アジア旅行記 |
'97/06/29〜07/05 更新日:'97/12/31
◆返還の瞬間
チャタムのエンジン回転が上がってくる。突然中国国歌が鳴り響き、歓声が上がる。
ハッとして時計を見ると0時。香港は返還された。
チャタムの舫いをほどくが、最後の1本がはずれない。英国?の一般の人が手伝う。
歓声が起き、みんながそれを写真に撮る。ブリタニア号の方にベンツなどが入ってき
たが、いつパッテン総督やチャールズ皇太子が乗船したかは分からなかった。
聞いていた時間より遅れて出港となった。まずはチャタムが岸を離れ、続いてブリ
タニアが出港して行く。出港してすぐぐらいにブリタニアが接岸していた所のフェン
スも乗り越える人が出てきて、多くの人が入って行く。最初の2〜3人は止められた
が、要人が岸壁にいなくなったからか止められなくなり、僕も入って行く。さっきま
で特別な所だったのが、今は普通の場所である。ブリタニアとチャタムは東へと向かっ
ていった。アッという間に見えなくなる。
意味もなくしばらくここにいる。既に1時を回っている。目をつぶると自然と眠り
に落ちていく。財布とかを取られないかなと気になりながらも、岸壁のコンクリート
の上で横になり少し寝てしまう。しかし、しばらくすると雨がぱらつき出したのでこ
こを離れることにした。考えてみれば当然だが、東タマールはイギリス軍に替り、人
民解放軍が管理していた。
あっ、もしかして0時にイギリス軍から中国軍への引き渡しの儀式みたいのをやっ
ていたのだろうか?しまった!目と鼻の先に居たのに気付かなかった!