看板:世への宣言



街を徘徊しているときに気になる看板を見つけた。
うむ、足が自転車ももちろん気になる。
その気持ちもよく分かる。
俺が気になるからWebサイトに載せているのだから。
なぜあんな奇妙な絵を日本の警察機関が使用するのか。
あれを見て摩訶不思議に思わない人がいたら俺はその人が摩訶不思議である。
だが最近あの絵に仮説が一つ浮かんできた。

ハンドルの部分と人科の生物をモチーフとした前衛的なオブジェとのすり替えを行っている。

どうだろうか?
あながち間違っているとは思えないのだが。

まあ、今問題なのは足が自転車ではない。
街を徘徊していて見つけた
「Lメス」
「イオン風呂ホテルロマンホテル堀内」
と言う二つの看板である。
よく分からない。
看板とは人に何かを伝えようとしているものであるはず。
と、いうわけでこの二つの看板の意味を考えてみようと思う。


まずは「Lメス」について考察してみよう。
まず、特徴は
1.これによって特に宣伝をしている様子ではない。
白地に黒でただ「Lメス」とだけ書かれているのだ。
2.Lの部分が妙なフォントになっていた。
ということは当然実際は何と書いていたかはよく分からない。
つまり正確に言うと「Lに似たようなものメス」になるか。
もしかしたらこの“L”は“く”だったのかもしれない。

これだけである。
たったこれだけの情報で何を意図して書いているのかを見抜かなければならない。
これは新しい試練だ。

まず、“L”の部分がもしかしたら“く”かもしれないので
「Lメス」はひょっとしたら「くメス」になる。
いきなりよく分からない。
“くメス”とはどういう意味だろう。
メスと言えば、思い付くのは「雌」または「メス(医者が使う奴あれ)」であろう。
「召す」等もあるが、看板に「く召す」と書くとは考えにくい。
誰がすき好んで看板に「“く”を召してやったぜ!!」と宣言するか。
それほど“く”という文字が好きなのか。
“く”という文字自体にそれほど魅力があるとは思えないが。
これを宣言した人はきっと“く”漬けの生活を送っていることだろう。
“く”という文字の書いてある枕と布団で寝起きをしていることだろうし、
“く”という文字の形をしたぬいぐるみを作り一緒に寝ていることだろう。
もしこれが“く”ではなく“L”だったとすると事態はさらに深刻だ。
もしイギリス、アメリカと戦争になったら、英語禁止になる可能性がないとも言えない。
その時これを作った人物はどうするのだろう。
嗜好すらも制限されることになる。
ただ“L”が好きというだけで迫害等をされる可能性がないとも言えない。
心中お察しする。
勘違いしてほしくないのは好きなものを制限される事については察するが、
“L”が好きということに関しては察することが出来ない。
いや、ある特定の文字が好きというのはわからないでもない。
わからないのは看板にするほどの熱のあげようである。
「“L”に首ったけ」である。
そんな事にわざわざ看板屋に赴き、無駄金を落としていく奴の気が知れない。
ということから「L(または“く”)召す」は間違っていると思われる。
では次の案、「Lメス」の方を考えてみよう。
もちろんこのメスとは医者の使うあれだ。
と、言うことはこの人物は医者に何か関係のある可能性が低くない。
医者と言えば金持ちらしい。
ぜひ奢ってもらいたいものだ。
だが聞いた話によると歯科医はもうからないらしい。
もしそれが本当ならそれでも歯科医になりたい奴の気が知れない。
ぬ、話がそれて得をした。 歯科医はメスを使わない、多分。
と言うことは看板を作った人物は歯科医ではない。
それではこの「くメス」の形状を考えてみよう。
どう考えても“く”の字に曲ったメスである。
それは「Lメス」でも同じだ。
つまりメス案は“く”なのか“L”なのか悩まなくてよい。
楽だ、これ採用。
と言うわけにもいかない。
しかし今までテレビ等で見てきた中に折れ曲がったメスなど見たことがない。
実は存在してないのでは?
しかしそれは俺には確かめようがない。
したがって却下。

では「く雌」または「L雌」か…?
どのような雌なのだ…?
「く雌」
言葉の響きからは全く想像が出来ない。
かといって文字を見ても想像が出来ないからさらに困り者だ。
この単語に当てはまる女性または雌がいたらぜひ乗り出てもらいたいものだ。
では「く雌」ではなく「L雌」として考えてみよう。
“エルメス”…?
この単語は聞いたことがある御仁も多いやもしれん。
そう、あのアニメに出てきたあのMAだ。
またはあのブランドだ。
あのアニメのそれとすると、なぜその絵を描かないのだろうか?
いくら著作権の問題があるだろうと言っても、
似て非なる物を描けばよいだろうに。
まあ、それを描いたとしてほとんどの通行人は何なのかすらわからないと思われるが。
良い具合に無駄ということか。
ではブランドの場合はどうか?
普通はロゴを描くだろう。
いきなり却下である。
…もしや「得る雌」ではあるまいか!!!
なるほどこれはうまい隠し方を考えたものだ。
「雌を得た」と宣言しながらも理解するまでに時間のかかる表記の仕方。
すごいことだ。
隠しているかどうかは知らないが。
が、そうなるとするとなぜ宣言しなければならないか?
今度はそこに焦点を当ててみよう。
まず、考えうることとしては
1.それを宣言しなければ危害を加えられる
2.それを宣言すれば得をする
3.本能
4.その他

この場合間違いなくその他であろう。
このような看板おそらく思い立ったが吉日とばかりに作ったのであろう。
なぜなら冷静になったら馬鹿らしさに気づき、作るのをやめるだろうからだ。
冷静になっているにも関わらずこのような物を作るのなら
よほどの剛の者だ。
そうでないことを祈ろう。
ではつまり冷静になっていない人のやったことを考えようとしていたわけだ。
意味がない。
謎は謎のまま置いておくのもよいのでは。
いや、ただネタが思い付かなくなっただけだが。



さて、もう一つの「イオン風呂 ホテルロマン ホテル堀内」だが。
ホテルロマンかホテル堀内かどっちかにはっきりしろ。
大体のホテルは名前を見ればそれがどのようなホテルなのか理解できるのだが
このホテルは一体どのようなホテルか理解できない。
名前から想像できないのではない。
二種類浮かぶのだ、用途が。
ビジネスホテルとラブホテル。
どちらにも共通しているのはホテルというところだけ。
同じホテルでも対極に位置する存在の合併と言ったところか。
便利だ。
考えてもみてくれ。
ビジネスマンが明日の仕事のためにEメールを書いているときに隣ではカップルが事をいたすのだ。
不思議な状況ではないか?
深くは追求しないが。

いや、問題はビジネスマンとカップルの共存などではない。
それ以前に二種類の用途があると言うのはかなり違っている気がする。
では、これは一体何だろう?
この看板が意味するところは?

まさか二つのホテルが一枚の看板を出すことはなかろう。
仮にもライバルなのだから。
入り口が二つ、中身は一つなら納得がいくが。
では何なのか。
俺の地元に
「ホテル神戸」「ホテルひろおか」
と言うホテルがある。
これから察するに
「イオン風呂  ホテルロマン  ホテル堀内」 は“風呂  ホテルロマン  ホテル堀内”と言う名前のイオンではないか?
冗談はさて置き、その場から数分歩いたところで実はこのような看板があった。
「イオン風呂 ホテルロマン堀内」
さて、これで解決した。
恐らくイオン風呂を自慢とした「ロマン堀内」と言う名前のホテルだ。
…納得が行かない。
これまでに俺が見た事のあるホテルの中でもかなりハイレベルの胡散臭さだ。
なぜ胡散臭いかというと
あなたはもし「ロマン堀内」と言う人間からEメールが届いたらどうするだろうか?
胡散臭さのあまり即座に削除するだろう。
もちろん見てからと言う人もいるだろう。
だが、削除されるのは恐らく時間の問題だ。
あまりの胡散臭さのために。

ただこれは普通の人に限っての話である。
特殊な人は消さないであろう。
ちなみに俺は普通だがこんなメールが届いた日には
「A Thinker」か「ある時俺は…」のネタになることは容易に想像できるだろう。
だがそういう時は内容が伴っていてほしいものだ。
送信者の名前だけで一文章書けるほどの文才は持ち得てない。

いや、俺の文才の話はどうでもよい。
このようにして「ロマン堀内」が胡散臭いことが証明できた。
「ロマン堀内」という名の芸能人がいたとしよう。
この芸名だけでかなりのギャグである。
このような名前のホテルである。
どこから胡散臭い人物が出てきて胡散臭いホテルの由来を語り出すかもわからない。
このような目にあいたくなかったらこのホテルはキャンセルすべき。



看板一つでここまで考えられる時代。
恐ろしい時代になったものだ。



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