が白黒反転してしまう現象がありました。ちょっと気分悪くて手荒く扱っていたら、配線のシールド部と基板を接触させてしまい、カメラから煙を吹かせてしまいました(^^;) 以降、まったく画面が写らない状態です。少し調べたところ、基板内部で14Vを作っているところがあり、このスイッチング用トランジスタが燃えてしまったようです。試しに、基板に直接14Vを掛けてみましたが動作せず、諦めて新しいCCDカメラを購入してきました(^^;)


前方用カメラ

前方カメラの様子
取り付けた前方カメラの様子

前方用カメラの取り付けは極めて困難です。フロントバンパより低い位置に取り付けないと意味が無いし、MR2のフロントはのっぺりしていて取り付ける場所といえばラジエタの処くらいです。しかし、ここでは位置が高すぎます。そこで、フロントフェンダーのの前の車の底に付けることにしました。底ですから、出っ張っているとこすってカメラを破壊する可能性があります。そこで、カメラ自体はバンパの中に収め鏡を使って、バンパの底から前が見えるように加工してみました。バンパの底に結構大きな穴を開けなくてはならないので、ちょっと厄介です。

前方用カメラの構造

カメラのプラケースが乗っているだけ
加工前の状態
エポキシパテで固めて、鏡とガラスを入れ、色を塗った
加工後の状態

MK−323のレンズは後方用カメラにあげてしまったので、かわりに、ピンホール・レンズを取り付けます。当然、画角は65度になってしまいますが、取り付ける位置が少し奥まった処になるので、これでも問題はなさそうです。

まず、ピンホール・レンズを付けたMK−323の上にタカチのSW−40というケースの一部を切断したものを、エポキシ系パテで接着してしまいます。ケースがプラスチック製なので接着がいまいちかもしれませんので、カメラのレンズ部分とケースを針金で巻いて固定しておきます。コンクリートの鉄筋のようなしくみです。次は、このケースに鏡を入れます。10度ほど下向きになるよう角度を調整しました。実際画像を写しながら調整すると確実です。最後は、透明アクリル板で蓋をして出来上がりです。目立たないように黒く乗っておけば完璧でしょう。仕上げに、ウインド用フィルムを貼っておきました。

前方用カメラの構造
カメラの構造

カメラの取り付け

後方カメラも取り付けは大変ですが、前方カメラはもっと大変です。MR2はアンダーカバーに覆われているので、ここに穴をあけてカメラが顔を出すようにしなくてはなりません。アンダーカバーはプラスチックなので、私は半田コテで溶かしながら穴をあけました。前方のアンダーカバーは、バンパの下と、フェンダーから続く部分と2つに別れますが、私はフェンダーの部分に取り付けました。こちらの方が、カメラがより左端に近づきそうだからです。ただし、バンパーの下のアンダーカバーは数本のネジをぬくだけで交換でいますが、フェンダー部分の交換はかなり面倒そうです。カメラはエポキシ系パテでアンダーカバーに直接固定しました。どこまでの強度が得られるか分かりませんが、高速をソコソコの速度で走ってきても問題は無いようでした。

ケーブルの引き込みは、引き込む場所が分かれば案外簡単です。カメラのあるフェンダー前部から前トランクルーム(ボンネット)へは、ライト類の配線が通るゴムブーツに穴を開け通します。トランクから室内へは、バッテリの裏に有る配線を通すブーツから通します。どちらも、ハリガネを使って通すと楽に作業が進みます。

実際に使ってみると


カメラで見た映像

外からみた様子

後方用カメラにくらべれば、ずっと実用的です。前から突っ込んで車止めに当たらないように駐車するときには便利ですし、走行中に道路の左端が何処にあるか見極めるにも使えます。とはいえ、タイヤより少し内側にカメラがあるので、何処をタイヤが通るかを見極めるには少し慣れが必要でしょう。逆に、カメラの鏡がでっぱった分だけ地上高が下がりますので、注意せねばなりません。それに、水にも余り強くないでしょうから水溜まりに不用意に突っ込まない方が賢明です。

カメラの映像で上の方に見える黒い帯はバンパの裏側です。また、下の1/3はバンパの影になってしまうので特に日中は暗く見難くなります。逆に前方方向は他が暗いので、露出過剰になりハレーション気味になってしまいます。ただし、夜間や日陰では問題無く使えます。

夜間はフォグランプを点けないと手前の方は暗くて見えません。ハイビームや、ロービームは、このカメラでみると遥か遠方に見えてしまいます。また、夜間、つけっぱなしで走行すると、画面が結構眩しく少しうっとしい感じもします。まあ、必要でない時以外はスイッチを切っておけば済むことなのですが・・・


今回取り付けたカメラの問題点

気になるところでは、配線の引き回しが長めな為か、カメラの突入電流が多いのか、スイッチを入れてから数秒間は画面が安定しません。走行中に見たい時は、この数秒でもまどろっこしく感じるし、遅すぎて無意味になったりします。通電しっぱなしにしておけば良いのですが、前後とも放熱の悪い構造なので、カメラの熱による劣化の心配があります。

また、ナビトラモニタに取り付けた切り替えスイッチが押し難く、素早い操作ができません。そのうち、押し易い場所にスイッチを増設しなくてはならなさそうです。それから、バックギアに入れた時は、自動的に後方カメラに切り替えたく思います。しかし、バックギアを検知する信号は車の後部にしか無く配線の引き回しが少しめんどうです。

水漏れでダウン!!

先日、初めて豪雨の中を走ってみました。やはり、前方カメラは水をかぶって視界が悪くなります。後方カメラに至っては、水が浸入して動かなくなるハプニングがありました。浸入個所は、ケースとケーブルの接合部分で、ケーブルをひっぱった為に、ケースとケーブルの間に隙間ができ、そこから文字が入ったようです。おまけに、念の為に入れた乾燥剤が水を含み、それが基板に接触して動作不良を起していました。乾燥剤を外したとたん、正常に動くようになりました。ケースとケーブルの接合部分の防水は色々と難しいようで、エポキシパテで埋めただけではダメでした。今回は接着剤を大量につけて防水しましたが耐候性は悪そうです。シリコンシーラントのような物で埋めてしまうのが一番かもしれません。(1999.9.3)