(53)家族5人のプロヴァンス 2 「ママ怖かったよ」


突然、空一面に轟き渡る落雷。降り落ちるドシャ降りの雨。わが家から50m先のエディ
ーの家で夕食中。下の子供二人は家のベッドに残す。幸子と顔を見合わせる。「どうかし
ら」「大丈夫寝てるよ」プロヴァンスの天候は、容赦ない。普段、音響のいい建物もこの
時ばかりは、恐怖の館に変わる。「ちょっと様子を見てくるよ」フランスにいると家族の
絆を普通以上に強く感じる。次男丈児が珍しく兄のベットに潜り込んで泣いている。普段
は、兄の知能の遅れをバカにしている弟もこの時ばかりは、神妙。健児も弟の不幸を見過
ごす訳にはいかない。自分の恐怖は忘れて見せる正義感。「ゴメン、ゴメン」わが家もフ
ランス流?に子供を残して、外出をしたわいいが突然の嵐。急いで戻って見るとこの始末
。「ママ怖かったよ」健児が見せる抗議の姿。やはり我々にフランス人のまねはできない
。日本人で行かなくっちゃ。親の反省。

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(54)家族5人のプロヴァンス 3