(126)社長さん、気前いいね


              

「社長さん気前いいね」「ウムッ、社長、誰のこと?」チケットの予約が出来ずフランス
  からの帰途、ソウルで一週間滞在する事になった。ガイドを雇って市内観光に出かけた時
  ガイドのキム君が突然そう言い出した。多分これまでガイドをした日本人が、「社長さん
  」の呼 び掛けにいい反応を示したので、又使って来たのだろう。好きな言葉ではないので
  一瞬ムカッと来たが我慢して付き合うことにした。・・これが安重根の石碑です。「彼は
  伊藤博文を暗殺しました。韓国の英雄です」一瞬ドキッとした。立場が違うと暗殺者も英
  雄 か。教科書では、習わなかった歴史がここにもあった。韓国に入国する前、以前日本の
植 民地だったことに対しての対日感情が気になっていた。「表面的には、穏やかでも心底
では恨みを持っている。これが、当り前か」そう思い直した。「もっと韓国のことが知り
たい」好奇心に駆られて、しばらくソウルの市内見物を続けることにした。

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(127)オリンピックスタジアム