(19)幸子とプロヴァンス 1


3度目の滞在は、幸子と一緒だった。「すごい。アジ塩の色ね」プロヴァンスの空を見て
の第一声。前年日本で結婚式を挙げフロニエ家には、写真を送っていた。オラシジュの駅
にクリスチアーヌが車で迎えに来た。「家内の幸子です」「ボンジュー・サチコ」しっか
りと抱きしめて、今庭で摘んで来た色とりどりの花をプレゼント。「わーすごい」皆それ
ぞれの思いで感激した。それから一年幸子とクリスチアーヌとは師弟関係が続いた。フラ
ンス語、料理、買い物いろいろと教えてくれた。「風もすごいわね」村から500E程離
れた、丘の上に住んだ。大家さんは、郵便配達のジェガ、奥さんで看護婦のモニック一
人娘のキャンディースで、上の階に住んでいた。自分で作った家でちょうど2階ができ上
がったところたっだ。40帖程の玄関兼応接間、台所、寝室、サニタリー、トイレは、隣
のガレージの中。このガレージがクリスマスには、林檎の香りのパラダイスに変わった。

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(20)ルシアンとの夕食