楡周平の本

「猛禽の宴-続Cの福音」 (97/2 宝島社) 99.9読了

題名どおり、続Cの福音。今回はアメリカでマフィア相手に戦闘だぁ。現代の英雄、朝倉恭介の第2話であり、主人公があまりに完璧すぎてつまらないという面も拭えないが、娯楽作品として一気に読める作品。

「Cの福音」は古い映画を見るような、素朴さ、情感といったものが感じられたが、今回はよくあるアクション中心のアメリカ映画みたいになって、その分、私としてはつまらなく感じた。やはり、2匹目のどじょうは難しいか。

「Cの福音」 (96/2 宝島社) 99.9読了
Cはコカインのこと。外資系ビジネスマンである著者が、国際ビジネスの世界をドラッグ取引の裏の世界に置き換えて仕立てた。麻薬、ナイフ、中国マフィアと馳星周みたいな世界だが、不思議とあっさりしているのが良いところか。この手の小説の中では、秀逸の出来映えと思う。

パソコン通信のメールが小道具として登場しているが、先の、麻薬や中国マフィアと同様、3年後の今となってはいささか旧聞に感ずる。それだけ、鮮度を保てない題材と言えるのだろう。

文章は簡潔で、一気に読める。読みやすい文章を心がけている姿勢には好感が持てる。

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