三田誠広の本
ぼくのリビングルーム(98/7 ケイエスエス) 98/11読了
私はこの地方には珍しく朝日新聞の読者で(中日新聞が圧倒的シェアを誇る)、その珍しい新聞の日曜版に連載されたエッセーが中心になっている。この人は、自分の家族や、犬といった日常生活を題材にするのがうまく、それで納得させてしまうのだから得だといえるが、やはり純文学を自認するだけあり、取り組み姿勢がまじめなのだろう。また、文章がうまく、その表現力にはしばしば感心させられる。
我が輩はハスキーである(94/7 河出書房新社) 98/9読了
三田さんの愛犬のハスキー犬である竜之介の話。実は私も、ミロを飼うことになってから読んでみた。しっかり犬を飼おうという気になると、誰しも同じ事を考えるのか、というのが実感。
「恋する家族」(98/5 読売新聞社) 98/6読了
実は昔から三田誠広も好きで、ついつい新刊が出ると目がいってしまう。また、なぜか図書館では彼の作品は人気がなく、いつでも借りられる状態にあるのはうれしい。この作品は彼には珍しく女性が主人公になっている、軽いノリのファミリー小説だ。三田さんのホームページには、この作品の創作ノートもあるので、読めば、二重に楽しめます。
パパは塾長さん(98/2 河出書房新社) 98/2読了
現在理科系の大学に進んでいる著者の次男の、私立中学進学の奮闘記。私の住んでいるのは東京ではないので、ここまでの緊迫感はないが、父親の教育参加という面で、大いに考えさせられた。
ちなみに、つい最近、中学2年になる私の長男の授業参観およびPTA講演会に参加した。男親の参加は10%以下であり、自分が異常なのか、あるいは、自分自身の子供の教育環境に世のお父さんはこんなに無関心で良いのかと思った。これに続いて開催されたPTAの講演会の話も、女親向けの子育て(幼児育て)の延長線の話であり、大いに憤慨し、暗澹たる気持ちになって帰ってきた。
いちご同盟(90/11 集英社文庫) 98/1読了
教科書にも出てくるという小説らしいが、私は文庫になってから初めて読んだ。作者本人が青春小説の決定版というとおり、下ネタもつかわず、完成度は高い。この主人公は、ピアノ好きである、著者の長男の姿がダブる。何事も、青春が基本でスタートラインか。なかなか泣かせるストーリーである。
17歳で考えたこと(96/1 河出書房) 98/1読了
題名どおり著者の高校時代の1年間の休学と、文学賞の受賞、現在の奥さんとの出会い等が書かれている。三田さんの原点を描いた自伝として是非読んでみたい。
空は終日曇らず(98/1 集英社文庫) 98/1読了
この本は三田さんにしては、変わり種というか、彼のキャリアの中で、モーレツサラリーマンの時があったのを思い起こさせるストーリー。青春小説といったところか。
天気の良い日は小説を書こう(94/11 朝日ソノラマ) 97/12読了
著者が実際に教えている、早稲田での「小説の書き方」講座のお話。もちろん小説の書き方の考え方も出てくるのだが、それよりも現実(だと思われる)のキャンパス生活の逸話に興味をそそられる。
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