(10)自炊生活


私は、それまで料理はあまり得意な方じゃなかった。というより経験が少なかった。だが
セグレの村に滞在してからは、何でも自分でと言う生活が始まる。「料理も大変だ」いつ
も一人言グチ。これでは、心掛けが悪い。エネルギーがでない。準備、食事、後片付け。
「誰が料理を作るか決まってないのよ」「ジョン・ルイも料理は、好きだわ」チリから来
たピラは言う。事実彼もエプロンを掛けておいしい料理を作る。こうでなくっちゃ。楽し
まなくっちゃ。「準備後片付けも皆で協力するわ」これまで間先入観を捨てる必要がある。
とは言っても習慣を変えるには、時間がいる。普段はあまり手をかけないもので済ませる。
それにワイン。農協のテーブルワインは、安くてうまい。それにフランスパン、チーズ、
サラダ、ハム、ヨーグルト、そして果物。どれも新鮮。夜もあまり火を使わない。ステ
ーキ、オムレツ、スパゲティーのどれか。「トシオ、プアー寂しい」友人のマイクが嘆く。

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(11)招待・夕食