(136)元気者


              

シアス夫妻との付き合いも長い。私が、1974年始めてプロヴァンスに来た時、彼等は
  村の郵便局で共働きしていた。切手を買いに行くたびに一言二言、言葉を交した。それか
  ら 2000年の現在まで、ある一定の距離を置いた付き合いをしている。 リタイアした
  後も彼等は村にいるので殆ど毎日顔を合わせる。子供三人の内、二人は陶芸をやっている
  。長男のジルは、うどんの麺状に延ばした粘土を網込んで器を作る。なかなか個性的な高
  級感のある作品を作る。長女のカティーは、ミニチュアの器、二人とも店を持ち、その店
  番ををシアス夫妻がやっている。昔からスキンヘッドのムッシュと料理のうまいマダムは
  、家の前にあるフォンテーヌの見張り番でもある。そこで野菜を洗い洗濯をし、観光客が
  犬の水浴びなどさせていると「ヤメロ、これは飲み水だから」と注意する。毎朝の庭いじ
  りも彼等の日課だ。村に二人の声が聞こえない日はない程の、元気なプロヴァンスの住人
  だ。
 

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(137)戦没者慰霊塔