(2)3 色のじゅうたん


  「間もなくパリ上空です」機体は、順次高度を下げる。雲間を突き抜けるとそこには、緑
  ・黄・茶の穀倉地帯が開けた。丘陵地帯に縦横無人に3 色のじゅうたんが広がる。「これ
  が、フランスか」初めて見るフランスの感動的な幕開けだ。オレンジ色の屋根の家が集ま
  る。道路には、車も見える。異文化だ。空港で南仏行の汽車が出るラ・ガー・ドゥ・リヨ
  ン駅の近くのホテルを紹介してもらう。タクシーに乗ると初めてのフランス語。「ウ・エ
  スク・ヴ・ザレどこまで」「ホテル・アドリアティック」「ウィ」新鮮・未知・期待、外
  国人との接触が始まる。ホテルは、駅の真正面で5 階建て。最上階バス付の部屋、窓を開
  けるとパリで吸う初めての新鮮な空気が流れ込んで来た。ドラマの主人公だ。黄色い電球
  の周りを漂う空気は、パリの歴史を語る。「いったいどんな人達が暮らしているのだろう」
  「なにを考えて生活しているんだろう」自分捜し、フランス捜しの旅が始まる。

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(3)アヴィニョン・プロヴァンス