(125)日本から、日本への手紙


              

プロヴァンスに一人で滞在していて一番困ったのが、夜の時間の使い方だ。特に冬などは
  、時間も長く退屈していた。日本語の本・新聞もパリの様に簡単に手に入らず、そうかと
  言って、フランス語も辞書片手じゃ、なかなか思うように文章を追えずうんざり気味。テ
  レビ・ラジオもなく、とにかく思索する時間だけはいっぱいあった。そこで思い付いたの
  が、日本の友人への手紙。しかしこれも忙しい日本とゆったりプロヴァンスでは、時間の
  流れが違い過ぎて、往復書簡までには至らない。唯一卒業大学の同窓会誌に投稿する「M
  さんへの手紙」だけが現在まで続いている。これは、Mさん(不特定多数の相手)への語り
  かけで、プロヴァンスの出来事をいろいろ書いている。ここで感じたことは、外国の生活
  を通して自分が何に興味を持ったのか、何を求めようとしているのか、自分探しの根底が
  プロヴァンスの自然にあることだ。これは、もっともっと本気で追及していい、これから
  も続く課題た。
 

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(126)社長さん、気前いいね