柴田よしきの本

「少女達のいた街」  (97/2 角川書店) 99/11読了

1975年の渋谷、ロック喫茶、ロンドン・ブーツとくれば、これは懐かしい私の世代ですね。HOSONOのブーツは名古屋に住んでいた私が渋谷まで買いに行こうと考えたくらい、当時では憧れの一品でした。

作者が後書きでも触れているように、ミステリーとかは、こういった自分達の過ごした時代を表現するための、ひとつの手段に過ぎないのかと思えてしまいます。それほどまでに、このストーリーの時代背景は、特に私にはマッチしたものでした。逆に言えば、このネタで他の小説は書けない? 

70年代半ばにロック・ミュージックに憧れた人は、是非読んでみよう。

「フォー・ディア・ライフ」 (98/4 講談社) 99/10読了
柴田よしきが主婦作家で、自作のホームページまで持っているとは、後から気づきました。最初に手にした時は男の作家かと思いましたので。

さて、内容はといえばなかなか緻密で読み応えあり。豊富な濡れ場の演出があるのは女性離れしており、はらはらさせる。最後に暖かさと希望を残せるのは、「主婦感覚」の美点か。現代の小道具である、ドラッグ、同性愛、電子メールといったものも押さえてある、お勧めの一冊。

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