村上龍の本
寂しい国の殺人(98/1 シングルカット社) 98/11読了
写真と短編のエッセイで構成されており、この人は美大の出身なのだと思い出す。洒落た仕上がりになっている。大人の絵本として漫然と眺めるには良いだろう。やっと休みがとれた週末に、グラスを傾けながら一人で眺める、といった姿が似合う作品である。
イン ザ・ミソスープ(97/10 読売新聞社) 98/10読了
内容、構成ともなかなかの秀作だと思う。村上龍もかなり読んだが、多作なだけあって、当たりはずれもある印象だ。しかし、その中にあってこの作品はしっか書けている。題材はいつもながらのセンセーショナルなものであり、その異常性が理解の範疇を超えると感ずる部分もある。著者はいたって真面目にメッセージを送ろうとしているのだ。
ライン(97/10 幻冬社) 98/10読了
構成を変えて紙芝居のように別々の登場人物のストーリーが次第に結末へ向けてつながっていくという、凝った作りになっている。凝りすぎて、ストーリーが追いにくいと、言えなくもない。また、それほど関連しない内容もある。このあたりが、推理作家でなく、純文学作家というところか。
残念ながら、この作品には著者の新たな生き方、主張といえるものはない。内容自体は、過去の村上節の焼き直しであるのが残念だ。
「オーディション」 (97/6 ぶんか社) 97/10読了
小気味の良いスリラーに仕上がっている。村上龍らしい恋愛ごとの舞台設定も楽しめる。身に覚えのある諸兄には相当に怖い小説ではあるが、実に完成度の高い作品で充実して読める。
最近の村上龍の作品の中では素晴らしい出来映え。お勧めできます。
KYOKO
エイズのダンサーを救うためにアメリカを旅するKYOKOで、映画化もされた。残念ながら、著者の映像作家としてのパフォーマンスは??である。小説も???というのが、正直な感想。読まないほうが良い。
69
村上龍の佐世保の高校時代の自伝的内容。これに続く内容は「限りなく透明に・・」等にあるのだが、続編の暗さに比べて、非常に明るく痛快な内容。この時代(1969年)に青春時代を過ごした人は是非読んでみたい本だ。
限りなく透明に近いブルー
東京デカダンス
エクスタシー
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