プロヴァンスに一人で滞在していて一番困ったのが、夜の時間の使い方だ。特に冬などは
、時間も長く退屈していた。日本語の本・新聞もパリの様に簡単に手に入らず、そうかと
言って、フランス語も辞書片手じゃ、なかなか思うように文章を追えずうんざり気味。テ
レビ・ラジオもなく、とにかく思索する時間だけはいっぱいあった。そこで思い付いたの
が、日本の友人への手紙。しかしこれも忙しい日本とゆったりプロヴァンスでは、時間の
流れが違い過ぎて、往復書簡までには至らない。唯一卒業大学の同窓会誌に投稿する「M
さんへの手紙」だけが現在まで続いている。これは、Mさん(不特定多数の相手)への語り
かけで、プロヴァンスの出来事をいろいろ書いている。ここで感じたことは、外国の生活
を通して自分が何に興味を持ったのか、何を求めようとしているのか、自分探しの根底が
プロヴァンスの自然にあることだ。これは、もっともっと本気で追及していい、これから
も続く課題た。