MLDってどんな病気?

 MLDはDNAの異常による先天性代謝異常症の一つです。細胞中のリソソームに存在する酵素であるアリルスルファターゼA(ASA)の欠損により、脳白質内などにスルファチドという物質が蓄積され、これが神経細胞を包んでいる髄鞘を構成するミエリンという物質を破壊し、脳障害を引き起こします。簡単に言うと、普通の人なら体内で分解して排出できる物質がたまることで、脳や神経が破壊されるということです。従って、症状の面からは、変成性の脳白質障害を起こす疾患の総称である白質変性症(白質ジストロフィー・白質萎縮症)の一つであり、病気の原因の面からは、リソソームに含まれる酵素の遺伝的欠損によって引き起こされる疾患の総称であるリソソーム病の一つ、ということになります。

 MLDは先天性代謝異常症であるため、政府指定の小児慢性特定疾患に含まれます。

 MLDは常染色体性劣性遺伝であり、両親の両方が保因者である場合、25%の確率で発症します。発症年齢は(1)乳幼児型[1〜2歳](2)若年型[4〜16歳](3)成人型[16歳以上]の3タイプに分かれています。発症率は米国の資料では10万分の1、日本の資料では最も発症例の多い幼児型の場合4万分の1とされています[衛藤]。

 MLD(Metachromatic Leukodystoropy)は日本語で異染性白質ジストロフィーと呼ばれることもあり、これは、脳白質の変成疾患(=ジストロフィー)のうち、異染性のもの、という英語の呼称をそのまま訳したものです。ただ、一般的な呼称として定着しているわけではなく、医者によって違うようです。このホームページでは米国で一般的な略称であるMLDを使います。

→MLDの研究史

→脳の構造

→神経細胞の仕組みと再生[制作中]

→MLDの遺伝学的解説

→MLDに似た病気

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