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  2007年度の磯     (05/21 更新) 5月の磯   (10/30 更新) 10月の磯と和名に迷った2種  
        (06/12 更新) 6月の磯   (11/21 更新) 11月の磯は  
        (08/09 更新) 7,8月の磯        
        (09/01 更新) ネズスズメダイ        
        (09/14 更新) 9月の磯で和名に迷う2種        

11月の磯は(11/21)

11月初旬の大潮は仕事の都合で磯へ行けず淋しい思いをしておりましたので、思わず空を見上げてしまうくらいの快晴の休日、磯へ出かけてきました。

当日は潮が引いても110cm、この地の平均潮位を超えておりタイドプールはほとんど出来ない状態というのは承知のうえですが、最近の黒潮の流れ方を見ていると、磯へ出かけてみたくもなるものです。

浅瀬の水温は20℃(10:00)、それほど冷たくは感じないので多少の期待は持てるのですが、この日も風がとても強い!。終始耳元でぴゅーぴゅーと音をたてており1時間以上もこの状態が続くと騒音に近くて、風のこない岩陰に入ってみるとそこは無音で別世界のようにも感じます。

見られる箇所が少ないのと強風で確認できた魚は標準の9種類。もちろん採集魚なんぞはありません。

天気の良かったこの日は大島が見えました。
 
ここへ採集に来てこうして眺められるのは年に1回ぐらいしかありません。

高い位置にあるタイドプールにはコトヒキやクロサギがいるのですが、気温が10℃ほどに下がる為に熱帯性の魚は皆無です。浅瀬では小さめのオヤビッチャなどは見られるのですが数は少ない。

岩に腰掛けて泳ぐ魚を見ながら、次回の大潮はどーしようかナと悩むわけですが・・・、きっと、次回は採集できる箇所が少なく魚がいないコト、もっと寒くなるコト、が推測されるので、もう今年はこれで終了します。


10月の磯と和名に迷った2種(10/30)

9月にSawadaさんとお会いした「暗い磯」から数えること3回、私は磯へ出かけていました。

1回目(9月末)は、薄日が差す天候でしたが磯は猛烈な風!岩の上の小砂が飛んできて足や手に当たります。帰ってネットで調べてみたら、風速10m→15mの時間帯でした。こんなんでは磯採集はできません。その日は一度も網は使わずに終了です。

2回目(10月初)は、とても寒かった!天候は下り坂で時々小雨降りでこれまた薄暗く、ザワッと吹いてくる風は冷たかった。真夏スタイルのままでしたから磯へ着いて30分もしないうちに「帰ろかな・・・」と思うほど。両腕を抱きかかえての磯めぐりは集中力欠如のうえに根性無しで早々と退散ですが、写真をちょこっと撮りました。

← (画像の表示エラーではありません・・・)
  この日の空、どこを見てもグレー一色!
ソラスズメダイ
こちらはソラスズメダイ →
明るく写っておりますが、暗いのでフラッシュが自動発光。
色物が見られなくなったこの時期、ソラスズメダイの輝青色には眼を奪われてしまいます。

3回目(10月中)の磯は偶然にもSawadaさんと一緒。磯の状況は sawadaさんの「今年は終了かな」 を参照して頂けるとお分かりのように、魚影はとても薄いものです。水際の水温は19℃(7:30頃)で手を入れても冷たくは感じないのですが、黒潮が遠ざかっているために新しい魚の寄り付きというのが見られないという状況です。

さて、前回に和名に迷った2種ですが名前決めました。

ツムブリ 和名に迷った1種、体側に2本の青い縦帯がでてきました。ブリ類はアジ科に属しますが、アジ科で2本の縦帯は他にはいないので、これはツムブリの幼魚でしょう。   オジロスズメダイ
     
  和名に迷った1種、やはりオジロスズメダイの幼魚に間違いないようです。Web上にはたくさんの写真がでておりますが、どうやら関東域の磯では見られる数が少ないですね。

9月の磯で和名に迷う2種(9/14)

台風9号が神奈川県を通過してほぼ1週間後、「磯はどんなかなー」と心配な思いで行ってきました。

台風9号のパワーは凄かった!本来浅瀬になっている所が石で覆いつくされている所2箇所、大っきい岩が動いている所1箇所、その他もろもろ・・・。そして膨大な漂流物(木片と木か海草類かわからないものと人工物など)

タイドプールはご覧のように漂流物(他の人が見たら只のゴミ)がいっぱい! ⇒

ここでは、マツダイ、ゴマモンガラ、アミモンガラ、シイラ、イスズミが見られました。漂流物の中でちょっと空いている空間からおや?と思う魚が見えたのでそっと掬って、網の中の木片やらをせっせと取り除いてみたものの、各当する魚は見当たらず、どうやら逃げられたようです。

漂流物に着いている魚は小さいうえ、この状態で一度見失うと再び探し出すのはとても困難なのです。他には特に目新しい魚は見つけられず、小さめのマツダイを1匹持ち帰りです。
台風後の漂流物
別の場所で、水面を覆っている根こそぎ運ばれてきた木のようなものをそっと退けてみると、緑色の魚が1匹。その場では名前がとんと思い浮かばなくて採集してきました(全長:32mm)。

なんとな~くブリの仲間かな~?という推測のもとで「磯採集ガイドブック」を開いてみれば、ブリのような横縞はなし、ツムブリのような黄体色でもないし尾柄部の小さな離れたヒレもなし(日本産魚類検索)、あとはヒラマサとなるが、今のところ特徴(上あごの角は丸い・・・!:見て判るのかい?)は擦れた傷があり確認できていません。

乾燥餌も良く食べて元気なのでもう少し成長するのを待ちましょう。
ちょっと離れた場所で、幼稚園児のようなオヤビッチャの群れを眺めていると、その中に「おんや?」と思われる魚が1匹。その場では名前が全く思い浮かばなくて採集してきました(全長:19mm)。

幼魚の背ビレにある眼状斑の位置や分布情報などからするとナガサキスズメダイあたりになるが体色はブルーではないし頭部に青いラインもない。もっと探していくとオジロスズメダイに該当するが、分布情報は和歌山県以南だし、さらによく見てみても、南紀のお友達 KAZUさん(HP:umi no ie) が送ったにしては荷札がアリマセヌ。

オジロスズメダイをインターネットで色々調べてみると、どうやら伊豆半島あたりでも見られることが判りました。台風で流されて来たのかな?餌も良く食べて元気なのでもう少し成長するのを待ちますので、ちょっと時間をください。


ネズスズメダイ(9/1)

ちょっと働き過ぎじゃないの・・・というわけで、貰ったお休みは8月末の大潮から少しずれてはいましたが当日は磯へ直行です。

大潮から少しずれているといっても潮位は50cm程なのでまぁ何とかなります。干潮が早朝のせいか磯はベタ凪ぎともいえる状態。タイドプールを覗くのにはベストコンディションで魚たちが良~く見えます。(日が昇ってくると風が出始める)

最初に眼についたのがスズメダイ科のシマスズメダイやオヤビッチャの子供たち。そう前回までは最初に眼につくのはボラだったわけで、今は熱帯の魚たちが沢山流れ着いている証拠でもあります。

タイドプールにはスズメダイ科が沢山いました。今年はシチセンスズメダイがいつもより多く見られています。チョウチョウウオ科も、チョウチョウウオ、フウライチョウ、チョウハン、トゲチョウとそれなりに見ることができます。チョウチョウウオは「ほぅ・・・こんなところに・・・」という感じでした。

30cm程の浅瀬では、いつもは海面に浮かんでいるナンヨウツバメウオが底のほうで揺れているのが見られ、しかもこの場所で同時に3匹というのはお初でございます。(この時は風がでてきてさざ波が立っており、ナンヨウツバメウオが海面に浮かぶのは少々難儀だったのかもしれない)

ネズスズメダイ 畳1畳ほどの変形タイドプールで小さなシチセンスズメダイを眼で追っていたところ、隅っこでブルーが目立つ魚がピンピンといった具合で泳いでいた。

← 左は採集時(全長:11mm)、右は1週間後

大きくなったら「つまんない魚」だと SyunさんのHP に載っていました・・・
ネズスズメダイ

他に見られた魚といえば、ニザダイ、コショウダイ、ソラスズメダイ、サザナミフグ、ミナミハタンポといったところでしょうか、クロサギとコトヒキの数がジワジワと増えています。

実は、1週間後にも同じ磯へ行ってきました。干潮時間はずれるものの潮位はほぼ同じ。しかし、魚影はまったく異なっており、この日はとても薄いものでした。1週間でそんなに変わるものなのか?採集時の天候は同じようなもので、どちらかというとこの日のほうが良い感じです。はて?この違いは何でしょう?

あ!もしかしたら・・・何となく・・・あれの所為かもしれない。それは、それは・・・ヒ・ミ・ツです。


7,8月の磯(8/9)

何かと時間がなくて7月、8月まとめて更新です。

磯へ行ったのは、7月は台風4号が来る前と後、8月は台風5号が来る前。そう、いずれも「今度の休みは磯へ行こうかな~」というときにタイミングよく(天気予報の画面の)下から台風がニョロニョロと登場してきます。

7月前半、今年初めてのチョウチョウウオを確認(1匹)、オヤビッチャを含めたスズメダイ科は片手で数えられるほどでした。採集したのは(結果的に)メジナ。

メジナ 水深30cmほどの波のゆるやかな浅瀬で表層をユラユラと全身を使って泳いでおりました。近くにいるメジナの群れにも加わらずの単独遊泳です。

特に傷を負っているようにも見えなかったので、当方は「おや・・・?おかしいな?確認しないといけないかな?」と考えつつ採集してしまいました(全長:30mm)。

写真を撮って、眺めて、ハイこれはメジナですね・・・と落胆しつつも安心したのです。

7月の中~下旬、台風4号が通過後の磯はサッパリときれいに見えるし、あるいは隅に吹き寄せられている、ちぎれた海藻類でややきたなくも見える。前回見られたチョウチョウウオは今回は確認できませんでした。

オヤビッチャを含むスズメダイ科は前回より数は増えて2桁台です。新しく登場してきた種類はツバメコノシロ。しかし、この日は網を使うことなく採集は終了です。

8月の頭、7月末に磯へ出かけられた Sawadaさんのホームページ をみて、当方も行こうと思い立つが、あいにくと台風5号が急速に接近中。休みが取れて即日磯へ向かったが、案の定海は波のうねりが大きかった。

波のうねりが大きいと通常の干潮のようには潮が引いてくれません。おまけに濁りがあり、黒体色系の魚がいても何もいないかのように見えてしまいます。

とり合えず潮の引いた箇所を探して眺めていると、今年は初めて見るフウライチョウチョウウオが2匹争っておりました。水深は10cmにも満たない狭い狭い水溜りです。こんな狭いところで何とまぁせせこましく争っていること・・・(なんかどっかの人間社会の縮図のよう・・・)と当方フト思ってもみたのでした。

この日は確認できる魚が意外と少ないのですが、それでも新しく現れた種類としてキヘリモンガラ、スズメダイ、コトヒキ等が確認できました。で、採集したのは単独で泳いでいた全長11mmのフグ科(クサフグではありません!)ですが、実は水槽内で隔離して入れたにも関らず目を離したスキに行方不明となってしまいました。ゆえに写真はありません。

チョウチョウウオやオヤビッチャ類も見られましたが、現時点ではチョット少ない感じを受けます。夏真っ盛りの8月!、もう少し待ってみましょうか。


6月の磯(6/12)

6月が始まったばかりとはいえ日中は暑くなりました。こうなってくると、大潮で天気良ければ海・・・というのが採集家のパターンであります。

前回本当にチビチビだったカゴカキダイは、小粒ながらも十分に目視確認できる大きさに成長しています。それからチャガラ、クロダイの幼魚も登場してきました。クロダイは体色がうすく、灰色の泥地にいるため上から眺めているとボラのようにも見えてちょっと見つけ難い。

カゴカキダイ カゴカキダイ(全長:18mm)
身体には透明部分がのこっており模様は完全ではありません。
  クロダイ
  クロダイ(全長:24mm)
こちらも身体はわずかに半透明

南方系の魚としてはシマスズメダイが1匹だけみられました。一瞬、放流ものか?とも思いましたが冬を越したにしてはサイズが小さいし、過去にも何回か6月には登場している年もありますので、これは今年新しく登場した個体でしょう。ということは次回から磯へ来る楽しみが増えることになります。


5月の磯(5/21)

早ければ4月には磯へ出る予定でいましたが、あいにくと天気に見放されて、5月が今年の初磯になってしまいました。

今年は水温が高めだったせいか海藻類は思っていたよりは少なかった。水温は18℃で足をつけても冷たいとは感じません。お魚といえば程よく成長した多数のボラと形の美しいキヌバリ、メジナはまだちょっと小さい。カゴカキダイは見落としてしまいそうなくらいチビチビで数も少ない。

ときおり姿を見かけたのがタカノハダイで、こちらは実に4年振りの対面となりますね。⇒
採集した個体の全長は5cm、他で見られたのも同じくらいのサイズです。

過去に見てきたものは海藻や岩陰で休んでいることが 多かったのですが、この日は波のうねりが大きくて寄せる波、戻る波に流されまいと浅瀬で必死に泳いでおりました。
タカノハダイ

他には特に目ぼしい魚はいなかったのですが、磯で目を引かれたのがタイドプールにとり残された小魚の群れ(下左)。カタクチイワシの成魚だと思われますが、このような状態で点在していて、積算してみると200匹程になります。

水が残っていないところは悲惨な状態で(下中)、逃れようともがいて剥がれた鱗がキラキラと光っています。

次の満ち潮で死骸は波に持っていかれますが、それまでは近くに棲むトンビの御馳走となります。

カタクチイワシ カタクチイワシ カタクチイワシ

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