永久機関



永久機関、あなたはご存知だろうか。
知っている人も多いだろう。
一度動き出すと永久に止まらないアレだ。
半永久的ではない。
永久なのだ。
原子力により半永久的に動く潜水艦などがあるが、そんな物の比ではないのだ。



しかし、現実にはまだ永久機関と言うものは発明されていない。
やはり地球上では無理なのだろう。
地球の重力のベクトルが常に円周のように始点へ帰るような力ならあっさりと出来たのだが。
重力は中心へ向かってあたかも漫画の集中線のように働く力なので難しい。
かと言って宇宙で可能か、と言うとそうでもない。
宇宙でも空間中を物質が移動すると空間との摩擦が発生してしまう。
そこで進行方向とは反対の力が発生する。
そうすることによりいつかは必ず止まってしまう。



さらに問題が一つある。
如何に反対の力を消し去ってしまっても、それを確認する為に光を使ってしまうとアウトである。
光にも力はあるのだ。
ごく微量だが。
観測に光を使ってしまったが為のジレンマである。
そう言えば暗い状態というのは可視光線が当たっていないから暗いのか、黒い可視光線があるのか、ちょっと疑問だ。
多分前者なのだろうと思うが。



何か違う気がする。
そもそも運動エネルギーが与えられない状態で永久機関は恐らく不可能である。
いや、実際は知らんが。
では、どうすればいいのか。
ここで私は画期的な解決方法を思いついた。
例えばボールがあるとしよう。
ボールが落ちつづければどうなるか。
永久に落ちつづけることが出来るとなると、つまり、永久機関の完成である。
一つ問題があるとすれば、それは重力の発生源の消滅である。
つまり、地球が無くなったら重力が無くなり、地球上で落ちつづけることは不可能になってしまう。
永久ではなく地球の寿命に左右されることになる。
しかしその程度の事は容赦していただきたい。
半永久機関の原子力よりは処理が簡単なのだから。



では、永久に落ちつづけるにはどうすれば良いのだろうか。
それを実現するために、とある人格を持ったロボットに登場願いたい。
猫型耳無しのかの有名なあのドラえもんである。
彼の道具を使えばあっさりと解決できる。
どこでもドアを使うのだ。
まず、どこでもドアを床に寝かせておく。
そしてその出口をどこでもドアの上空、まあ1メートル程にでもしておけば良いだろうか。
その後、水平方向の力がまったくかからないようにしてボールをどこでもドアに落とせばボールは落ちつづける。
これで永久機関の完成だ。



なお、これの応用活用法として、ゴミ問題や部屋のクローゼットが狭く物が入りきらない、と言う事も解決できる。
何の事はない。
保管場所に困ったものは全部上記のボールと同じようにどこでもドアに放り投げておけばいいのだ。
なお、放り込んだ物が必要になったときには多少注意が必要だ。
なぜならばその物質は投げ込んだ瞬間から落ちつづけているのであって、重力により加速され、とんでもないエネルギーを蓄えているからだ。
その物質の質量によっては取ろうとした直後体ごと引きこまれ一緒に落ち続ける運命にあるやもしれない。
要注意である。



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