アジア旅行記

香港返還編  '97/06/29〜07/05             更新日:'97/12/31


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【返還・その瞬間】  '97/06/30
◆返還へのカウントダウン
 皇后碼頭の東側でブリタニア号の出発を待とうとするが、まだ3時間もあるので1 度尖沙咀に行き時間をつぶす。さすがに人出がすごい。結構疲れていたので文化中心 1Fで紅茶をグイッと飲み、トイレに行っただけで中環の皇后碼頭に戻る。香港が返 還されるまであと1時間。さっきより人数が少し増えている。場所を確保したところ で、79年に香港に来たと言う広東出身の40数歳の人が話しかけてくる。「今日の 日を歓迎しているか」と聞くと「当たり前だ」と言われた。あと25分と言うところ で誰かが、東タマール周辺のバリアをこじ開け、皆がどんどん入って行く。最初は “おいおい、そんなことして取っ捕まるぞ”と見ていたが、どんどん皆入って行くの で、それならと僕も潜り込む。王室のヨット・ブリタニア号を護衛する駆逐艦チャタ ムの間近まで行けた。ブリタニアも目と鼻の先。

◆返還の瞬間
 チャタムのエンジン回転が上がってくる。突然中国国歌が鳴り響き、歓声が上がる。 ハッとして時計を見ると0時。香港は返還された。
 チャタムの舫いをほどくが、最後の1本がはずれない。英国?の一般の人が手伝う。 歓声が起き、みんながそれを写真に撮る。ブリタニア号の方にベンツなどが入ってき たが、いつパッテン総督やチャールズ皇太子が乗船したかは分からなかった。
 聞いていた時間より遅れて出港となった。まずはチャタムが岸を離れ、続いてブリ タニアが出港して行く。出港してすぐぐらいにブリタニアが接岸していた所のフェン スも乗り越える人が出てきて、多くの人が入って行く。最初の2〜3人は止められた が、要人が岸壁にいなくなったからか止められなくなり、僕も入って行く。さっきま で特別な所だったのが、今は普通の場所である。ブリタニアとチャタムは東へと向かっ ていった。アッという間に見えなくなる。
 意味もなくしばらくここにいる。既に1時を回っている。目をつぶると自然と眠り に落ちていく。財布とかを取られないかなと気になりながらも、岸壁のコンクリート の上で横になり少し寝てしまう。しかし、しばらくすると雨がぱらつき出したのでこ こを離れることにした。考えてみれば当然だが、東タマールはイギリス軍に替り、人 民解放軍が管理していた。
 あっ、もしかして0時にイギリス軍から中国軍への引き渡しの儀式みたいのをやっ ていたのだろうか?しまった!目と鼻の先に居たのに気付かなかった!


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