Konica現場監督28HG (28mmF3.5)

コニカ現場監督28HG (28mmF3.5)

Last update 23/06/2005

Since 25/07/2002

コニカ現場監督28HG

【コニカ現場監督28HGの概要】

 コニカ現場監督28HGは、コニカの大光量フラッシュ内蔵広角レンズ付き防水・防塵・対ショックのコンパクトカメラ。 もともとは工事現場の状況写真を撮るためのカメラとして発売された。 JIS C0920 保護等級7級(防浸型)で水面下1mで30分間水中に放置の試験をクリアしている。 レンズは28mmF3.5で5群5枚構成。さらに前面に防水防塵ガラスが1枚ついている。

【コニカ現場監督28HGの外観】

 ベースは少しグリーンがかったグレーのエンジニアリングプラスチックで、要所を黒のラバーが覆っている。 スイッチ類はシンプルで電源とモード選択とシャッターボタンに途中巻き戻し用スイッチしかない。 レンズはがっちりとした金属のカバーの中に入っていて、防塵ガラスが最前面にはめられている。 裏蓋や電池蓋にはパッキンがついていて、水や埃の侵入を防いでいる。 右手側は大きなグリップになっていて電池と大容量のコンデンサーの収納場所となっている。 評価できるのは左手側にもラバーのグリップがあり、ホールドしやすいことである。
コニカ現場監督28HG

【コニカ現場監督28HGの操作感】

 コニカ現場監督28HGの操作は至ってシンプルである。電源を入れてシャッターボタン半押しでAF/AEロック、 構図を修正してシャッターを押し切るだけである。 半押し時にジッという音がするとともに手に振動が伝わるようになっている。 騒音の激しい場所で半押しの確認がしやすいようにと思われる。 このカメラのAF用フォーカスフレームは中央の小さな丸1点で、 フォーカスロックができる人にとっては実に使いやすい。 どこにピントを合わせているか合っているかわからないコンパクトカメラでは、 ワイドエリアよりもこうしたピンポイントフォーカスエリアの方が優れていると思う。
 また露出計の感度分布もスポットに近く、これもAEロックの何たるかがわかっている人には露出の調整がしやすい。 露出補正は+2しかないが、このスポット気味の感度分布のお蔭でポジフィルムでも露出調整に困らない。 ただシャッターの最高が280分の1秒なので高感度フィルムを入れた場合には注意が必要。 ネガならオーバー露出は問題が少ないが、ポジフィルムの場合快晴時には高感度フィルム使用は避けた方がいい (そんな人いないと思うが)。
 モードはAUTO、フラッシュ強制発光、フラッシュOFF、フラッシュOFFで+2補正、セルフタイマーモード、無限遠モード が、モードスイッチを押すたびに表示され循環する。 電源スイッチをOFFにするとその前のモードはキャンセルされAUTOになるが、電源をOFFにしない限り同じモードのままである。 ただし、セルタイマーモードのみ撮影後はAUTOに戻る。モードは小さな液晶に表示される。
 すべての操作は手袋をはめたままでできる。 もともと工事現場用なので手袋のままで撮影ができるようにグリップやボタン類が考慮されていると思われる。 大柄なボディーは対ショック性能の向上のためと手袋のままで撮影可能なためだと推察される。
 もうひとつこのカメラの利点は40cmまで近接できることである。
コニカ現場監督28HG

【コニカ現場監督28HGの描写】

 色味はニュートラルと思う。そして思いのほかこってりとした発色だ。冬の青空など紺碧に写る。 ボケ味は広角レンズで絞りが選べない関係上あまり問題にならないが、 フラッシュOFFで室内ポートレートなどを撮ると、絞り開放で美しいボケが得られた。 絞りはレンズシャッターと兼用の猫の目絞りだから、菱形になったり三角形になったりする。 周辺光量はやや落ちるが、小絞りのときに目立つ。猫の目絞りと関係があるようだ。
 コントラストも高く、シャープだ。もともと工事現場の写真用なので、細かいところが写らないと 困るから、設計上も解像力等考慮していると思われる。 特に近接時の描写が優れていると思う。
 歪曲はほとんどなく、建築物や室内撮影でも気にならない。 もともと工事現場で建物や室内を写すカメラだから当然か。 像面も平坦である。

【コニカ現場監督28HGその他】

 コニカ現場監督28HGは工事現場用カメラということだが、私は工事関係者ではないので、アウトドア用カメラとして購入した。 天候の悪いときや、海辺のレジャー、熱帯植物園とかお風呂場などカメラレンズの故障が怖いときなど 大活躍である。山行きでも軽いカメラなので安心して持っていける。 工事提出用の写真がデジタルに移行してもアウトドアカメラとして存在価値はあると思う。
 フラッシュが大光量なので公称ISO400フィルムで20m先まで撮影可となっている。 これも便利。反面フラッシュマチックなので常にフル発光で電池がもったいない。 のちにECOシリーズがでてこの点は改良されたが、本機種の後継のECOシリーズは現時点では出ていない。
 電池は2CR5リチウム電池なので寒いところでも大丈夫である。 マイナス10℃くらいのところで使ったが動作は普段とまったく同じであった。
 対ショック性も優れている。歩道の上に肩から下げていて落としたが、少し傷がついただけで カメラには何の影響もなかった。
 このときはある公園の中を歩いていたら遊歩道の横でキャッチボールをしている人がいて、 すぐ側を我々が通行しているのを認識しつつもキャッチボールを続けるので、 ボールの行方に気をとられていたら肩から現場監督が滑り落ちるのに気づくのが遅れた。 腹が立つのでそいつらの顔写真でも撮ってやろうかとも思ったが(笑)、 いつまでもそういう奴の顔写真が手元に残るのはいやなので撮らなかった。 現場監督を持っているときでよかったと思う。 他のカメラなら間違いなく再起不能だったろう。

【コニカ現場監督28HGの仕様】

焦点距離;28mm/口径比;1:3.5/最小絞り;F16/レンズ構成;5群5枚(さらに前面に防塵ガラス1枚)/
画角;74°/絞り羽根枚数;2枚/最短撮影距離;0.4m/シャッタースピード;1/4〜1/280秒、バルブ2秒/
大きさ142.5×83.5×57mm/重量;375g(電池別)/幅広ストラップ、フィルムケースホルダー2個付属/
AFステップ数;100(『カメラ年鑑』による)/電池;2CR5 6V/ファインダー;実像式 0.4倍(『カメラ年鑑』による)/
(2002年7月25日 記)

コニカの現場監督28HGの製品紹介サイトへ
※コニカ・ミノルタ合併によるリンク先URL変更につき訂正(2003年10月1日)
※またまたいつの間にかURL変更に付き訂正(2005年6月23日)

久しぶりに各部点検を依頼し、裏蓋をデート付きに改造してもらった。リポートはコニカ現場監督28HG点検(兼裏蓋改造)完了!: "Haniwaのページ"作者のblogに記しておいた。(2005年6月23日追記)

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