通し番号「16」

「アムトラック」


タクシーはこわい、と思っていたが無事にペン駅に着いた。
Mはチップの計算ばかりして、そしてたくさんチップをあげる。
エスカレーターで地下に降りる。

「ちょっとユナイテッド・エアラインに電話させて。」
この航空はリコンファーム(再確認)が不要なのだが「国際線については念のため確認するように」と旅行代理店が言うため何度もかけたが話し中で、この電話でやっと繋がると「リコンファームは不要・・・」とテープ音声が流れるだけだっだ。
「スーツケース預けてくるね」とMは荷物受け場に行った。
戻ってきた。「重すぎるからって追加料金を取られた」

朝から重い荷物を運び、追加料金まで取られ、私はタクシー怖いだのチップ多すぎだのとごねるし、Mの機嫌が斜めになっていく。
「Mの時刻までずいぶん時間があるし、私は大丈夫だよ。」
「そう。じゃぁコーヒー飲みに行くわ。一ヶ月後に!」

ここにはたくさんの人がいて一個所を見つめている。
発車時刻と発車ホームが表示された掲示板だ。
なぜだか知らないけれど、発車ホームが直前にならないと決まらない。ひどいのになると決定が3分前だ。ホームがわかると、みんな本気で走る。時間はないし階下のホームへ降りられる階段が少ないのだ。荷物を預けなかったら、Mは間違いなく乗り遅れただろう。
私の電車のホームは発車7分前ぐらいに表示されたので歩いてホームへ行けた。

乗車して席を取る。鞄を荷台に載せ、念のためワイヤーと南京錠で固定する。
車内売店に行ってみると結構高い。お金があまりないので水だけ買う。地下から地上へ出ると、田舎の風景が広がっていた。いい天気。
葉書を出してニューヨークのことを書いた。
それから、うつらうつらしていたら急に電車がとまった。
“エンジントラブルです。直り次第、発車します”
・・・成田からニューヨークの直行便に続いての不運な停止。でも大丈夫だろう、すぐ直る、と思ってぼーっとしていたが、20分30分と過ぎていく。3時間前に空港に着くようにしていたのだが、それでも危うくなってきた。どうしよう。
ワイヤーを外し、鞄を肩にホームへ出て、駅員をつかまえた。

これ以上遅くなると 私の乗るべき飛行機が飛んでしまい とりかえしがつかないことを私は説明できたようだ。駅員は次に来る電車への乗り換え券(トランスファー)をくれると言う。それでも間に合うかどうかあやしい。そこへ女性が一人やってきた。彼女もtransfar ticketをもらうことになり、
“君は彼女についていきなさい”

私と彼女がそわそわし、駅員が乗り換え券を準備しているとき、
“問題は解決しました。発車します”

“電車が動きます。今乗ってきた電車のほうが速いからそれに乗りなさい”
彼女と私は走って、乗ってきた電車に再び乗った。<続く>

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