アップタウンに向かうホームには私の他には一人しかいない。太股を露にした白いホットパンツを穿いた白人女性。彼女のペーパーバックは地図らしい。私と同じくサブウェイを乗り違えたようだ。
たぶん私以上に彼女の服装はあの電車の中で目立っていただろう。
改めて乗ったサブウェイの中は、Mと見てきた風景と同じだった。
ブロンクス行きだけが異なっていた。ニューヨークのことをよく知った人であれば色々説明が付くのだろうが、私は間違えて電車に乗ってしまっただけの観光客。これ以上のことは書き得ない。 なお 地下鉄は1~7,9,A~G,J,L~N,Q,R,S,Zの線が運行しているようだ。サブウェイには落ち着いて乗ろう。間違えてしまった時は落ち着こう。
サブウェイを降り、地上に出る。右に博物館。左には、セントラル・パーク。
私はしばらく名前をイギリスの有名な公園と間違えてしまった。このセントラル・パークをジョン・レノンも散歩したのだ。と思うとますます間違えてしまう。公園の周りに飲み物だけを売る小さな露店がある。私は水を買った。2ドル。ジュースの方が安いけど、(食器洗い洗剤の容器のようなプラスティックに入っている)水は持ち運びやすい。だけど飲む時は哺乳瓶のようにくわえないと飲めない。
公園の中は清々しく、車の音も遠い。たくさんの人がローラーブレイドをしている。気持ちよさそう。標識がある。ローラーブレイドはOK、ラジカセは禁止らしい。
私は散歩する。私も気分がいい。池に出た。
ビキニの水着を着て女性が日光浴している、公園で。
私は池に張り出た石の、ほとんど突端まで行った。そこに座ってぼーっとしていた。旗や綺麗な建物が見える。もしかしたらジョンの住んでいたダゴタ・ハウスかもしれない。メトロを間違えたので、もうあまり時間がない。待合わせ場所に行かないと。私は腰を上げて、もと来た道を戻った。戻ってちょっと行けばいいのだ。
私はセントラル・パークでのどかにふける人々のすぐ横で、幸せなひとときを過ごせたが、実はこの公園内でも毎日のように犯罪が起きていると後で聞いた。....観光客の私がひとりでふらふらと行ったのは危険だったのかもしれない。とお断りしておく。アメリカ自然史博物館に入るとまた長蛇の列だった。しばらくすると自分の番が来たので“大人(アダルト)”と言うと、“???大人でいいのね?”という感じで切符をくれた。パンフレットは日本語はないので英語版をもらった。切符はシールになっていて、周りを見ると、みんな手首に巻き付けている。入り口で係員に切符を見せると手首に巻いてくれた。シールの裏紙を全部はがしてしまうと手首にくっついてしまい痛い目にあうので、端だけ剥がして端と端を貼り合わせよう。みんなで同じものを手首にくるくるさせて、ちょっぴりウキウキした気分だ。<続く>
旅の模様について | 旅の準備 | 旅の軌跡 |