電車がまいります



この文句、見たことが無い人はそうそういないだろう。
が、しかし5年前まで電車が走ってない場所に住んでたので少なくとも5年前の私は見たことが無かった。
電車など、年に一回乗るか乗らないか、そういう土地だったのだ。
見事に私の地元だけ避けてJRが通っているのでそんなことになっているのだ。
やはり私の地元を避ける理由は天候を心配してのことだろうか。
確かにわが地元は台風などに直撃を食らうとえらいことになる。
以前、高校生の頃、台風の翌日クラスメイトが学校を休んだ。
「どうしたのだろう、まさか、台風の風に乗って空を泳いでいるのではなかろうな。」
「いやいや、あいつに限ってそんな事はない、なぜなら、重いからだ。」
「では、何が起きたのだ。
   ねずみにでもかじられたか?」
「ありうる、奴は栄養豊富そうだからな。」
などと勝手なことを言っていたのだが、数時間後こんな連絡が入った。
「台風の風で家の屋根が吹き飛んで学校に出られない。」
どういうことだろうか。
彼は屋根に乗って空を飛んで学校に来てたのだろうか。
そんな事になると世にも恐ろしいニュースが流れる。
「最近出没する未確認飛行物体は、とある田舎の屋根でしたっ!」
全然未確認じゃない感じだが、まあよしとしよう。



話がそれた。
私の地元はそれほど台風が来る場所に住んでおり、台風銀座と呼ばれた事もあると記憶している。
台風が多いと台風銀座になる、ということは、牛が多い土地では牛銀座か。
北海道出身の九州男児が多い土地では道産子九州男児銀座か。
北海道なのか九州なのか銀座なのかはっきりして欲しいところだ。
しかし、いまさら銀座は無いだろうと思うのだがいかがだろうか。
いや、これは新宿のほうが銀座に勝っているとか、そういうわけではないが。
つまり、今は銀座より新宿のほうが人が多いと思うのだが。
台風新宿。
まあ、語呂は悪い。



話がまたそれた。
とりあえず、それほどまでに台風が凄まじい我が地元ではある。
私の地元の近く、とは言っても百数キロ離れてはいるところだが、予讃線と言う路線がある。
2001年9月の頭の頃に大雨が降り、一時間半ほど電車が止まったようだ。
その時に影響の出た人数はなんとっ!
80人。
少ない。
まあ、一両編成の電車が堂々と走っているようなところですから。
それだけ使う人が少ないとそりゃJRにも避けられるだろう、って事か。



またまた話がそれた。
そんな訳で、台風に関しては一目置く私ではあるが、東京へ来て思ったことがある。
東京は台風が直撃しても大した事が無い、だ。
東京で強烈な風、と言うとまあ、「びゅぅぅぅ〜、ぶぼぅぅぅぅ〜」といった音を出す。
しかし、私の地元では違う。
「ピーーーーー」
あたかも笛がなっているような音をだす。
初めてこの音を聴いたときは、嵐のなか、我が家の外にそんな笛をかき鳴らす剛の者がいるのかと思った。
何の事はない、ただの台風の風だ。
ただの台風の風だが、「ピーーーーー」なのだ。
別に放送禁止用語がTVで出たわけで無く、いや、その時には「ピーーーーー」となる風でアンテナがへし折られTVはすでに見れなくなっていたのだが。
ともかく風が「ピーーーーー」となるのを聴いた事があるのは我が地元のみ、となっている。



そんな訳で台風なんだが、台風の目、という言葉がある。
いや、実際に台風の中心部の事ではなくて、何と言うか、掻き回す存在というか、そんなニュアンスの言葉だ。
台風の目のように掻き回すと言うか、そういうイメージで作られた言葉なのだろう。
しかしっ!
しかしだっ!
冷静に考えてみてくれ。
それって、大人しいじゃん。
台風の目ってほら、雲がないからさ、雨もないし風も結構弱くなってるし。
ね、ね、おかしいと思うんだけど・・・駄目かなぁ・・・(上目遣い)



性格がそれた。
結局何が言いたいかと言うとだ。
「電車がまいります」
まいっちゃうのだ。
俺もいろいろまいっちゃってる事はある。
モテなくてまいっちゃったり金がなくてまいっちゃったり駄目な人生を送っててまいっちゃったり。
しかし電車は違うのだ。
無機物にもかかわらずまいっちゃってるのだっ!
新たなる発見。
新たなる夢へのかけはし。
新たなる新世界への進出。
しかし新たなる新世界って馬から落馬するとかと同レベルだな。



話はそれなかった、残念。
それにしても、台風の目には何か装着できないか、といつも見ていて思う。
いや、実際にはつけられないが、しかしニュースなどの天気図を見ているといつもいつもあの台風の目だけ雲が無くないがしろにされているのではないかと心配になったりならなかったりする。
果たして、どのようなものが似合うのか少し考えてみる。
まず、バラを台風の目にさしてみると少し優雅なものになるやもしれん。
あの忌々しい台風が優雅な台風になるのだ。
これはかなり大発見ではないのか。
だいはっけんと入力し変換すると第八件になった。
これも第八件だ。
違う、大発見だ。
話を戻そう。
次に台風の目に何を刺すか。
指を指してみると、まるでCDを運んでいるかのように台風を運べるかも知れぬ。
これはパワフルだ。
考えても見て欲しい。
CDを運んでいるかのように台風を運ぶのだ。
ちょっとどうなっているのやら。
トップローディングのCDプレイヤーに入れてしまうとまさか飛んできやしまいだろうな、と余計な心配すらさせてくれる。
今度は、祭りの夜店で売っている息を吹き入れるとぴゅーと鳴って三方向に広がる例のあれだ。
これは凄いぞ。
あの恐ろしい台風がそれはもうバカで駄目なものに見えてしまう。
何せ自分の風で例のあれがぴゅー、ぷひゅるー、ぴゅー、ぷひゅるーと言いながら三方向に広がってしまうのだ。
これさえできれば我が家での台風の「ピーーーーーー」という音が「ぴゅー、ぷひゅるー」と恐ろしくない音になるのだが。
次にバッタをさしてみよう。
それではまるでただの小学生のいたずらだ。



さて、これでまとめるわけだが。
どうまとめればいいのだろうか。
とりあえず、電車はまいってしまっているのだが、オチが思いつかなくて私もまいった。



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