ベトナム経由カンボジア行き


 2月11日(月)

 なぜ、カンボジアに行くことになったか?について。
 今回はどこに行こうかといったときに、去年のモロッコ旅行でいろいろ懲りたことをまず最初に思い出した(モロッコは、面白くて、興味深い国です、念のため)。で、今回は、とにかく楽なところ、なによりもまずは近いところというのが大前提という気がした。で、「近いところ」といった瞬間に、カンボジアになったような気がする。つまりは、前々から行きたかったところであったわけだ。遺跡は好きだし、何よりも、あれだけの悲劇があった国である。今現在どうなっているのか?ということは大きな興味だ。
 というわけで、カンボジア行きがあっさり決定。アンコール遺跡とプノンペンの負の遺産、両方を観ることのできる、6日間のツアーを見つけることができた。もちろん、添乗員なしで、現地係員のみ。もう、最初から最後まで添乗員がくっつくのはこりごり。
ホーチミン行き飛行機   現在、日本から直行便がないので、カンボジアに行くには、タイかベトナム経由が一般的である。今回は、ベトナムのホーチミン市経由。それでも、日本を朝出発して、夕方にはカンボジアに着くから、やはり近い(まあ、比較の問題でもあるが)。ホーチミン市へは、関空からの直行便であるため、羽田発の飛行機で乗り継ぐ。当然、羽田発の時間は朝早い(7時)ため、埼玉の隅っこに住んでいる我々は、羽田で1泊する必要があり、余分な出費となった。
 関空での出国審査も、簡単になっている。あの面倒くさい、出入国カードがなくなったためだ。関空からホーチミン市行きの飛行機は、ベトナム航空と日本航空の共同運行便。機内は、ベトナムを観光すると思われる日本人でいっぱいである。海外旅行先としては、カンボジアよりもベトナムの方がはるかに人気があり、安いツアーが多数催行されている。このうちの何割の人がカンボジアに乗り継ぐのであろうか?ベトナム空港のスチュワーデスさんは、真っ赤な民族衣装を着ている。細身のベトナム女性にはよく似合う。飛行機はなぜか予定より10分早く離陸。
 
 関空を午前11時に出発して、ホーチミン市までの飛行時間が6時間。時差がマイナス2時間なので、ホーチミン市到着は、午後3時ということになる。日本では、上着にフリースを1枚着ていても寒かったが、さすがに熱帯、気温30℃。暑い。フリースはもはや邪魔者だが、しょうがない。ホーチミン市国際空港は、日本の空港などに比べると、こじんまりした感じはするが、比較的新しく綺麗な空港である。到着口をまっすぐ行くと、ベトナム入国のイミグレーション。ほとんどの日本人は、そちらに向かう。我々はトランジットなので、その手前を左に曲がって、トランジットの受付カウンタへ。やはりというか、空港職員はまったりとしている。南国だからね(という問題かどうかは不明)。係りの女性に搭乗手続きをしてもらっている間、カウンタ奥で、大きな缶からお菓子を断続的に取り出してはぼりぼり食べているおじさんがいて、気になった。手続きを終了すると、「TRANSIT」と書かれた、青くて丸いシールを胸に貼られた。そして、出発ロビーへ移動。
 待ち時間が1時間ほどと、乗り継ぎ便の接続がとても良い。免税店をうろつくと、帰りのおみやげになりそうなものがある。カンボジアで買いそびれた場合は、ここで買えばいいやと胸算用する。

シェムリアップ行き飛行機  さて、搭乗手続きが始まる。飛行機は100人乗りのプロペラ機。これもベトナム航空。何年ぶりだろうか、プロペラ機。小学生のころ、大阪に行くのに乗った飛行機以来だなと思い出す。
 ほんの1時間ほどの飛行時間である。飲み物と軽食(パン)が出る。

 シェムリアップ上空は曇り気味である。着陸直前、空から見た感じでは、大きな町は見られない。未舗装の道路が赤いのが印象的(土が赤いのだ)。自転車に乗った人々が行き来するのが見える。
  無事に着陸。気温はこちらも30℃ほどである。空港で働いている赤い作業服の人々を見ていると、身長の低い人が多い。シェムリアップ空港は、全くこじんまりした空港で、国際線の建物はかなり古い。ローカル線に乗っていて、地方の小さな駅に降り立った、なんとなく、そんな気分である。
 荷物を受け取って、建物の外に出ると現地ガイドが待っている。カンボジア人にしては長身の部類に入るくらい背が高い人。名前が覚えにくい。前ロッテにいた伊良部に似ている(今はどこにいるんだっけ?)。我々以外にも、日本人観光客のおじさんおばさん6人を拾って、バスでホテルに移動。バスはなんと大型バス(メルセデス ナンバー1!)。これから3日間このバスで移動となるが、人数が少ないのでひろびろである。
 空港から、町の中心部まで、およそ20分程度。もう、夕日が沈みそうである。シェムリアップはホントに小さな町。道路沿いに建物が増えてきたので、町並みはまだかなと見ていたら、ホテルに着いてしまった。もっとも、ホテルが町の外れの方にあるというのもある。
 我々が泊まるのはバンテアイ・スレイホテル。バスに乗っていた日本人がみな同じホテルに泊まるわけではなく、バスに乗った中では、我々だけだった。中国系のオーナーのホテルだそうで、装飾がいかにも中華という感じ。ホテルの前に机が置いてあり、飾り付けがしてある。「明日は中国の旧正月」と伊良部くんが教えてくれた。お祝いの日ということもあり、夜は少々騒がしかったようだ(夜中まで爆竹がうるさかったと相棒。わたしは爆睡したので知らない)。
 フロントで、細かい説明をしてもらった後、伊良部くんは去っていった。素朴な感じの好青年なのだが、愛想笑いしすぎるのがちょっと気になる。もっと、キリッとしたらいいのに。
 部屋はまずますである。お湯もちゃんと出る!水道水がちょっと鉄臭いのが気になる程度。無料のミネラルウォーターがあるのも助かるところだ(といっても、最初は水道水を詰めたものではないかと、しばらく疑っていたが)。インドにいって以来、飲み水にはやたら警戒しているのだ。

中華っぽい料理  荷物の片づけも適当にして、ホテルのレストランで夕食をとる。時間は7時くらいだが、レストランに客の姿が見えない。給仕の若いおにいさんが何を飲むか日本語で聞いてくる。僕はビール、相棒はコーラ。ビールは、アンコールビールという名のカンボジア産のものビール。ちょっと甘いような感じがするが、飲みやすいビールだ。料理は、中華料理っぽい感じである。とてもおいしい。しかも、量が2人分にしては多い。
 ただ、やたらと給仕がまわりをうろつきまわるのが気になる。 「おいしい?」と何度も聞いてくる。そんなに聞いてこなくてもいいよ、充分おいしいってば。
 料理を終わって、飲み物の値段を聞いたら、4$と言うので、5$払って、1$おつりを貰う。後で、相棒が、
「チップをやらないといけなかったのじゃないの?」
というので、そういえば、そうかと思って、ちょっと考え込む。チップ、これに関しては、海外を旅行すると、いつも困るのだ。ところで、給仕はみな、若いおにいさんばかりだったが、50近いんじゃないかというおじさんが1人いて(この人が、精算をしてくれたのだ)、相棒によると、
「お釣りを請求したときの顔が、結構渋かった」
とか言う。そんなことはなくて、そういう顔なんだと思うけど。さらに、相棒が
「もしかしたら、クメール・ルージュだったんじゃない?」
とかも言ってる(笑)。それはそれとして、カンボジアでこのおじさんのように、歳をとった人を見つけるのは結構難しいことが後でわかる。若い人々の国であることが。

次へ


旅行記目次

旅ホーム

ホーム