通し番号「2」

「成田空港にて」


「はい、少々お待ちください」

と言われて、何分待っただろうか。
こんなに待っていたら外貨を買う時間もなくなってしまう。ちょっと言ってみよう。
「すみません。私航空券は持っているのですが、ここで他に何をするのでしょう。」
「え、、、そうだったのですか。では航空券とパスポートをこちらへ」
・・・?
遅れた私が一番悪いのだが、旅行代理店は何の連絡も入れていなかったのでは・・・、と疑う。まもなくBOARDING PASSというものが渡された。
「行ってらっしゃいませ」

それから急ぎ空港施設使用料を支払い、イタリアリラ・アメリカドルを買い、まだ予定額より余った日本円があったので、それを$10.- に替え、待合室に向かった。

出国カードは家で書いておいたので、出国審査はするりと抜けた。手荷物検査では、私の荷物は小さいので機内持込み出来るとのこと、それならばと機内携帯にし、重いと思いながら歩む。免税店がいっぱいだ。。。ちょっと見たいなぁ。でも、飛行機が飛んでしまう。せめて友達に電話しよう。そんな時間はないのに電話をする。
「もしもし。」
友達の恋人が電話に出てくれた(平日だもの、友達はお仕事だよな)。
「もしもし。いま成田空港にいます。これから飛行機に乗るのです。

Mにも会ってきます。彼女によろしく伝えてください。」
何となく、誰かと話したかったのだ。ほっとした。

ユナイテッドエアラインの飛行機の入り口についた。受付の人は日本人、よかった。(このボーディング・パスって何、これで飛行機に乗れるのだっけ?)私は受付に並んだ。先客が2人おり、何か話している。そのうち私の後ろに一人並んだ。そして
「あなたは何故ならんでいるのですか」
「このボーディング・パスで飛行機に乗れるのか知りたいのです。」
「だいじょうぶと思いますよ」
「そうですか、ご親切にありがとうございます。」
「何故まだ並んでいるのです」
「私、いま初めて一人で飛行機に乗ろうとしてるのです、

それからすぐアメリカでも一人で飛行機に乗るのです。
不安なので、いま日本の受け付けの方に確認したいのです。」

しばらくすると、順番が来て、私は質問した。その答えは
「はい。乗れますよ。これからも、このボーディング・パスをもらってください。

このひらひらした航空券は航空券であって搭乗券ではありません。
搭乗券をもらい、それにスタンプを押してもらって
はじめて飛行機に乗れるのです」
聞いてよかった。
その後はとにかくBOARDING PASS(ボーディング・パス/搭乗券)をもらい、
搭乗口の受け付けの人に“よい?”と聞くと、そのまま乗ることが出来た。
飛行機に乗った。もう皆座っている。満席だ。<続く>

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