個人的な評価(クリア後の感想)


評価基準はこちらにあります。




ストーリーの評価  5/10(各編総合点)
(内訳 h1=0 , h2=2 , h3=2 ボーナス=+1)

これまでのイースの問題点をかなり克服している事、
なにより善悪二元論からの脱皮が認められることから7点。
ただし。
ユーゴ編と鉤爪の男編が瘴血の領域までは実は同じ物語の裏表なのに、
各編の繋がりが全くないために、プレイヤーが別の物語と受けとる・・
これでは、何の為に主人公ごとに編が分かれているのでしょうか?
鉤爪の男編が良かっただけに、勿体ないと思います。

ちなみに、各編自体の評価は、 ユニカ編  0/10
(内訳 h1=0 , h2=0 , h3=0 ボーナス=+0)
ユーゴ編  8/10
(内訳 h1=2 , h2=2 , h3=3 ボーナス=+1)
鉤爪の男編  10/10
(内訳 h1=3 , h2=3 , h3=3 ボーナス=+1)

ユニカ編は女性が活躍すると一番大切な者を失うという、
全時代的でありきたりな物語に終始しており、あらゆる意味で最悪でした。
(多分、社内に女性の立場に立つ事のできる企画者が居ないのでしょうね)
イベントも少なく、ユニカは女神以外の人間と交流しようとしないので、
人間関係の面も全く面白くありませんでした。

それと違って、ユーゴや鉤爪の男編は、これまでのイースの常識を打ち破る、
斬新な物語でした。ただ、難を言えば、エポナの死の必要性が全く無い事。
ダレス側の心理をもう少し追求すべきだと感じました。

以下に、kがプレイしていて嬉しかった事を書き連ねてみました。
1.ユニカの標準装備が「紅蓮の大剣」であること。
(注:初期装備は斧です)
2.鉤爪の男編のシナリオ自体。
3.ユーゴ編が存在する事自体。
4.エポナの存在、ミュシャの出番が少ない事。
5.ユニカ編のキシュガル戦(二回目)。
6.羽衣翔の漫画「イース」が好きだった人に嬉しい展開。


1については、Romancing Sa Gaのアイシャの標準装備がレイピアであったため、
主人公にしたときせっかく斧や大剣を装備しても意味がないという悔しい想い出に由来。
シナリオ上での自動バトルでも紅蓮の大剣装備であることがうれしかったのです。
(注:イベントではユニカ、ユーゴともに火のスキルを使用)

2については、プレイしてみて下さいとしか言えません。
どうしてもクリアできないので友達のデータを見せてもらう場合は、
ユニカ、ユーゴ編のユニカ編、ユーゴ編のイベントシーンごとのセーブをとってもらい、
鉤爪の男編プレイ前に全て見ておく事を推奨します。


そうでないと誤解したままクリアする事になりかねません。

4については、ミュシャみたいなキャラクターが個人的に嫌いだから。
また、エポナのキャラクター性がYs6のテラみたいじゃなくてよかったという意味でも。
大概の人は男性に媚びて愛情を得ようとするタイプの女性キャラに萌えるんでしょうけど・・
私のように人間関係に絶望した嫌われ者にはただ鬱陶しいだけです。

ミュシャはユーゴと友達から始めたお付き合いをしていたのでしょうが・・
(ミュシャの台詞から察するに、許嫁かなにかなのかもしれませんね)
でも・・ユーゴが嫌がる気持ちもよくわかる・・というかなんというか(もごもご)

5については、有名なRPGで何度も繰り返される「人の死による精神的な成長」が、
私にはどうしても受け入れられなかったため。(詳しくはイベント参照)

6については、羽衣翔の漫画「イース」のファクト(祖先)が魔族と結婚して・・というくだりや、
ダルク=ファクトと女神レアの恋愛(?)関係、フィーナによって鍛えられるクレリアソード、
などなどの面白いな〜と思った展開を思い出して思わず懐かしくなりました。

もちろん直接は関係ないのですが、
こういう面白い要素が本家イースにも取り入れられたことが私には嬉しかったのです。

ところで、パッチはあまり面白くありませんでした。
(レアの台詞でもあれば面白かったのに・・)
唯一面白かったのはピッカードンと戦えるということです。
(ユニカのコスチュームは高得点出してまで見たいと思わないし)

アドルも操作できましたが、強い違和感を感じました。
(しかもイース6アドルの場合、二段ジャンプが不自然)
オリジンにはアドルが居ない方がいいと強く思いました。

一作くらいアドルの居ないイースがあったっていいんじゃないでしょうか?
(それにアドルが出ると必ず萌え要素が追加されるし・・Ys6やフェルガナの如く)

ちなみに、ユーゴ編はエリートが地に落ちて、
狭い世界から広い世界へと飛び出す所がとても良かったと思います。
(私も自分が如何に狭い世界に生きてきたか気づかされたし・・)

鉤爪の男編は、(昔はよく親や周囲に誉められたけど転落したタイプの)
フリーターやニートに夢を与えることのできる物語だと思います。
ただ、まったく学歴の無い、浮遊している若者の立場に立つはずのユニカ編が、
夢も希望も無い話であるという点では、イース1、2よりも夢が無い物語だと言えるでしょう。



ゲームとしての評価  3/10(各編総合点)
(内訳 h1=0 , h2=2 , h3=0 ボーナス=+1)


このゲーム、シナリオは素晴らしいのにゲームバランスが不味すぎます。
テストプレイヤーの選定をまちがったとしか思えない。

以下に、私の所見を書き連ねてみます。購入の検討にどうぞ。(^^;)

1.ジャンプ(全般)と滑る床(黙砂の領域)が難しすぎる。
いくら難易度をEasyにして消える床を消えないようにしたといっても、
この二つはどうしてもアクション下手にはクリア不可能。
(私の場合、泣きながら5回以上繰り返した<-- 初回攻略時)
これでは爽快な攻撃アクションが楽しめない。

同様の理由でベラガンダーが倒せない。(泣)
というわけで、ユニカ編クリアの後、kはEasyでしかこのゲームはやらん!と固く決意した。
(現在ユーゴHard、ユニカHard挑戦中・・・プライドとピッカードンへの執着。(T_T))

追記:「金剛爪」の回復量が少なすぎると思う。説明は略しますが・・
せめて「暁石の守護石」「精霊の首飾り」に類したアイテムはないものか・・
もしくはYs2のように薬草をボス戦中に使用可能とか・・駄目ですか?(T_T)

せめてクリア後のアイテム引き継ぎがあれば良かったと切実に思う。
(他のキャラでゲームを始めた場合にも適用して欲しい)


2.ユニカのスキル「旋風」、鉤爪の男のスキル「神速」が使いづらい。
特にジャンプを多用する部屋で操作の難しさを実感。
Nomalってのは誰もがクリアできるレベルじゃないのか(泣)・・
それに、EasyでもLv51に上げないと最終ボスを楽に倒せないっていうのはどうかと。(泣)

大人である私はアクションよりストーリーをじっくり堪能したいのです。
だからEasyにはそういうレベルを要求しておるのです。
お金も時間もない私のような貧乏人の立場を考えて欲しいのですよ。はい。
(私は中古で買いましたが、それでもゲームの代金を何ヶ月分もの小遣いから捻出しているので・・)

しかも、敵のLevelが獲得経験値に影響しているようなのです。
理由は、難易度が上がるたびにLevelが上がりやすくなっているから。

とすると、ジャンプの難度が触ると消える床(瘴血の領域)以外同じである以上、
ほぼ、難度と要求される技術にはあまり関係が無いと言えます。
(ただ、Hardのみボス戦の難度がかなり上がっているように感じた)

従って、結界を張れるユーゴが最も生存率が高くなるわけです。
だから、初心者はまず、最初に迷わずユーゴを選ぶべし。Nomalでも可。

続いてユニカはEasyで軽くクリアし、トールはNomalでクリアすべし。
(難度の変化はボス戦以外、あまり影響がないから)

3.キャラクターごとのアクションの違いがとても良かった。
今までのイースは剣か魔法かしかなかった。
そして男性主人公だけだった。しかもアドルのように経歴の奇麗な英雄だけ。

剣と斧を振り回す小柄な少女ユニカとか、目玉の光弾攻撃とか、
「魔」に与する鉤爪の男の斬りまくりアクションとか本当に斬新でした。

あと、ユーゴの「ファクトの目」が可愛い!!(><)d
「ファクトの目」はたまに迷子になるんですよ・・
そしてユーゴを見つけると大急ぎで主人の元に馳せ参じるところがいじらしいです。

ユーゴが両手を上げて飛ぶところがなんとなく笑える。
しかも一生懸命無理して「えい、じゃーんぷっ!」という感じで飛ぶ健気な姿は、
エポナ姉さんでなくとも女性プレイヤーの心をわしづかみ間違いなし!

また、鉤爪の男編に関係して・・・
 びば! 邪神像セーブっ \(^ ^)/ わーい <-- 2ch風に表現してみました

とにかく、RPGといえば聖、勇者といった言葉がつきまとい、食傷気味でした。
あと、闇の一族ばっかり悪者というのもどうしても納得がいきませんでした。
そういう意味でとても良かったと思うのです。


音楽の評価 1/2(各編総合点)

タイトル画面、水獄の領域の曲が素晴らしく良いです。
ゲームの雰囲気にピッタリでゲームしていてとても気分がよかった。

また、最下層付近と想い出のシーンに用いられた前作の曲アレンジも落ち着いていて良い。
・・だが。その他の領域の曲がいまいちです。上に行くに従ってロック調が強くなります。

ロック調自体は別に問題ないと思うのです。問題は、上に行く程ジャンプの難易度が上がる事なのです。
集中してプレイに臨みたい。なのに曲がうるさい。
終いにはなにやってるのか分からなくなるんですよ。(泣)

それに・・格調も失われるしね・・・もう少しゆっくりした曲にできないものでしょうか・・
(ザバ登場時の演歌調の曲もあまり良くない・・彼女の尽くす性格を表現できているけど・・)


登場人物(ヒロイン/脇役)の評価 10/10
(内訳 h1=3 , h2=3 , h3=0 ボーナス=+1)

h1が3なのと、ボーナス+1というのは、
ロイ、エポナ、女神レア、女神フィーナの評価によります。
なぜか。それは、ヒロインに自主性があるからです。
そして、主人公の為に生きているわけでも、主人公の為に生きようともしていないからです。
(ロイは男ですが、主人公の恋愛相手という意味で「ヒロイン」ですので)

あくまで自らの目的の為に死をも厭わないと決意しているにもかかわらず、
それでも恋愛感情に振り回されてしまう人間らしい葛藤。
恋愛と葛藤のテーマはイース2エターナルとイース4SFCのリリア、リーザに繋がる要素です。
リリア等については高い評価をしている私ですが、その理由は、
アクション性の高いゲームでありながら人間らしい感情を表現しようとしたことなのです。

ですが、オリジンのヒロインにはさらに自らの行動目的があると私には感じられたので、
評価が満点なのです。前作と同じ事をやるのでは新作である意味がないわけですから・・

ロイについては、普通の女性ヒロインでもありえないほど献身的な姿が斬新だったと思います。
女性主人公の場合、恋愛相手キャラクターに女性主人公が献身的に尽くす事が殆どなので。

ガレオンやキシュガル、リコ=ジェンマも脇役としていい味を出していると思いました。
ただ、もう少し個性付けが欲しかったと思います。(特にキシュガル・・)
(リコだけは、実は腹黒いという個性が説明書の四コマ漫画に出ていて良かったけれども)


どうでもいいこと

12月21日は俗に遠距離恋愛の日だと言います。
「イース オリジン」はそんな発売日にピッタリの、恥ずかしいくらい純情一直線のゲームです。
青春時代の初恋の想い出に浸るも良し、忘れかけていた純粋な気持ちを取り戻すも良し。
冬休みの学生さんも、有給休暇中のサラリーマンも、ぜひプレイしてみて欲しい一本です。

プレイした後は、それぞれの主人公達の物語で彼らが果たせなかった願いを思い起こし、
御自分の大切な人が平和な世の中で無事に生きている事に思いを馳せて欲しいと思います。

と、いうわけで。
とっても良いゲームです!中古で良いから一度はクリアして欲しいです。
詳しくはゲーム本編でお確かめ下さい・・ぺこり。m(_ _)m



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