本殿
Main Hall of Imahie-Jinja

本殿手前の石段の両側を山王社の神の使いである猿が阿吽の形で守っている。威嚇しているようでもあり、歓迎している風でもある。金網で囲われているのは鳥や人の悪戯から猿を守るためだろうが、彼らが飛び出して来ないためだろうと思えることもおもしろい。後白川上皇はなぜ近江の日吉大社を勧請したのだろうか。この頃は30歳を過ぎたとはいえ、まだ清盛や後の頼朝と渡り合った権謀術数の権化のような政治家にはなっていなかっただろうから、祖先の天智天皇が日吉神社を三輪山から勧請した時とおなじような切迫した気持ちがあったに違いない。藤原氏の力がほぼ消え、源氏も一旦滅んだかにみえたが、皇室や公家の時代ではなくなるという恐ろしいが確実な予感を抱いていたのではないだろうか。