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ポラリエの評価
ビクセンのラインナップの中で、最も小さい赤道儀。いわゆるポータブル赤道儀。
http://www.vixen.co.jp/product/at/polarie/index.html
【追尾精度】
ピリオディックモーションの値は公表されていないが、ホイールの径やウォームの加工精度から想定すると、測定結果は妥当な値。
測定毎のバラツキも、それほど大きくは無い。
▼平均と標準偏差
数値は半値(±)、単位は秒角
1〜6
東側に荷重
7〜10
西側に荷重
11〜14
極軸部分のバランス取り
X軸:測定回数、Y軸:ズレ角度(秒角)
明細
▼集計とロス率
[集計]は露光時間毎のズレを計り、所定のズレ角度に分類している。内訳の数字は回数。
[ロス率]は[集計]の結果に基づき、焦点距離別に括弧内の基準に収まっていないものを計算している。
実際の撮影ではインターバールの時間があるので、測定結果と同じにはならない。
測定方法は
「赤道儀のピリオディックモーション測定」
に記載した通り。
テスト機材
カメラ:ニコンD7000 → D90、レンズ:トキナーM100
三脚:スリック エイブル300FX、架台:マンフロット 410、雲台:スリック バル自由雲台 → SIRUI L-20S
▼ピリオディックモーション抜粋
X軸:時間((N-1)*10秒)、Y軸:ピクセル
一番上は、雲台のカメラ台に直接カメラボディを載せて南へ向け、子午線と赤道が交差する付近の恒星を撮影したもの。
【機能・操作性】
操作は簡単。ダイヤルを所定のモードに合わすだけ。
雲台ベースは極軸部分に被せて、二点のネジで固定するようになっている。
指で締めこむと充分に固定できない。ガタツキが残り緩むことがある。
ネジ頭を指で押さえつつ、ラジオペンチ等で挟み、軽く締めこんでやると、しっかり固定できる。
極軸設置の方法は、覗き穴、ポーラメーター、極軸望遠鏡の三通り。
覗き穴は見やすく、位置を見失うことも無い。
覗き穴とポーラメーターでは、1度から2度程度の誤差が生じる。
極望で極軸を設置しても、その後で雲台ベースを取り付け、目標導入をするようになるので、どうしても誤差が生じてしまう。
電池の稼働時間はエネループの場合で、夏場3〜4時間、冬場(外気温0度程度)1時間くらい。
【強度・剛性】
搭載可能重量(雲台を含めて約2.0kg以下)の範囲内であれば、バランスを取っていない状態でも、十分な強度・剛性があるものと思われる。
【その他】
コンパクトであるが、持つと意外に重量感がある。
造りについては、特に気になる点は無い。しっかりと造られている。
【まとめ】
追尾精度は焦点距離50mm、露出時間3分〜4分前後が限界。 あくまで星景写真や、標準レンズでの星野写真を想定して作られたものなのだろう。
以前からサードパーティーのオプションが発売されており、現在では純正でステップアップキットが発売されているが、そこまでコストをかけても追尾精度的に引き合わない。
本体にオートガイドの端子が実装されていないのが残念。基板上には回路が組み込まれているらしい。
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初出:2017-04-26
(C)
YamD