「君の家の黒い天井は、斬新でおもしろかったよ」12年振りにルドウィック・ガンツヴ
ィーターとセグレ村で再会。奥さんベアーテ、マーカス、ルシアも一緒だ。ベアーテとは
、私がドイツ滞在中、ゲオス・M・Hで何度か顔を合わせたが、子供のマーカス、ルシア
とは初対面。私の方も当時に比べると、妻と娘が増えている。時は流れた。「どうだい皆
で裏山に登ってみないかい」ルドウィックが言う。50m程の切り立った崖の上に、昔見
張り台で使った城の廃虚がある。お互いに第3の土地で、山登りは皆で楽しめるいい提案
だ。2才になる娘も、一人前にリックを背負ってじゃり道をがんばった。「これがプロヴ
ァンスさ」眼下に開ける平野、その向こうには、アルプスも見える。昔はここから20キ
ロ離れたオランジュまでのろしを送って敵来襲を伝えた・・。「トシオは、よくプロヴァ
ンスに来るね」「そうさ、この空気が僕にエネルギーをくれるからね」皆深呼吸。