通し番号「9」ニューヨーク(5)

「郵便局と自由の女神」


Mが言うには、朝は東京と同様、サブウェイもラッシュがあるので、それが終わった頃に私達は乗った。行先は郵便局。私が持参したアメリカの観光資料をMの滞在先に送るため....荷物の軽さが旅を快適にする。
さて地上に出て、歩いていくと、あった。郵便局、これが?!
素晴らしい。真っ青な空に建物の白さがよく映える。入り口まで階段が20段ほど。屋根の上には国旗がはためき、壁に施された装飾が涼しい。Mが写真を撮ってあげるというが、郵便局で撮るのは恥ずかしいと断った。なのに「記念記念」とMらしくないことを言って撮られてしまう。にもかかわらず その写真はなぜかない、残念。

中はとても広い。Mは何か書いていて、
「どこでもいいから並んで封筒出しておいで」
と言うが、なにか怖い。
でもここで怖がっていたらどうしょうも無い。
窓口は、係員と客の間がガラスで仕切られている。
“ハロー。エクスキューズミー(すいません)。”
と、封筒を出して“エアメイル、プリーズ。”と言うと、局員は何かやって、ガラスの向こう側にある‘レジの御買上金額表示窓のようなもの’に$3.00-と出るので、3ドル払う。これでおわり。後ろに人も並んでいるし、焦って列を出た。
Mも手紙を出したらしい。
「おわった?」
と言って、郵便局を出た。(あ、友達に葉書出せばよかった)と気付いたが、また並ぶのも嫌だと思ってMには言わずにとことこ歩いた。

またサブウェイを使ってフェリー乗場まで来た。マンハッタンと島を結ぶフェリーは(6日前の)7月4日独立記念日から無料で乗れるようになったそうだ。
Mが島は混んでいるかもしれないと言うので往復乗船して‘自由の女神’を拝むことにする。島の塩梅が良ければ女神様に登ろうなどと言いながら船が動くのを待つ。
・・・動いた!
お揃いのTシャツを着た こどもが大勢 乗っている、はしゃぎすぎて大人に怒られる、でも身体がうきうきと自然なリズムを刻んでいる。かわいらしい。
私達もうきうきし、おのぼりさんらしく写真を撮り合って、そのうちさっき怒っていた大人に写真を撮ってくれるようカメラを渡すと“シュアー”と言ってシャッターを押してくれた。うれしい。。。。自由の女神が見えて来た。

私はオペラグラスを取り出す。
「yuちゃん!それ何!」
Mはたいへん羨ましそうで、私は自慢したい気分だ。
これで覗けば大きく見える!もちろんMにも貸してあげる。
「これはいいねぇ、小さくなるし」
そう、小さくなるオペラグラスは必携の旅行道具だ。いろんな時に役に立つ。
私はこれを望遠レンズ代りに使い捨てカメラの撮影レンズに押し当ててシャッターを押したが、さすがに
「ち、ちょっとそれは映らないんじゃない?」
「いいのー。実験、実験。」
と私はごきげんだったが、やはりこれは映っていなかったので、皆さんはやらないように。<続く>

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