通し番号「18」

「飛行機」


アメリカ・ワシントンダレス空港にて、出国審査。

時々なにを聞かれているのかわからなかったが全部“イエス。”と応えてしまった。すると係員は‘はてな’という顔をして

“これは全部あなたの荷物ですか?”
“はい、そうです。”
“OK”

と言ってくれた。荷物はすべて機内持込みにした。

ここで、私は8月5日に初めて気付いたことを、書くことにする。。
耳慣れぬ言葉で覚えられなかったが、係員は私に

“あなたは誰かに荷物を運ぶように頼まれましたか?”
と聞いており、それに対して私は“はい。”と言い切っていたのだ。

これでは私は‘運び屋’ということになってしまう。

でもどう見ても係員の目に私が運び屋とは映らなかったのだろう。“これは全部きみの荷物なのかい?”と易しい言葉で聞き直してくれた。その問は私にもよくわかったので“そうです。私のです。”とはっきり応えた。それで係員は私を通してくれた。
私はパリのシャルル・ド・ゴール空港でも、搭乗口空港係員に‘はてな’という顔をされたのだが、英語で問い掛けられているのに自動的に“ウィウィ”と応えていたら“あなたフランス語話せるの?”と聞かれ“うっっ、ノン”と応えるとにっこりされて通してもらえた(シャルル・ド・ゴールでは、受付に日本語係員がいて運び屋チェックを日本語で受けている後なので簡単ににっこりしてくれたのだろう)。

という訳で、なんでもかんでも“はい”と言ってはいけない。

結局ここにも出発一時間前に着き、あせり続けて飛行機に乗り込んだ。
空港でも葉書を出したくて切手売場がないかときょろきょろしたのだが見つけられず、一枚も投函できなかった。
飛行機は大変空いていて、客は10人ぐらいしか乗っていないようだ。
成田 > ニューヨーク便には あった‘くつしたサービス’はなかったが、
ここまで空いていると、どっぷり気が抜けてありがたい。

誰かが声をかけてくる。何を言っているのかわからない。
ふりむくとラテン系丸い顔の男性と東洋人女性。

「にほんの、かたですか?」と女性が言う。「そうです!」

二人は国際結婚をして半年とのこと。温和な顔つきの優しい人たち。
スチュワーデスがピーナツを配ると男性は“もっとくれ”とにこにこ顔で言って、ビニール袋の中に手を突っ込んで10袋ぐらい掴み取り、私にも3つよこして“食べなさい(スマイル)”と言う。あんまり食べたいと思っていないのに、にっこりされて全部食べてしまった。それから何時間飛んだのだろう。無事にイタリア・ミラノに直行、着陸した。<続く>

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