(35)ジョン、アニエスの農場


マルセンに住むジョン宅に着くと、庭先ですでに20人程の先客が賑わっていた。「ボンジュ
ール、トゥールモンド」皆一斉にこちらを見る。顔見知りは、2、3人。後は知らない。「サ
ングリアは、どう」「ありがとう、いただくわ」幸子は、好奇心大盛でジョン宅手製のワイン
に果物をつけ込んだアプリティフを口にする。「サヴァ元気」「サリュー元気」挨拶が続く。
ジョンは、農場でアニエスとブドウの栽培をしている。ルシアンの紹介で先日知り合ったばか
りだ。すぐに食事に招待。これの繰り返しで打ち解け合う。庭の中央に作られた簡易のテーブ
ルについて昼食が始まる。レストランの食事と違って何が出てくるかわからない。皆もわが家
に来た時には、同じ心境だろう。ジョン宅は、サラダから始まる。これも各家庭で始めか終わ
りかまちまち。「今日はパエリャよ」スペインの炊き込みご飯料、各家庭で味が違っていてい
つもおいしい。「ボン・ナプティーいいお食事を」延々と数時間、料理・会話・歌は、続く。

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(36) マイク、シンディー