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コチョウランを育てよう
(無菌播種から開花まで)
大阪府立園芸高等学校
フラワーファクトリ科生物工学部
NASA(アメリカ航空宇宙局)では閉ざされた空間の中で植物が与える効果について長 い間研究が進められており、その中でも室内の空気をきれいにする植物をエコプラントと 名付けています。エコプラントにはマイナスイオンを放出するもの、加湿器のような役割を してくれるもの、電磁波を吸収してくれるものなどがあります。そして観葉植物がそのほと んどを占めるエコプラントの中で長期間花を咲かせるコチョウランを見た目が良いだけで なく、キシレンの除去率が高く、特に空気清浄に効果のあるエコプラントとしています。本 校ではこのすばらしいコチョウランを栽培することはもちろん、もっと世間に普及させたい と思い、このホームページを作成しました。これをご覧になった人たちが少しでもコチョウ ランを育てていただければと思っています。 |
コチョウランとはファレノプシスを代表とするラ ン科の植物で.、一般的に売られているもの は開花したものがほとんどです。そのため幼 植物のものは見たことがない人も多いと思い ます。実はコチョウランは種まきから開花まで 4年もかかるのです。本校では種まきからの 栽培を行い、4年かけて開花させています。 ここでは種まきから開花までの4年間の生育 状況を公開いたします。工夫すれば家庭でも 栽培可能ですのでぜひチャレンジしてみてく ださい。また、コチョウランに関する質問等や 情報など(感想などなんでも結構です)どんど んお寄せ下さい。みなさんからのメールをお 待ちしております |
コチョウランの栽培体系(本校での方法) |
1.交配 |
花の中心部のずい柱にある花粉塊をずい柱の裏側につけます。うまくいくと1週間ほどで花は萎れますがさやのようなものができてきます。これを3か月熟成させます。 |
2.播種 3か月後 |
リンゴ果汁の入ったハイポネックス培地にさやからかき出 すように種子を落とします。 |
3.継代培養1回目 3か月後 |
1回目の継代培養を行います。培地はハイポネックスにリ ンゴ果汁、バナナペースト、活性炭を添加したものを用い ます。 |
4.継代培養2回目 9か月後 |
2回目の継代培養を行います。培地は1回目と同じです。 |
5.植え出し(寄せ植え) 9か月後 |
フラスコ内から苗を外に出します。4号平鉢に5〜10本ず つミズゴケで巻いて植えつけます。 |
6.2.5号鉢植えかえ 1年後 |
苗を1本ずつ2.5号鉢へ植えかえます。根も光を必要とす るので半透明の鉢の方が根の発育がよいです。 |
7.4号鉢植えかえ 開花 1年後 |
4号鉢に植えかえます。初春になり温度が上がってくると 開花します。 |
以上が主な栽培体系です。播種から開花まで4年かかります。ぜひ気長にチャレンジし てみてください。ところが園芸高校では1.交配〜4.継代培養の期間を短くし、なんとこの 2年を2か月にしてしまう画期的な方法を発見しました。植物ホルモンを利用し、花茎に 高芽をつくってそれを植え出すものです。以下にその方法を提示してありますので興味 のある方はぜひ、チャレンジしてみてください。 |
コチョウランの高芽形成方法 |
1.花茎の調整 |
花茎を根元から2〜3節目で上下2cmの長さで切ります。 その後、表皮をめくり隠れた葉芽を出します。この状態で アンチホルミンなどで殺菌します。 |
2.培養1回目 |
植物ホルモンとしてベンジルアデニンとナフタレン酢酸を左図の濃度で添加したMS培地に1の花茎を植えつけます。1か月で右図のように発芽します。 |
3.培養2回目 1か月後 |
植物ホルモンとしてベンジルアデニンとナフタレン酢酸を左図の濃度で添加したMS培地に2の花茎を植えつけます。1か月で右図のように発根します。 |
4.植え出し 1か月後 |
2回目の培養から1か月後にはフラスコから出し、2.5号鉢でミズゴケに植えつけます。あとは上記栽培体系の6からと同じです。 |
メールはこちらへ |
a_adachi@engei.osaka-c.ed.jp |
本校ではコチョウランの販売も行っています(インターネット販売ではありません)。市場 出荷も行っていますので一般の方への販売の相談にも応じます。連絡は上記メールで お願いいたします |