「兄さん、倉庫からキャンヴァスロールを持って来て」「あいよ」恰幅のいい兄妹が経営
するアヴィニオンの画材店で買い物。26年前と街の様相は、ほとんど変わらない。3年
前にバスセンターが駅の南に新築された位だ。「用事を済ませる間、荷物を預かってほし
いんだけど」「よござんす」「来週からセグレで作品展をやります。このポスターを人目
につく場所によろしく」・・13世紀ローマ法皇ちょっ居があったパレイ・ド・パップも
、現在は特に夏場、音楽やアートのイベントが行われる。この数年ではロダン、ピカソの
展覧会がよかった。ロダン展で感心したのは、作品は勿論、ショーアップされた空間の驚
きだ。「歩く人」が下方から、ライトアップされ壁一面にその形が映し出される。平面で
見る、立体の形と違った新鮮さがあった。フランスならではの自由な発想にうれしくなり
、私自身の在り方も、このライトアップの発想と同じく自由であろう、心に誓った。