(139)オシャレ


              

「驚いたわ、さすがフランスね」妻の幸子が感心して買い物から、戻って来た。「何が?
   」「肉屋の奥さん、手にはマニキュア口紅もきれいにして、パーンパーン包丁で鳥の骨を
   叩き切ってるの」「フーン」「日本だと、肉屋の仕事で何もそこまでお化粧しなくてもっ
て感じ」「そう言えば、隣村のガソリンスタンドの奥さんもきれいにお化粧してガソリン
を入れてくれたっけ」「仕事は制服を着てするもんだと思ってたけど、固定観念にとらわ
れ過ぎてたわ」「個人商店だから出来るってのもあるんじゃないの」「確かに」フランス
人のオャシレ好きは日常茶飯に見かける。孫のお守りでバギーを押している着飾った老婦
人、犬と散歩中のオシャレな夫婦・・、室内で靴を脱ぐ習慣がないので、普段着の感覚が
日本よ り少ないのではと、考えたりする。機能的、便利と考え出すとオシャレは、消えて
行くが、自分、周りの人、充実した人生のためと考えていくと、大いに見習うべきことだ
と反 省した。
 

目次に戻る

(140)ロシアンルーレット