(28)遠足・オランジュ 1


もうセグレの村に来て6ケ月になる。「明日は、オランジュに遠足に行こうか」「いいわよ。
でもどうやって」幸子は、交通の手段を聞いている。車はないし、歩くには、20キロはち
ょっと遠すぎる。バスは、朝6時半で早すぎる。娘里奈2才半を連れては無理は出来ない。
寒空風邪でもひかれたら後の対応が大変。「隣村まで自転車で行ってそこからバスはどお」
とにかく日本では、考えられない不便さ。「明日いい天気になるといいな」最後は神頼み。
翌日、一応のプランを立ていざ出発。「おかしいな」12時半になってもバスが来ない。対
応対応。頭を働かせて自分で対応する習慣が付いて来た。「ヒッチハイク!」さっそくスケ
ッチ用の紙にORANGEとクレパスで太く書く。「これでOK!」道路そばに立って、車
を待つ。1台2台無情に過ぎ去る。「そこでなにをやってんだ。しょうがないな」車が止ま
る。偶然友人兼世話役のアンドレが降りて来る。「見ての通り」かぶりを振るアンドレ。い
ざオランジュに出発!

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(29)遠足・オランジュ 2