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今回のコースは、無雪期ならエスケープ的なコースで、それほど注目される
こともありませんが、積雪期には一躍メジャーなコースに変身します。頑張っ
て体力勝負のツボ足で挑戦するのも一興ですが、どうせならツアースキー（山
スキー、テレマーク、クロスカントリースキー）やスノーシューを利用して
雪上散策を楽しみたい場所です。途中に赤旗が立っているので、視界が悪い
ときはこれを目印にすると良いでしょう。例によって、上記の所要時間はあ
くまでも条件が良いときのもので、雪の状態などによって大幅に変化します。
日程に余裕があれば、麦草ヒュッテや青苔荘で一泊したいコースです。
ピラタスロープウェイ山頂駅から坪庭経由で北横岳に登る道と分かれて、八
丁平、雨池峠へと向かう道を進みます。すぐに右手に分かれる五辻への分岐
点に着きます。夏だとこの辺りは一面の笹の原です。縞枯山の西側の山腹を
巻くように樹林帯の中を進みます。少し下り気味になった頃に、樹林帯が開
けて雪原が広がる場所に出ます。ここからは南アルプス、中央アルプス、御
岳、霧が峰などの展望が得られます。さらに緩やかに下っていくと五辻に出
ます。
国道299号線やピラタスロープウェイができるまでは、五辻は文字どおり5つ
の道が出会う辻で、比較的よくたどられたコースでしたが、今では単なる通
過点となっています。それでも、五辻は広く開放感のある地点で、一休みし
たくなるところです。また、ここから眺める縞枯山や茶臼山の縞枯れ現象は
印象的です。大平原のようなコースを下り気味にいくと、出逢ノ辻と呼ばれ
る場所に着きます。営林署が北八ヶ岳自然休養林として、麦草峠を中心にい
ろいろな遊歩道を整備した際につくられたのが出逢ノ辻です。ここから左に
入り、緩やかに1kmほど登ったらオトギリ平を経て、大石峠で北八ヶ岳の縦走
路に出ます。出逢ノ辻からそのまま真っ直ぐに進み、旧麦草峠（狭霧苑地の
立札あり）経由で麦草峠に向かうこともできます。
大石峠から左に登ると、茶臼山と縞枯山を経てピラタスロープウェイ山頂駅
へと続く道になりますが、ここから右手に下り、ロッジ風の山小屋の立つ麦
草峠へと向かいます。日程に余裕があれば、通年営業している麦草ヒュッテ
か、青苔荘に泊まっても良いでしょう。
麦草峠から白駒池入り口までは国道をたどるコースと、樹間の登山道を行く
コースの2種類があります。スキーを使用した場合は、軽快に下っていける前
者を、スノーシューの場合には後者を選ぶと良いでしょう。白駒池入口から
は原生林の中を少し登ります。青苔荘、白駒池、高見石の分岐から約5分で赤
い三角屋根の青苔荘に着きます。
白駒池は周囲にびっしりと針葉樹が生い茂り、原生林の圧倒的な存在感と、
静けさが漂う池です。標高が高いため結氷が早く、かつては、滑走可能にな
るとスケーターが練習にきてたそうです。余裕があれば白駒池からもうひと
登りして、高見石へと足を伸ばしたいものです。さきほどの分岐から、急な
尾根道をたどって一汗かけば高見石小屋です。小屋脇からひょいと登れば高
見石に到着です。ほんの小さな突起にすぎないのですが、ここからの眺めの
良さは特筆モノです。また、さきほどの白駒池が、この場所からみられるた
めにだけ存在しているような、そんな不思議な気持を感じることでしょう。
下山は往路を戻ることになりますが、スキーを利用してのツアーでしたら、
麦草峠から国道299号線を滑り降りるのも楽しいでしょう。メルヘン広場ま
で、高度差320mのダウンヒルを満喫できます。4月下旬まで通行止めなので、
一般車の心配はありませんが、山小屋のスノーモービルや除雪車が通ること
があるので注意が必要です。メルヘン広場からは電話でタクシーを呼ぶこと
ができます。
＜問合せ先＞
ピラタス横岳ロープウェイ 0266-67-2009
http://www.pilatus.jp/
茅野市役所 0266-72-2101
http://www.city.chino.nagano.jp/
諏訪バス 0266-57-3000
麦草ヒュッテ 0266-67-2990
青苔荘 0267-88-2082
高見石小屋 0467-87-0549
茅野タクシー 0266-72-2131
*山の状況は変わっておりますので、表示ルート・内容が異なる場合もございます。
地域の山小屋、観光課などにお問合せの上、自己責任において登山を行なって下さい。 |
