通し番号「7」ニューヨーク(3)

「デリ」


夜も10時を過ぎているし、雨だし、怖い、ということで、Mが見つけた近くのデリに行く。デリは、日本のコンビニエンスストアと‘ほかほか弁当’屋をあわせたようなもの。コンビニに並んでいるようなものはだいたい置いてある。お惣菜がいっぱい並んでいて、自分で好きな具を何種類でも、プラスティックパックに好きなだけ入れられる。飛行機の到着を待ちかねて、先につまんでいたMお薦めの具などを選び、店員さんに渡す。ショーケースがあり、その中にドーナツがいっぱい並んでいる。お惣菜にドーナツ2つとコーヒーも頼んで4ドルほど。安い。Mはコーヒーだけ買う。

部屋に戻って、とにかく食べた。
飛行機が途中で停まって留守電を入れたことを言ったら、
「そうそう、電話くれたときロビーにいて、あんまり来ないから

飛行機遅れたのかと思って部屋に戻ったら電話が光っててビックリしたよ」
とのこと。よかった、間違い電話ではなかったんだなぁ。

それにしても、電話で英語が通じたのにホテルのフロントで通じないなんて、
いささかしょんぼり、少し不機嫌....といえば、迂回着陸したなら....と話して、

それからクレジットカード30枚所有の親切な女性の話などした。
(いいひとがいるってうれしいことだ。)
「親切!ところで、ほんとに何でもカードで、みんなすごい枚数持ってるの」
事実、カード社会なんだ、と私もわかりかけてきた。

おかずは美味しい、ドーナツも甘くて美味しい、大きいし、私にぴったり。
本当は今夜どこかを散歩して、どこかから夜景でも見るかジャズクラブにでも行くつもりが着陸時刻によって失われてしまい、がっくりだが、ご飯を食べればまず満足。

「わたし、ニューヨークはもうバッチリだから、明日は期待してね!

もうニューヨーク大好きになっちゃった!住みたい!
やっぱりデトロイトとはちがうよ。明日はベーグル食べようね!」

とMが言う。
ベーグルかぁ。うれしいな。食べ物であれば私は何でもうれしいみたいだ。
....さぁ、寝よう、その前に、とトイレに入ったら、水が流れない、なんで!?

「トイレが流れないってなんて言うんだぁ」
「“Doesn't flush.(ダズント フラッシュ)”というらしい」

フロントに電話してしばらくすると係員が来た。そして何かやると流れるようになった。よかった。それにしてもちょっとついてない感じ。

ニューヨークの治安の実際がわからないので、あまり安いところは危険かもしれない、と、このビジネスホテルを選んだのだ。Mが‘AAA(トリプルエー)’という車関係の会の会員なので、料金割引があり、一部屋一晩約100ドル。アメリカは一人当たりではなく一部屋当たりの料金なので私たちの場合は一日50ドルずつ、ということになる。それぐらいの部屋なのに、トイレが流れないとは。ま、眠い。とにかく寝よう。また明日。<続く>

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