2001年6月 室生寺から巻向へ

室生寺 五重塔
The five-soried pagoda of Muroo-ji Temple

「女人高野」はつつましくもあでやかに立っておられた。桧皮屋根は重い瓦屋根と違い、垂木の重厚だが陰鬱な重々しさがなく、軒が軽やかだ。女人の単の衣の重なりにも似ている。塔は修理の過程で創建当初は桧皮葺きではなく板葺きだった可能性が高いことがわかったが、これまで親しまれてきた桧皮に復元されたようだ。文化財保存技術者の松田敏行さんの著書「室生寺五重塔千二百年の生命」(祥伝社)に詳しい。       次へ      「ときおりの奈良」に戻る